デジタル大辞泉 「子細」の意味・読み・例文・類語 し‐さい【子細/×仔細】 ﹇名・形動﹈ 1 事細かであること。また、そのさま。詳細。﹁―な検討﹂﹁―に述べる﹂ 2 詳しい事情。一部始終。﹁事の―を記録に残す﹂ 3 特別の理由。こみいったわけ。﹁―があって話はできない﹂﹁―ありげな面持ち﹂ 4 差し支えとなる事柄。異議。﹁行くことに―はあるまい﹂ [類語]︵1︶委細・委曲・詳しい・細かい・詳細・詳密・精細・明細・克明・つまびらか・事細か・具(つぶさ)に・逐一・細大漏らさず/︵2︶経緯・過程・いきさつ・顛末・一部始終・プロセス・始末・次第・曲折/︵3︶理由・事由・所(しょ)由(ゆう)・根拠・訳(わけ)・故(ゆえ)・意味・原因・由(よし)・謂(いわ)れ・所(ゆえ)以(ん)・故(ゆえ)由(よし)・事(こと)訳(わけ)・訳(わけ)合い・訳(わけ)柄(がら)・事情・諸事情 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「子細」の意味・読み・例文・類語 し‐さい【子細・仔細】 (一)〘 名詞 〙 (二)① ( 形動 ) こまかなこと。くわしいこと。また、そのさま。 (一)[初出の実例]﹁雲上故実以二故相公之御説一雖レ有レ所レ聞。温樹不レ言難レ及二子細一﹂(出典‥明衡往来︵11C中か︶下本) (二)﹁毎船此等の事を仔細に記したる簿冊﹂(出典‥西洋聞見録︵1869‐71︶︿村田文夫﹀後) (三)[その他の文献]︹魏書‐源思礼伝︺ (三)② くわしい事情。事のいわれ。理由。 (一)[初出の実例]﹁前(さき)の度子細は承り候ひにき﹂(出典‥今昔物語集︵1120頃か︶一九) (四)③ ( 形動 ) あれこれと異議を言いたてるほどのさしつかえとなる事柄。面倒なこと。また、そのさま。異論。異議。 (一)[初出の実例]﹁既に詔命を下さる。子細を申すにところなし﹂(出典‥平家物語︵13C前︶一) (二)﹁けっきさかんの若法師、耳にも更に聞いれず、しさいな者には舞見せな﹂(出典‥浄瑠璃・定家︵1708︶五) (五)④ ( 形動 ) 表面に出していうことができない事情。ある事情。なにかのわけ。また、そのような事情のありそうなさま。もったいぶったさま。 (一)[初出の実例]﹁近日人々あひたくまるる子細ある歟(か)の間﹂(出典‥平家物語︵13C前︶一) (二)﹁殊の外しさいなる親父﹂(出典‥咄本・新軽口恵方宝︵1764‐72頃︶) (六)⑤ 人の感動するようなこと。 (一)[初出の実例]﹁人皆いひやみて後は太夫のこらず自由してひとしほ子細(シサイ)をやれば、外よりは過分の入銀﹂(出典‥浮世草子・好色盛衰記︵1688︶三) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例