精選版 日本国語大辞典 「小坂」の意味・読み・例文・類語 こ‐ざか【小坂】 (一)〘 名詞 〙 小さい坂。ちょっとした坂。けわしくない坂。 (一)[初出の実例]﹁金尾丸、穴の方に立て引き入むと為るを、少し小坂なるに、去様(のきざま)に金尾丸を強く突けば﹂(出典‥今昔物語集︵1120頃か︶一六) おさかをさか︻小坂︼ (一)岐阜県下呂(げろ)市の地名。益田川と小坂川の合流点にあり、高山本線が通じる。御嶽山(おんたけさん)の登山口。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
日本大百科全書(ニッポニカ) 「小坂」の意味・わかりやすい解説 小坂おさか 岐阜県中東部、益田郡(ましたぐん)にあった旧町名︵小坂町(ちょう)︶。現在は下呂(げろ)市の北東部を占める一地域。1898年︵明治31︶町制施行。2004年︵平成16︶萩原(はぎわら)、下呂、金山(かなやま)の3町および馬瀬(まぜ)村と合併、市制施行して下呂市となる。旧小坂町は、小坂川が飛騨(ひだ)川︵益田川︶に注ぐ地点を中心とし、町並みは飛騨川東岸の段丘上にあって街村状に発達する。全面積の97%が山林で、広大な国有林を抱え、国有林事業に依存する者が多い。県内有数の木材の産地だが、ヒノキの造林地は特別天然記念物のニホンカモシカの食害による大きな被害を受け、1980年代には捕獲対策も打ち出された。JR高山本線が通じ、飛騨小坂駅は木曽ヒノキなどの積出し駅で、御嶽(おんたけ)山登山口にあたる。国道41号が走る。区域は御嶽山頂に達し、標高約1800メートルの山腹に濁河温泉(にごりごおんせん)、山麓(さんろく)に下島(したじま)、湯屋(ゆや)の温泉があり、3温泉は国民保養温泉地︵小坂温泉郷︶に指定されている。また、小坂は根尾の滝をはじめ、滝が多いことで知られている。小坂郷土館もある。 ﹇上島正徳﹈ ﹃﹃岐阜県小坂町誌﹄︵1965・小坂町︶﹄ [参照項目] | 御嶽山 | 金山 | 下呂 | 下呂(市) | 濁河温泉 | 萩原 | 馬瀬 | 湯屋温泉 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
改訂新版 世界大百科事典 「小坂」の意味・わかりやすい解説 小坂[町] (こさか) 秋田県北東端,鹿角︵かづの︶郡の町。人口6054︵2010︶。鹿角盆地北部を占め,小坂川中流部を除いては山地が多く,北東部に十和田湖がある。東北自動車道のインターチェンジがある。中心集落の小坂には大館から小坂鉄道が通じていた︵1994年旅客営業廃止。2008年貨物輸送廃止︶。1861年︵文久1︶に小坂鉱山が発見されてから発達し,明治末期から大正初期には人口3万人近くを数えた。その後一時衰微したが,1959年内ノ岱︵うちのたい︶に黒鉱の新鉱床が発見され,再び活気を呈するようになった。昭和60年代まで4鉱山があったが,急激な円高や鉱量の涸渇などによりすべて終掘となった。農業は稲作を中心にイチゴ栽培,肉牛の放牧も行われている。十和田湖南岸の生出︵おいで︶は通称和井内で,和井内貞行がヒメマスの孵化︵ふか︶事業に尽力した地である。 執筆者‥佐藤 裕治 小坂 (おさか) →下呂[市] 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「小坂」の意味・わかりやすい解説 小坂おさか 岐阜県中東部,益田川の上流域にある地区。旧町名。 1898年町制。 2004年3月萩原町はじめ3町1村と合併し,下呂市となった。山林が広く,大半は国有林。ヒノキ,ヒバ,サワラなどの天然林が東の御嶽山山麓に分布。江戸時代は幕府所有,明治以後官有林,御料林,第2次世界大戦後は国有林と変遷。中心集落の小坂は 1934年の高山本線開通以来,製炭,製材,木材搬出地として発展。大きな貯木場がある。林業就業者が多い。飛騨小坂駅は御嶽登山,濁河温泉,湯屋温泉,下島温泉への玄関口。スキー場,キャンプ場などもある。国道41号線が通る。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報