デジタル大辞泉 「盛」の意味・読み・例文・類語 せい【盛】[漢字項目] ﹇音﹈セイ︵漢︶ ジョウ︵ジャウ︶︵呉︶ ﹇訓﹈もる さかる さかん ﹇学習漢字﹈6年 ︿セイ﹀力や勢いがさかん。さかえる。﹁盛運・盛会・盛況・盛衰・盛大・盛名/殷(いん)盛(せい)・旺(おう)盛(せい)・全盛・隆盛﹂ ︿ジョウ﹀さかん。さかえる。﹁盛者必衰/繁盛﹂ ﹇名のり﹈さかり・しげ・しげる・たけ・もり もり︻盛︵り︶︼ ﹇名﹈ 1 盛ること。また、盛った分量。﹁飯の盛りがよい﹂ 2 ﹁盛り蕎(そ)麦(ば)﹂の略。 3 ﹁石(こく)盛(もり)﹂の略。 ﹇接尾﹈助数詞。皿や茶碗などに盛ったものを数えるのに用いる。﹁どんぶり飯(ふ)二(た)盛り﹂ 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「盛」の意味・読み・例文・類語 さかり【盛】 (一)〘 名詞 〙 ( 動詞﹁さかる︵盛︶﹂の連用形の名詞化 ) (二)① ( 形動 ) 勢いの盛んなこと。また、その時期やさま。ある状態がその頂点に達する時期。 (一)[初出の実例]﹁梅の花今佐可利(サカリ)なり思ふどちかざしにしてな今佐可利(サカリ)なり﹂(出典‥万葉集︵8C後︶五・八二〇) (二)﹁花はさかりに、月はくまなきをのみ見るものかは﹂(出典‥徒然草︵1331頃︶一三七) (三)② ( 形動 ) 人が男として、または女として精神的、肉体的に最も充実していること。また、その時期やさま。年盛り。 (一)[初出の実例]﹁わが佐可理(サカリ)いたくくたちぬ雲に飛ぶ薬はむともまたをちめやも﹂(出典‥万葉集︵8C後︶五・八四七) (四)③ 商売などが盛んであること。繁盛。繁栄。にぎわい。 (一)[初出の実例]﹁其所之さかりを何方も願義にて候﹂(出典‥結城氏新法度︵1556︶三五条) (五)④ 畜類などが一定の時期に起こす発情。多く、﹁さかりが付く﹂の形で用いられる。 (一)[初出の実例]﹁声もなく香もなく蝶のさかり哉︿菟莱﹀﹂(出典‥俳諧・文車︵1772︶) さかん︻盛︼ (一)〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( ﹁さかり︵盛︶﹂の変化した語 ) (二)① たいへんに勢いのあるさま。元気のよいさま。たけなわであるさま。充実したさま。 (一)[初出の実例]﹁日の斯(ここ)に隠れて、朗月方に陳するが如し。穆(サカンナル)かな﹂(出典‥大慈恩寺三蔵法師伝院政期点︵1080‐1110頃︶一〇) (三)② 人として最も元気のときであるさま。年盛りであるさま。 (一)[初出の実例]﹁彼の后、齢(よはひ)未だ中半(サカンナラ)ざるに墓無(はかな)く成り給ひにけり﹂(出典‥私聚百因縁集︵1257︶一) (四)③ 繁盛するさま。にぎわうさま。また、にぎやかに事を行なうさま。 (一)[初出の実例]﹁商売がまたおひおひ盛になって来ました﹂(出典‥交易問答︵1869︶︿加藤弘之﹀上) (五)④ 広く行なわれるさま。はやるさま。 (一)[初出の実例]﹁されど今芭蕉翁の俳諧四海に広りて熾(サカ)んなれば﹂(出典‥俳諧・古学截断字論︵1834︶上) もり︻盛︼ (一)〘 名詞 〙 ( 動詞﹁もる︵盛︶﹂の連用形の名詞化 ) (二)① 盛りあげること。また、そのものや、分量。 (一)[初出の実例]﹁豆一もり、やをら取りて﹂(出典‥枕草子︵10C終︶一〇八) (三)② 土器の小さいもの。物を盛るところからいう。︹随筆・安斎随筆︵1783頃︶︺ (四)③ 人と、役割・任務・分担費用・所属集団・乗船などの事物との対応関係をつくること。また、その関係。また、その関係を同じくする人または事物の集合。割り当て。割りつけ。配分。配置。なお、衆盛・番盛・船盛など、熟しても用いられる。 (一)[初出の実例]﹁明春御千句之盛被レ成候哉と御尋候﹂(出典‥上井覚兼日記‐天正二年︵1574︶一二月七日) (五)④ ﹁もりそば︵盛蕎麦︶﹂の略。 (一)[初出の実例]﹁ぶっかけ二つとあつらゆるに、女房が盛(モリ)にし給へとすすめしは﹂(出典‥洒落本・古契三娼︵1787︶) (六)⑤ ﹁こくもり︵石盛︶﹂の略。︹地方凡例録︵1794︶︺ せい︻盛︼ (一)〘 名詞 〙 ( 形動 ) 勢いよく栄えていること。さかんであること。また、そのさま。 (一)[初出の実例]﹁大臣迷惑ながら、白人手前の盛(セイ)に汚なびれた事もいはれず﹂(出典‥浮世草子・風流曲三味線︵1706︶四) (二)[その他の文献]︹礼記‐月令︺ 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
日本大百科全書(ニッポニカ) 「盛」の意味・わかりやすい解説 盛さかり 岩手県南東部、大船渡市(おおふなとし)の行政、文化の中心地。旧盛町。盛川の河口付近に位置し、古くから盛六郷の中心地として商業活動が盛んで、現在も毎月末尾に5のつく日に定期市が立つ。またJR大船渡線BRT︵バス高速輸送システム︶と三陸鉄道リアス線の連絡地でもある。 ﹇川本忠平﹈ [参照項目] | 大船渡(市) 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「盛」の意味・わかりやすい解説 盛さかり 岩手県の南東部,大船渡市の中心市街地で旧町名。 1952年近隣の町村と合併して大船渡市となる。大船渡湾に注ぐ盛川の低地に位置する。縄文時代から人が居住し,古くは佐狩と書かれた。江戸時代末期まで宿場町,市場として栄え,気仙地方の行政・文化の中心地であった。盛駅はJR大船渡線の終点で,三陸鉄道南リアス線の起点。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の盛の言及 【大船渡[市]】より …岩手県南東部,大船渡湾に臨む市。1952年に大船渡,盛︵さかり︶の2町と,末崎,赤崎,猪川,立根︵たつこん︶,日頃市の5村が合体して市制。人口3万7264(1995)。… ※「盛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。 出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」