成長ホルモン(読み)セイチョウホルモン

デジタル大辞泉 「成長ホルモン」の意味・読み・例文・類語

せいちょう‐ホルモン〔セイチヤウ‐〕【成長ホルモン/生長ホルモン】

 
1GHgrowth hormone
2   

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精選版 日本国語大辞典 「成長ホルモン」の意味・読み・例文・類語

せいちょう‐ホルモンセイチャウ‥【成長ホルモン】

  1. 〘 名詞 〙 ( ホルモンは[ドイツ語] Hormon ) 哺乳類の体全体の成長を促す蛋白系のホルモン。脳下垂体前葉から分泌される。成長期以前に分泌の低下が起こると小人症となり、過剰になると巨人症や末端肥大症などが起こる。〔人体の機能(1952)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「成長ホルモン」の意味・わかりやすい解説

成長ホルモン
せいちょうほるもん


()GHgrowth hormoneSTHsomatotropic hormonesomatotropin1912220002

 調()()調()調調()

 ()()()()



19921996

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改訂新版 世界大百科事典 「成長ホルモン」の意味・わかりやすい解説

成長ホルモン (せいちょうホルモン)
growth hormone


GHsomatotropinSTHsomatostatinGIFGIHSRIFGRFGRH調1SS190
 1/101971

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内科学 第10版 「成長ホルモン」の解説

成長ホルモン(加齢とホルモン/ホルモン補償療法)

 
2growth hormoneGH
 GHIGF-1GHIGF-1GHGH-IGF-1GHGHIGF-1GH-IGF-1GHGH
 GHGHlean body massLBMGH2009Growth Hormone Research SocietyGRS寿GH

尿95: 751-7602004
Roth GS, et al: Biomarkers of caloric restriction may predict longevity in humans. Science, 297: 811, 2002.  GH, DHEA, . 87: 515-520, 2010  

成長ホルモン(下垂体前葉ホルモン)

(2)成長ホルモン(growth hormone:GH)
a.化学構造と生合成
 下垂体前葉の半数近くを占めるGH分泌細胞により分泌されるGHの大部分は191個のアミノ酸残基からなる22 kGHで,2個のS-S結合を有する.また,22 kGHの32~46番目のアミノ酸配列が欠如した176個のアミノ酸残基からなる20 kGHが5~10%の割合で血中に存在している.これらGHは血中では単量体,二量体,多量体,さらにGH結合蛋白質(GH binding protein)に結合した形で存在している.22 kGHの約1/2が結合している結合蛋白質はGH受容体の細胞外構造が切断され血中に遊離したものである.遊離型のGHがGH受容体に結合して作用を示す.
b.作用
 GHは細胞膜を1回貫通する直鎖受容体に結合し,成長促進,細胞のアミノ酸の取り込みの促進,核酸,蛋白質の合成促進,脂肪分解,血中遊離脂肪酸の増加,グルコースの取り込みの抑制と肝臓からのグルコース放出の促進,腎尿細管でのリン酸塩,Na,K,Clイオンの再吸収の促進,小腸のCaイオン吸収促進,免疫担当細胞の機能亢進,肝臓や軟骨などのさまざまな組織でのインスリン様成長因子-Ⅰ(insulin-like growth factor-Ⅰ:IGF-Ⅰ,ソマトメジンC)の産生作用などを示す.IGF-Ⅰは血中に分泌されてホルモンとして作用するのみならず,自己分泌的,傍分泌的に作用して,各組織の細胞増殖,骨の長軸方向の成長促進および骨密度増加作用などを示す.
c.分泌調節
 GH分泌は視床下部のGH分泌促進作用を示す成長ホルモン放出ホルモン(growth hormone releasing hormone:GHRH)と分泌抑制作用を示すソマトスタチン(somatostatin:SRIH)の二重支配を受けて調節されている(図12-2-4).徐波睡眠,空腹,低血糖,血中遊離脂肪酸の低下,ストレス,運動,エストロゲン,グレリン,アルギニンやグルタミン酸などのアミノ酸投与によりGH分泌は促進し,高血糖,血中遊離脂肪酸の上昇,REM睡眠などによりGH分泌は抑制される.加齢に伴い中高年ではGH分泌が低下する.GH分泌に対し,薬剤ではドパミン作動薬,αアドレナリン作動薬,βアドレナリン遮断薬が促進的に,αアドレナリン遮断薬,βアドレナリン作動薬が抑制的に作用する.GHやIGF-Ⅰが下垂体,視床下部のGHRH神経細胞やSRIH神経細胞に作用してGH分泌を抑制する負のフィードバック機構が存在する.[芝﨑 保]

