日本歴史地名大系 「太田市」の解説
太田市
おおたし
面積：九七・五二平方キロ
県の東部に位置し、北は桐生市、西は新につ田た郡藪やぶ塚づか本ほん町・新田町、南は同郡尾おじ島ま町、埼玉県大おお里さと郡妻めぬ沼ま町、東は邑おう楽ら郡大おお泉いずみ町・邑楽町、栃木県足あし利かが市と接する。北東境を渡良瀬川、南辺を利根川および支流の石いし田だ川がそれぞれ南東流する。利根・渡良瀬両川の沖積低地が大部分を占め、北部に標高二五〇メートル前後の八はち王おう子じ丘陵、中央部に金かな山やま丘陵︵最高点二三四・九メートル︶の高地︵洪積台地︶がある。同丘陵は古くより郡境の山といわれ、西側が新田郡、東側が山田郡とされた。いずれも渡良瀬川を水源とする新につ田たぼ堀り水系︵中部・西部︶、矢やば場が川わ水系︵東部︶に属する中小河川、用水路がほぼ南流する。南部を国道三五四号が横断し、同四〇七号が中心部をほぼ縦断。市街中心地を抜ける国道一二二号と、渡良瀬川右岸沿いの同五〇号が北西―南東に走る。
〔原始〕
金山南東東ひが長しな岡がおのかの焼やけ山やまでは先土器時代の石器が発見されている。縄文期の遺跡は、調査されたおもなものとして、東ひが金しか井ない下しも宿じゆく遺跡・竜りゆ舞うま間いあ之いの原はら遺跡・脇わき屋やど堂うば原ら遺跡・東ひが今しい泉まい大ずみ道だいどう遺跡などがあげられ、このうち東南部、邑楽台地北端に位置する間之原遺跡からは前期関山式土器を伴う住居跡も確認されている。弥生時代の遺跡は東毛地方一帯では希薄であるが、昭和二七年︵一九五二︶米よね沢ざわの石田川護岸工事中に発見された土器は、古式の土師器と認定され石田川式土器と名付けられた。四世紀前後のもので、由ゆら良ご五た反ん田だ遺跡などの水田微高地からも発見された。これらの土器は東海地方にその源流を見出すことができ、この文化を携え移住してきた人々は西毛文化とは異なった文化圏に属していたと考えられる。
弥生時代の遺跡の希薄さに対して古墳の多さは特徴的である。内うちヶ島しま・細ほそ谷や・強ごう戸ど・矢場の各地区、また高たか林はやしから細谷にかけての石田川左岸に集中してみられる。また埴輪としては唯一の国宝である武装男子立像埴輪などのすぐれた出土物も多く、金山の北東部から八王子丘陵の南部にかけて埴輪の窯跡群も認められる。四世紀になると、蛇へび川水系に初期古墳ができる。蛇川下流牛うし沢ざわののた頼の母も子し古墳︵円墳︶からは銅鏃、舶載鏡三面などが出土し、四世紀中葉期頃と推定される。四世紀末から五世紀にかけてと思われる、同じく牛沢にある全長一二三メートルの前方後円墳朝ちよ子うし塚づか古墳からは古式円筒埴輪を確認、付近には石田川式土器使用住居跡も発見され、石田川式文化との深いつながりが考えられる。蛇川上流域の金山丘陵南西端八はち幡まん山山頂には丘陵を利用した前方後円墳八幡山古墳が、さらに上流の金山北西山麓寺てら山やまにはやはり丘陵利用の数少ない前方後方墳寺山古墳が構築されている。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「太田市」の意味・わかりやすい解説
太田〔市〕
おおた
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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