デジタル大辞泉 「無下に」の意味・読み・例文・類語 むげ‐に【無下に】 ﹇副﹈ 1 冷淡なさま。すげなく。そっけなく。﹁相手の懇願を無下に拒む﹂ 2 度外れなさま。むやみに。やたらに。 ﹁たれの子とも知れぬものを、―めでいつくしんで居ったげでござる﹂︿芥川・奉教人の死﹀ 3 まったく。すっかり。 ﹁聞こえさせてもかひなき物ごりにこそ―くづほれにけれ﹂︿源・賢木﹀ 4 ︵打消しの語を伴って︶ちっとも。全然。 ﹁顔―知るまじき童(わらは)ひとりばかりぞ、率(ゐ)ておはしける﹂︿源・夕顔﹀ [類語]︵1︶すげない・意地悪・突っ慳(けん)貪(どん)・けんけん・つんけん・つんつん・ぷいと・むしゃくしゃ・かんかん・ぷりぷり・ぷんぷん・かちん・かっか・ぷんと・つんと・邪(じゃ)慳(けん)・そっけない・つれない・よそよそしい・にべない・けんもほろろ・冷たい・気がない・刺(とげ)刺(とげ)しい・取り付く島も無い・ぎすぎす・ぶっきらぼう・意地悪い・ないがしろ・白い目で見る・軽(かろ)んずる/︵2︶みだり・やたら・むやみ・無性に・むやみやたら・めったやたら・めった・やみくも・あまり・後先なし・無謀・無鉄砲・盲(めくら)滅法・盲目的・後先見ず・向こう見ず・命知らず・破れかぶれ・やけ・自暴自棄・ふてくされる・やけくそ・やけっぱち・自棄・捨て鉢・八方破れ・無軌道・放(ほう)埒(らつ)・放縦・放逸・奔放・野放図・勝手次第・好き勝手・ほしいまま・切実・切切・痛切・つくづく・つらつら・ひしひし・しみじみ・心(こころ)から・心(しん)から・心が動く・こよなく・ぞっこん・じいん・度外れ・めっぽう・途方もない・途(とて)轍(つ)もない・桁違い・過度・すごく・ひどい・はなはだ・この上ない・とても・特別・ことさら・ひたすら 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「無下に」の意味・読み・例文・類語 むげ‐に【無下に】 (一)〘 副詞 〙 (二)① 全くその状態であるさまを表わす語。すっかり。まったく。完全に。 (一)[初出の実例]﹁こどもあまたありときくところも、むげにたえぬときく﹂(出典‥蜻蛉日記︵974頃︶上) (三)② その状態がはなはだしいさまを表わす語。ごく。ひどく。やたらに。 (一)[初出の実例]﹁むげになかよくなりて、よろづのことかたる﹂(出典‥枕草子︵10C終︶八七) (二)﹁病无下に重く成ぬれば﹂(出典‥今昔物語集︵1120頃か︶一九) (四)③ ( 下に打消を伴って ) そのことを全面的に否定する語。すこしも。全然。いっこうに。 (一)[初出の実例]﹁はづかしさいはむかたなけれど、むげにきこえざらんもわかわかしければ﹂(出典‥宇津保物語︵970‐999頃︶俊蔭) (二)﹁法師の無下に能なきは、檀那すさまじく思ふべし﹂(出典‥徒然草︵1331頃︶一八八) (五)④ 冷酷・無情な態度で事を行なうさまを表わす語。すげなく。冷たく。 (一)[初出の実例]﹁Mugueni(ムゲニ) コロサレタ﹂(出典‥日葡辞書︵1603‐04︶) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例