デジタル大辞泉 「宿徳」の意味・読み・例文・類語 しゅう‐とく〔シウ‐〕【▽宿徳】 ﹇名・形動ナリ﹈︽﹁しゅくとく﹂の音変化という︾ 1 僧などが修行して、人徳のあること。また、その人や、そのさま。 ﹁気遠げなる―の僧都僧正の際は﹂︿源・橋姫﹀ 2 落ち着いて威厳のあること。重々しく、どっしりしていること。また、そのさま。 ﹁―にものものしき御さまかたち、あな清げ、今ぞ盛りと﹂︿増鏡・老のなみ﹀ しゅく‐とく︻宿徳︼ 1仏語。前世で行った福徳。宿福。 2 ⇒しゅうとく︵宿徳︶1 3 ⇒しゅうとく︵宿徳︶2 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「宿徳」の意味・読み・例文・類語 しゅう‐とくシウ‥【宿徳】 (一)〘 名詞 〙 ( ﹁しゅくとく︵宿徳︶﹂の変化した語とする説に従えば、歴史的かなづかいは﹁しゅうとく﹂となる ) (二)① ( 形動 ) 修行をして身に徳を積むこと。また、その人やそのさま。年をとった高徳の人。 (一)[初出の実例]﹁しうとくにてましましけるだいとこはやう死ににけるが﹂(出典‥御巫本大和︵947‐957頃︶二五) (三)② その道の年功を積むこと。また、その人。経験豊かな、年輩のおもだった女房などにもいう。 (一)[初出の実例]﹁女御の君の御車の次には、みくしげ殿、副車(ひとだまひ)さながら立つ。その次に、よろづのしうとく乗りたれど﹂(出典‥宇津保物語︵970‐999頃︶国譲下) (四)③ ( 形動 ) 人の姿や態度などが、重々しく威厳のあること。また、そのさま。 (一)[初出の実例]﹁几帳の縫物したる立てて、いとおとなしうしうとくなる声にて﹃なほ、ここにこそ﹄とて、しとねさし出でて﹂(出典‥宇津保物語︵970‐999頃︶楼上上) しゅく‐とく︻宿徳︼ (一)〘 名詞 〙 (二)① 仏語。前世で行なった福徳。宿福。 (三)② =しゅうとく︵宿徳︶① (一)[初出の実例]﹁僧専住極レ口而詈二宿徳一﹂(出典‥続日本紀‐天平宝字三年︵759︶五月庚辰) (二)[その他の文献]︹後漢書‐劉矩伝︺ (四)③ ( 形動 ) =しゅうとく︵宿徳︶③ (一)[初出の実例]﹁舎利弗は肥白くして宿徳也﹂(出典‥今昔物語集︵1120頃か︶三) (五)④ 宿老の年齢に達した公卿の装束。白地、無文、平絹の類を用いるのを普通とする。 (一)[初出の実例]﹁むろまち殿けふより御しゆくとくの御すかたなり﹂(出典‥御湯殿上日記‐文明一二年︵1480︶正月一〇日) しゅう‐とこシウ‥【宿徳】 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 「しゅうとく(宿徳)」の変化した語。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
普及版 字通 「宿徳」の読み・字形・画数・意味 【宿徳】しゆくとく 徳のある老人。︹東観漢記、七、北海敬王睦伝︺睦、恭にして士を好む。名儒宿、門に(いた)らざる(な)し。永中、法頗(すこ)ぶる峻、睦乃ち客を謝し、心を樂に放(ほしいまま)にす。 字通﹁宿﹂の項目を見る。 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報