文庫本(読み)ブンコボン

デジタル大辞泉 「文庫本」の意味・読み・例文・類語

ぶんこ‐ぼん【文庫本】

文庫判出版物。元来は、安価で普及を目的としたもの。

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精選版 日本国語大辞典 「文庫本」の意味・読み・例文・類語

ぶんこ‐ぼん【文庫本】

 

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「文庫本」の意味・わかりやすい解説

文庫本
ぶんこぼん


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改訂新版 世界大百科事典 「文庫本」の意味・わかりやすい解説

文庫本 (ぶんこぼん)

おもに古典や定評のある著作類をおさめた小型本双書。判型はA6判が一般的で,廉価普及を目的とし,読者層の拡大に寄与している。現在,文庫本の出版社は地方を含めて約40社あり,50種ほどの文庫本が刊行されている。〈文庫〉という名称は本来,書籍,故書を収納するくらをいい,転じて内閣文庫,東洋文庫などのようにまとまった蔵書を意味した。今日の文庫本に近い形態のものとして初めて出版されたのは,1903年に冨山房から刊行された袖珍名著文庫である。日本の古典を中心に収録し,12年までに50冊を刊行して文庫本の権威を高めた。文庫の名を大衆的にしたのは,1911年から出版された立川文庫(立川文明堂)である。《猿飛佐助》などの講談ものを収録し,青少年層に圧倒的好評を博した。ついで13年に日本古典および漢書をおさめた有朋堂文庫,14年には洋書(トルストイやダーウィンなど)の完訳をめざした新潮文庫,東西の古典を抄録したアカギ叢書などが現れた。しかし現在の形の文庫本が出現したのは27年の岩波文庫によってであった。同文庫は,100ページにつき星印一つ20銭という定価設定などドイツのレクラム文庫に範をとり,万人の必読すべき古典的価値のあるものはすべて網羅するという意気込みで出発した。当時の無産知識階級や学生層の支持を得,赤帯(外国文学)によって日本文学の単行本の売行きが落ちるという現象もみられた。この成功によって改造文庫,春陽堂文庫,新潮文庫(第2次)などが参入して第1次の〈文庫本ブーム〉が起こった。第2次大戦後の1950年前後には,角川文庫,現代教養文庫,市民文庫,創元文庫など80~90種に及ぶ文庫本が刊行され,第2次ブームを呈した。さらに,71年,講談社文庫の発刊が契機となって,中央公論社,文芸春秋,集英社の各文庫が刊行され,第3次のブームが生じた。このころの文庫本の総発行部数は1730万部であったが,81年には8250万部と5倍近くになり,1点で10万部以上出版されるのも珍しくはない。このような部数増加は同時にその質的変容を意味し,収録作品の重点が,従来の古典・名作から娯楽的なミステリー,SF,中間小説に移り,評価の定まらない新しい作品や書下し作品まで収録され,さらに漫画や写真,辞書をも対象とするようになった。今日,各文庫ともかつての権威はうすらいだが,依然として広く親しまれている。
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百科事典マイペディア 「文庫本」の意味・わかりやすい解説

文庫本【ぶんこぼん】

古典や定評のある著作物,多数の読者を見こみうる作品などをおさめた小型本双書。A6判が一般的な判型で,多くは廉価。1927年から刊行の岩波文庫,1928年から刊行の新潮文庫(第2次)等がこれに属する。いずれもドイツのレクラム文庫に範をとっている。
→関連項目文庫

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