デジタル大辞泉 「唐物屋」の意味・読み・例文・類語 からもの‐や【唐物屋】 1中国からの輸入品を売買していた店や商人。とうぶつや。 ﹁江戸市中の―は外国品を売買して﹂︿福沢・福翁自伝﹀ 2 古道具屋。 とうぶつ‐や〔タウブツ‐〕【唐物屋】 唐物を売る店。洋品店。「―には毛糸、シャツ、ズボン下などが山のように並べられてある」〈花袋・田舎教師〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「唐物屋」の意味・読み・例文・類語 からもの‐や【唐物屋】 (一)〘 名詞 〙 (二)① 中国その他の外国から輸入された雑貨を売買する店。唐物商。唐物店(だな・みせ)。とうぶつや。 ①︿人倫訓蒙図彙﹀" /> 唐物屋①︿人倫訓蒙図彙﹀ (二)[初出の実例]﹁頭巾は三条から物屋甚吉殿の御方より、赤き錦を百日ばかりの其内に、心を尽し縫ひ立て﹂(出典‥仮名草子・竹斎︵1621‐23︶上) (三)② 古道具屋。唐物商。 とうぶつ‐やタウブツ‥︻唐物屋︼ (一)〘 名詞 〙 外国の商品、特に西洋の衣料その他の雑貨を商う店。また、その人。唐物店。からものや。 (一)[初出の実例]﹁唐物屋拾五組﹂(出典‥古着問屋旧記‐享保八卯年︵1723︶質屋を始め紛失物御調筋可相成家業銘書上写) (二)﹁唐物屋(タウブツヤ)には毛糸、シャツ、ヅボン下などが﹂(出典‥田舎教師︵1909︶︿田山花袋﹀二五) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
日本大百科全書(ニッポニカ) 「唐物屋」の意味・わかりやすい解説 唐物屋とうぶつや 唐物を売買する商人の店。唐物は古代の9世紀に中国から舶載した品物のことで、10世紀からは﹁からもの﹂といった。17世紀にできた唐物屋は、長崎で取引する西洋や東洋の品物、たとえば道具類、香料、革、紙、薬、墨、筆などを扱った。18世紀には古道具屋の別名ともなったが、そうした異国の品物も扱っていたことは十分考えられる。そのころの大坂の唐高麗物屋(からこまものや)も唐物屋のことであった。﹁異国新渡奇品珍物類﹂という看板を掲げた店先でエレキテル治療をし、またコップやフラスコのガラス製品・花瓶などの中国陶磁器も商った。19世紀後半からは、西洋小間物店ともいうように、欧米各国の服飾品、衣料、帽子、化粧品、洋酒、手提げ鞄(かばん)などを扱うようになった。20世紀からは、洋酒類を除いたものを扱い、洋品店という言い方に変わった。 ﹇遠藤元男﹈ ﹃仲田定之助著﹃明治商賣往来﹄︵1968・青蛙房︶﹄ 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例