穿鑿（読み）センサク

デジタル大辞泉 「穿鑿」の意味・読み・例文・類語

せん‐さく【×穿×鑿】

 
﹇名﹈(スル)︽古くは﹁せんざく﹂とも︾
1 穴をうがち掘ること。
2 細かなところまで根ほり葉ほりたずねること。また、むやみに憶測してとやかく言うこと。﹁他人の私生活をあれこれと穿鑿する﹂﹁穿鑿家﹂
3 綿密にどこまでも調査すること。
﹁なぜ好きだか、いやだかと―してみると﹂︿鴎外・阿部一族﹀
4 事の次第。なりゆき。
﹁合点のいくいかぬはそっちの―﹂︿浄・忠臣蔵﹀
[類語]探す・探る・尋ねる・あさる・探し求める・物色する・求める・見出す・探り出す・探し出す・探り当てる・探し当てる・探りを入れる・探し物・模索・捜索・渉猟・家捜し・ほじくる・粗探し・探求・探検・探査・探索・検索・手探り  

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精選版 日本国語大辞典 「穿鑿」の意味・読み・例文・類語

せん‐さく【穿鑿】

 

(一)〘 名詞 〙 ( 古くは﹁せんざく﹂とも )
 (二)① ( ━する ) 穴をうがち掘ること。掘削すること。ほじくること。せんじゃく。
(一)[初出の実例]﹁一於社頭東南有一阿伽井、是号独古玉井、和尚穿鑿之玉井、秘密加持之霊水也﹂(出典‥観心寺文書‐承和四年︵837︶三月三日・観心寺縁起実録帳案)
 (三)② ( ━する ) 深く考えること。綿密に調査すること。吟味すること。詮議。
(一)[初出の実例]﹁此経首末全無二此旨一。閉レ眼穿鑿﹂(出典‥日蓮遺文‐主師親御書︵1255︶)
 (二)﹁そしてなぜ好きだか、厭だかと穿鑿して見ると﹂(出典‥阿部一族︵1913︶︿森鴎外﹀)
 (四)③ ( ━する ) さぐり求めること。根ほり葉ほり尋ねること。
(一)[初出の実例]﹁某六道の辻へ罷出て、せんさくをいたし、ぢごくへせめおとさうと存る﹂(出典‥虎明本狂言・餌差︵室町末‐近世初︶)
 (二)[その他の文献]︹論衡‐怪奇︺
 (五)④ ( ━する ) しいて付会すること。むやみに憶測すること。こじつけ。
(一)[初出の実例]﹁古史であるものを我等が穿鑿を加たらば︿略﹀心得にくい処を心得様にするぞ﹂(出典‥史記抄︵1477︶三)
 (二)[その他の文献]︹漢書‐王吉伝︺
 (六)⑤ ( ━する ) とやかく言うこと。やかましく理屈を言うこと。
(一)[初出の実例]﹁其身に似あひにあはずと穿鑿するは﹂(出典‥随筆・戴恩記︵1644頃︶上)
 (七)⑥ 事の次第。物事の有様。なりゆき。仕儀。また、工夫。
(一)[初出の実例]﹁腹のへるをかなしみて火事の見舞にもはやくは歩まず、しはひせんさくにとしくれて﹂(出典‥浮世草子・日本永代蔵︵1688︶一)
 (二)﹁朝から晩迄女房のきげんとって、さりとては気のつまるせんさくなり﹂(出典‥浮世草子・世間娘容気︵1717︶二)
  

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