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百科事典マイペディア 「成長ホルモン」の意味・わかりやすい解説

成長ホルモン【せいちょうホルモン】

GH,ソマトトロピン(STHと略記)とも。脳下垂体前葉ホルモンの一種で,細胞膜のアミノ酸通過を刺激するなどタンパク質合成を直接・間接に支配し成長促進に働く。成長ホルモンそのものの分泌は抑制因子(ソマトスタチン)と促進因子によって調節される。過剰分泌すると若年では巨人症を,成人後では顎,手足の末端などが肥大する末端肥大症を起こす。少ないと脳下垂体性小人症などの発育不全症になる。広義には植物ホルモンも含む。
→関連項目希少疾病用医薬品脳下垂体前葉ホルモンヒト成長ホルモン

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「成長ホルモン」の意味・わかりやすい解説

成長ホルモン
せいちょうホルモン
growth hormone

(1) 植物の生長現象に関係するホルモンで,次のようなものが知られている。オーキシンジベレリン類,サイトカイニン酸 (主として細胞分裂) ,花成ホルモン (催花作用) ,アプサイシン酸 (離層や休眠芽形成) など。しかし,たとえばエチレンなども種子休眠の中断,落葉や果実成熟の促進という,ホルモン様の作用を示す。利用法として,挿木の発根促進にオーキシンが使われるが,オーキシン作用をもつ2,4-Dは特定の植物を徒長させて枯らす除草剤として使われている。ジベレリンは花卉栽培,種なしブドウに利用される。 (2) 動物では,脳下垂体前葉から出て全身の発育を促進するポリペプチドの成長ホルモンがある。別名ソマトトロピン somatotropinという。

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化学辞典 第2版 「成長ホルモン」の解説

成長ホルモン
セイチョウホルモン
growth hormone


GHSTH(somatotropic hormonesomatotropin)2.5×1045×104 [CAS 9002-72-6]

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栄養・生化学辞典 「成長ホルモン」の解説

成長ホルモン

 ソマトトロピンともいう.下垂体が分泌するタンパク質ホルモンで,動物の成長を促進する作用を示す.

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世界大百科事典(旧版)内の成長ホルモンの言及

【脳下垂体】より


[前葉と前葉ホルモン]
 腺下垂体の前葉からは数多くのホルモンが分泌されるが,現在までに完全にわかっているものは6種類である。すなわち,成長ホルモン,プロラクチン,副腎皮質刺激ホルモン,甲状腺刺激ホルモン,卵胞刺激ホルモン,黄体形成ホルモンである。このほか最近の説ではリポトロピンエンドルフィン,エンケファリンも分泌されるという。…

【ホルモン】より

…これらのホルモンには,黄体形成ホルモン放出ホルモン(略号LHRH。濾胞(卵胞)刺激ホルモン放出ホルモンと同一のものと考えられている),甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH),副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH),プロラクチンの放出ホルモン(PRH)と抑制ホルモン(PIH),成長ホルモンの放出ホルモン(GRH)と抑制ホルモン(GIH。抑制ホルモンはソマトスタチンともいわれる),黒色素胞刺激ホルモンの放出ホルモン(MRH)と抑制ホルモン(MIH)などがある。…

※「成長ホルモン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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