デジタル大辞泉
「文楽」の意味・読み・例文・類語
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ぶんらく【文楽】
(一)[1] 〘 名詞 〙 義太夫節に合わせて演ずる操人形浄瑠璃の芝居。もとはそれを興行する一座の名前であった文楽座に由来する。
(一)[初出の実例]﹁此はる、文楽(ブンラク)のしばゐでかさねの幽霊が灯籠ぬけは見たけれども﹂(出典‥咄本・諺臍の宿替︵19C中︶二)
(二)[2] ﹁ぶんらくざ︵文楽座︶﹂の略。
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文楽 (ぶんらく)
大坂の人形浄瑠璃芝居の呼称。義太夫節を地とし3人遣いの人形で演じる。大坂において義太夫節を地とする人形芝居は,貞享年間︵1684-88︶竹本義太夫によって創立された竹本座に始まるが,その後いくたびかの盛衰をへて幕末には植村文楽軒による興行が代表的な存在となった。1872年,新開地の松島に移ると同時に文楽座を名のり,これに対抗して旗揚げした彦六座の芸系が大正期に滅び去ったあとは文楽座がただ一つの存在となり,︿文楽﹀はこの芸能自体を意味するようになった。現在では正式の呼称として使用されている。文楽は日本の人形劇の代表的存在として能,歌舞伎と並んで三大国劇の一つに数えられ,1955年には国の重要無形文化財の指定︵団体︶を受け,さらに63年に国と大阪府・市などにより財団法人文楽協会が設立されて,補助金によって運営されるようになった。84年に大阪に専用の国立文楽劇場が開設された。
→人形浄瑠璃
執筆者‥山田 庄一
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知恵蔵
「文楽」の解説
文楽
江戸時代に大坂で生まれた人形芝居で、昔は人形浄瑠璃と呼ばれた。太夫と三味線が浄瑠璃を義太夫節という音曲で語り、人形遣いが3人で遣う三位一体となった音楽劇。太夫、三味線、人形遣いを三業(さんぎょう)という。現在は三業で90人いる。中でも太夫が、ひとりで物語の情景を描写し、多くの登場人物のせりふを語り分ける重要な役を務めている。竹本義太夫が1684年に大坂に竹本座を開き、新しい語り口である義太夫節の人形浄瑠璃を始めたのが草創期。18世紀半ばには﹁菅原伝授手習鑑﹂﹁義経千本桜﹂﹁仮名手本忠臣蔵﹂などの名作を生み、黄金時代を迎えた。明治時代に植村文楽軒が文楽座を名乗り、これに対抗した彦六座系統が大正時代に滅びてからは、文楽がこの人形浄瑠璃を指す正式名称になった。1955年に国の重要無形文化財に団体指定され、63年に国、大阪府・市などにより財団法人文楽協会が設立され、84年には大阪に専用の国立文楽劇場がつくられた。人形は主遣い、左遣い、足遣いの3人遣い。最初は1人遣いだったが、1734年に竹本座での﹁蘆屋道満大内鑑﹂の時に、吉田文三郎が今の3人遣いを考案した。人形の動きはよりリアルさを増し、世界でも例を見ない複雑で巧みな表現ができるようになった。
(山本健一 演劇評論家 / 2007年)
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文楽【ぶんらく】
大阪の人形浄瑠璃芝居。明和年間に大坂で興行した植村文楽軒︹1751-1810︺の芝居に起源し,1872年文楽座となる。1884年分離した彦六座は大正期で滅び,文楽座は1903年に全盛期を迎えたが,1909年松竹に吸収され,1948年因(ちなみ)会と三和(みつわ)会に分かれた。現在,正統を本格的に維持しているのは1963年設立の︵財︶文楽協会である。なお諸地方の民俗芸能の人形芝居も,最近は真桑文楽などのように︿文楽﹀の語を付して称するようになったものもある。2003年ユネスコの︿人類の口承及び無形遺産の傑作の宣言﹀リストに登録された。
→関連項目淡路人形|三宅周太郎
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文楽
ぶんらく
人形浄瑠璃の一呼称。寛政年間︵1789~1801︶に淡路生まれの1世植村文楽軒が大坂高津橋西に開いた﹁高津新地の席﹂が,明治5︵1872︶年3世植村文楽軒のとき西区松島に移って文楽座と称したことに始まる。明治から大正にかけて,文楽座に対抗した彦六座などの座が滅び,大正末期から文楽座が唯一の人形浄瑠璃座となり,人形浄瑠璃芝居の代名詞となった。ただし興行においては,淡路系の人形浄瑠璃に対し大阪直系の人形浄瑠璃を区別して文楽ということもある。ほかに,恵那文楽,相模文楽など地方の人形劇も文楽の名で呼ばれる。
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ぶんらく【文楽】
埼玉の日本酒。酒名は、文楽を愛好していた創業者により命名。﹁THE燗酒﹂は燗用に山廃仕込みの酒をブレンドした辛口の特別本醸造酒。ほかに大吟醸酒、本醸造酒などがある。平成24、26年度全国新酒鑑評会で金賞受賞。原料米は山田錦、雄町、神力など。仕込み水は荒川水系の伏流水。蔵元の﹁文楽﹂は明治27年(1894)創業。所在地は上尾市上町。
出典 講談社[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションについて 情報
文楽
文楽は人形浄瑠璃を受け継いだ、日本の伝統的な人形劇の事を言います。もともと、江戸時代後期に人形浄瑠璃を蘇らせた植村文楽軒〔うえむらぶんらくけん〕と言う人物が創った劇場の名前だったのですが、いつの間にか芸能そのものをさすようになり、現在では正式名称となっています。
出典 シナジーマーティング(株)日本文化いろは事典について 情報
文楽
ぶんらく
人形浄瑠璃︵操 (あやつり) 人形芝居︶およびその劇場である文楽座
寛政の末︵1800年ころ︶,淡路の植村文楽軒が大坂道頓堀東に人形浄瑠璃の劇場を創設。以後大坂を転々としたが,'72年正式に文楽座を名乗った。現在国立劇場小劇場などで上演されている。
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出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
文楽
埼玉県、北西酒造株式会社の製造する日本酒。大吟醸酒、純米酒、本醸造酒などがある。
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世界大百科事典(旧版)内の文楽の言及
【操り】より
…操り人形芝居の略で,手で操作する人形を意味するが,狭義には文楽人形を指す。〈あや〉は糸のことで,本来は糸操り(マリオネット)の意味と思われる。…
【三和会】より
…[文楽]派分裂時代の一派の名称。1949年,文楽座員の労働組合結成に起因して組合派と非組合派が対立,組合派は松竹を離脱して三和会を結成,自主興行を行うことになった。…
※「文楽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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