デジタル大辞泉 「国技」の意味・読み・例文・類語 こく‐ぎ【国技】 その国を代表する特有の武芸・競技・技芸。また、競技人口の多いスポーツをその国の国技とすることもある。日本では一般に相撲が国技とされる。アメリカでは、野球、アメリカンフットボール、バスケットボール、アイスホッケーなどを国技とする。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「国技」の意味・読み・例文・類語 こく‐ぎ【国技】 〘 名詞 〙 その国を代表する、特有な技芸、武芸、スポーツ。日本の国技は相撲とされている。[初出の実例]「ベースボールは素と亜米利加合衆国の国技とも称すべき者にして」(出典:松蘿玉液(1896)〈正岡子規〉七月一九日)[その他の文献]〔海録砕事‐音楽・楽〕 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
日本大百科全書(ニッポニカ) 「国技」の意味・わかりやすい解説 国技こくぎ 一つの国の特有な武術、または趣味を発揮した技能、芸能のことで、日本では相撲(すもう)をさしていう。しかし近年の日本野球でも﹁野球を不朽の国技﹂とすることが野球協約にうたわれているが、野球ファンにもその趣旨は普及していない。日本において﹁国技﹂の初出は、江戸時代の化政(かせい)期︵1804~30︶に隆盛をみた囲碁を武士階級が国技と称したことがある。1909年︵明治42︶6月、東京・本所両国の回向院(えこういん)境内に相撲常設館が完成した。当時常陸山(ひたちやま)・梅ヶ谷(うめがたに)の両横綱が並び立ち、大相撲は黄金時代の隆盛を迎え、江戸時代からの掛け小屋から、雨天でも興行できるようになった。この開館式の式辞文中に﹁相撲は日本の国技﹂とあって、常設館が﹁国技館﹂と命名された。以後、相撲は国技という名称でよばれ、﹃国技﹄という相撲専門誌も刊行された。 いま世界各国で国民的競技national sportsの名称でいわれているスポーツは各種ある。アメリカのフットボールと野球、トルコのレスリング、イギリスのサッカー、クリケット、モンゴル︵蒙古(もうこ)︶のモンゴル相撲、スウェーデンの体操と徒歩競技、ブラジルやスペインのサッカーなどがあげられよう。しかし、これらが国技といいうるかは明確でない。古代インドでは、格闘技が盛んであったため、一地方では﹁力士(りきし)国﹂と称したことが釈迦(しゃか)伝の経本に出ている。古代エジプトでも、水泳が国民各層に広く行われた時代があった。古代ギリシアもレスリングを市民の体育とした。 ﹇池田雅雄﹈ 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例