デジタル大辞泉 「大将」の意味・読み・例文・類語 たい‐しょう〔‐シヤウ〕【大将】 ︽﹁だいしょう﹂とも︾ 1 全軍または一軍の指揮・統率をする者。 2 軍人の階級の一。将官の最上位で、中将の上。 3 近(この)衛(え)府(ふ)の長官。左右各一人。 4 剣道や柔道などの団体戦で、最後に戦う人。→先鋒 →次鋒 →中堅 →副将 5 一つの集団の中のかしら。﹁お山の大将﹂ 6 同輩・目下の男性を、親しみやからかいの気持ちを込めて呼ぶ語。﹁よう大将、元気か﹂ [類語]︵1︶将軍・主将・キャプテン・キャップ・長(ちょう)・長(おさ)・頭(かしら)・トップ・首領・親方・親分・親玉・棟梁・頭目・ボス・ドン・闇将軍/︵6︶彼・彼氏・彼女・此(こや)奴(つ)・こいつ・其(そや)奴(つ)・そいつ・彼(かや)奴(つ)・きゃつ・あいつ・奴(やつ)・奴(やっこ)さん・先生・敵・この方・この人・その方・その人・あの方・彼(あち)方(ら)・あの人 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「大将」の意味・読み・例文・類語 たい‐しょう‥シャウ【大将】 (一)〘 名詞 〙 ( 古くは多く﹁だいしょう﹂ ) (二)① 近衛府の長官。左右一人ずつある。兵士を率いて皇居を警固し、儀式の際には威儀を整えた。 (一)[初出の実例]﹁改二授刀衛一為二近衛府一、其官員、大将一人為二正三位官一﹂(出典‥続日本紀‐天平神護元年︵765︶二月甲子) (三)② 全軍または一軍の指揮・統率をつかさどるもの。 (一)[初出の実例]﹁都の大将軍をば宗盛といひ、討手の大将をば権亮といふ間﹂(出典‥平家物語︵13C前︶五) (二)[その他の文献]︹漢書‐高帝紀上︺ (四)③ 一群の首長。かしら。長(おさ)。頭領。 (一)[初出の実例]﹁是以て伝教大師は仏法の大将として﹂(出典‥神道集︵1358頃︶三) (五)④ 軍隊の階級の一つ。将官の最上位で、中将の上に当たる。︹軍制綱領︵1875︶︺ (六)⑤ ( 代名詞的に用いることが多い ) 人に親愛の情を示して呼びかけたり、戯れて言ったりする語。また、町工場や商店の主人を呼ぶ語。﹁旦那(だんな)﹂﹁先生﹂などという類。 (一)[初出の実例]﹁ヲイヲイ大将大将、︿これはおいらんこの糸にいふことば、しゃれていふ也﹀なんぞうめへものを好んでやらねへか﹂(出典‥人情本・春色恵の花︵1836︶二) (七)⑥ 十二神の一つ一つ。 大将の語誌 (1)①は、天平神護元年、授刀衛を近衛府と改めたときは正三位相当官一名であったが、大同二年︵八〇七︶に左右近衛府ができて二名となる。以後、従三位相当で、多く大納言が兼任したが、大臣や参議で兼ねる者もいた。タイシャウと読んだのかダイシャウと読んだのかは不明。 (2)②は、武士の台頭が起こる院政期から見え始める。この時期の読みの清濁も不明。読みがはっきりするのは、中世末期、﹁永祿二年本節用集﹂で、官職の場合はダイショウ、軍統率者の場合はタイショウと読み分けている。以後の節用集の多くも同様。﹁日葡辞書﹂にも﹁Daixǒ 内裏の宮廷における或る官職﹂と﹁Taixǒ 大将﹂とが別項目になっているが、江戸期になると判然としなくなる。 おおい‐いくさのきみおほい‥【大将】 〘 名詞 〙 大将軍。おおきいくさのかみ。[初出の実例]「拝(ことよ)さして大将(オホイイクサノキミ)と為」(出典:日本書紀(720)雄略九年三月(前田本訓)) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例