デジタル大辞泉 「安」の意味・読み・例文・類語 あん【安】[漢字項目] ﹇音﹈アン︵呉︶︵漢︶ ﹇訓﹈やすい いずくに いずくんぞ ﹇学習漢字﹈3年 ︿アン﹀ 1 変わったことがなく穏やかに落ち着いている。﹁安静・安全・安泰/公安・治安・平安・保安﹂ 2 心を落ち着ける。やすらかにする。﹁安心・安(あん)堵(ど)/慰安﹂ 3 たやすい。﹁安易・安直﹂ 4 値段がやすい。﹁安価﹂ 5 アンモニア。﹁硝安・硫安﹂ ︿やす﹀﹁安値/格安・目安・割安﹂ ﹇名のり﹈さだ・やす・やすし ﹇難読﹈安(あ)芸(き)・安(あた)宅(か)・安(あ)房(わ)・安(アン)母(モ)尼(ニ)亜(ア) やす︻安︼ 形容詞﹁やす︵安︶い﹂の語幹。 1 他より金額の安いこと。また、安くて粗末なこと。﹁安アパート﹂﹁安月給﹂ 2 ある時期よりも金額が安くなること。﹁五円安﹂ 3 軽々しく行うこと。﹁安請け合い﹂ あん【安】 野球で、安打の略。ヒット。「右安」「左安」 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「安」の意味・読み・例文・類語 あん【安】 (一)〘 名詞 〙 (二)① やすらかなこと。危険がないこと。困難がないこと。 (一)[初出の実例]﹁安と危との機は、そっとちっとの処に謀で定るものなり﹂(出典‥史記抄︵1477︶八) (二)[その他の文献]︹春秋左伝‐襄公一一年︺ (三)② やすめること。しずめること。落ち着けること。 (一)[初出の実例]﹁自得の術は止定静安慮の五者に在り﹂(出典‥禅海一瀾︵1862︶) (四)③ ( 形動 ) 手軽なこと。値段がやすいさま。 (一)[初出の実例]﹁僕なぞの大食には、安(アン)で佳味で泰山ある物にあらずんば満腹愉快に至らぬから﹂(出典‥胡瓜遣︵1872︶︿仮名垣魯文﹀初) (五)④ =あん︵案︶⑤ (一)[初出の実例]﹁かくの如く当座(たうざ)当座のあてがひの安(アン)、不安の差別(しゃべつ)によりて﹂(出典‥拾玉得花︵1428︶) (六)⑤ =あん︵庵︶ (一)[初出の実例]﹁合大四十歩者︿在神前番井里十五坪内﹀右件安者、則松相伝安也、而今依有要用︿略﹀売渡進事明白也﹂(出典‥高野山文書‐元徳二年︵1330︶一一月一五日・則松安売券) やす︻安・易︼ (一)( 形容詞﹁やすい﹂の語幹相当部分 ) (二)[1] 〘 造語要素 〙 (一)① 名詞と熟合して、平安・安穏の意を表わす。﹁やすくに﹂﹁やすむしろ﹂﹁うらやす﹂など。 (一)[初出の実例]﹁春へ咲く藤の末葉のうら夜須(ヤス)にさ寝る夜そなき児ろをし思(も)へば﹂(出典‥万葉集︵8C後︶一四・三五〇四) (二)② 名詞や動詞と熟合して、たやすくそうすること、そのようにしがちであることを表わす。﹁やすうけあい﹂など。 (一)[初出の実例]﹁枝弱み乱れやすなる青柳の糸のたよりに風なより来そ﹂(出典‥天延三年庚申朝光歌合︵975︶) (三)③ 名詞と熟合して、その物の値段が安いこと、安くて粗末であることを表わす。﹁やすもの﹂﹁やすやど﹂﹁やすね﹂など。また、金額を表わす語に付いて、ある時点の価格と比べてそれだけ安くなっていることを表わす。﹁十円安﹂ (一)[初出の実例]﹁下等(ヤス)料理屋めいた西洋舘の楼下は﹂(出典‥くれの廿八日︵1898︶︿内田魯庵﹀六) (三)[2] 〘 名詞 〙 安いこと。安目。 やすらぎ【安】 〘 名詞 〙 ( 動詞「やすらぐ(安)」の連用形の名詞化 ) 穏やかな気分。ゆったりと落ち着いた心持。[初出の実例]「その馬鹿げたやうな浪費にも、黒田としては一種のやすらぎがあったわけだ」(出典:残夢(1939)〈井上友一郎〉三) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「安」の解説 安 やす ?-? 江戸時代前期の女性。 常陸(ひたち)(茨城県)那珂郡野上村の農民与次右衛門の妻。不治の病におかされた夫から離縁をせまられるが,ことわり,看護の合間に耕作し,姑をいたわった。これを知った徳川光圀(みつくに)より賞金をあたえられ,税をゆるされた。 安 あん ⇒おあん 出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例