日本歴史地名大系 「梶取村」の解説
梶取村
かんどりむら
[現在地名]和歌山市梶取
名なく草さ郡に属し、次じろ郎ま丸る村の東南に位置する。近世の雑さい賀か庄の北辺にあたり、東は福ふく島しま村。和歌山城下より北きた島じま渡を経て孝きよ子うし峠を越え、和泉国に至る街道に面する。土どう入にゆう川に合流する支流や用水路が村内を流れ、水はけの悪い低湿の地である。村域は南北に長く、集落も南北に分れる。古代から中世にかけては紀ノ川北岸に面しており、紀きの伊みな湊との所在地もしくはその近接地であったと推測される。建仁三年︵一二〇三︶一〇月二〇日付紀伊国司庁宣︵宝簡集︶によれば、国衙の在庁官人である梶取や船所書生が紀ノ川を通る船から御幸渡船料の名目で税を徴収しているが、当地はこれら梶取の居住地であったと推測される。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報