デジタル大辞泉 「細細」の意味・読み・例文・類語 ほそ‐ぼそ【細細】 ﹇副﹈ 1 非常に細いさま。また、細く弱々しいさま。﹁細細とした声﹂ 2 かろうじて続いているさま。また、やっとのことで維持するさま。﹁細細と山道が続く﹂﹁年金で細細と生活する﹂ [類語]ひょろっと・長身・長躯・のっぽ・背高・八頭身・ひょろ長い・立っ端がある・ほっそり・ひょろひょろ・ひょろり・細い・痩せる・細る・痩(や)せ細る・痩(こ)ける・痩せこける・痩せさらばえる・窶(やつ)れる・憔(しょ)悴(うすい)する・肉が落ちる・痩身・痩躯・細身・やせ・やせっぽち・やせぎす・スマート・スリム・か細い・細(ほそ)やか・細め・極細・細作り・華(きゃ)奢(しゃ)・細める・着やせ・げっそり・すらり・すらっと・スレンダー・ソップ形・がりがり・ぎすぎす・痩せ枯れる・痩せ衰える・小さい・小(しょう)・小さな・ちっちゃい・ちっぽけ・細かい・低い・小さめ・矮(わい)小(しょう)・寸足らず・ちんちくりん・微小・微細・細微・細密・緻(ちみ)密(つ)・密・細か・小振り・小形・小柄・小作り・小粒・豆粒・芥(け)子(し)粒・群小・最小・小規模・零細・ちんまり・こぢんまり・ちまちま・ミニ こま‐ごま︻細細︼ ﹇副﹈(スル) 1 細かくて雑多なさま。細かくてあまり重要でないさま。﹁細細︵と︶した道具類﹂﹁細細した要件を片付ける﹂ 2 細かいところまで行き届くさま。﹁事情を細細︵と︶話す﹂ 3 ねんごろなさま。丁重なさま。﹁細細と世話をやく﹂﹁細細︵と︶礼を言う﹂ 4 せわしく働くさま。こまめに。﹁細細と立ち働く﹂ 5 繊細なさま。こまやかなさま。 ﹁髪、色に、―とうるはしう﹂︿枕・二〇〇﹀ [類語]細細しい・細かい・些(ささ)細(い)・瑣末・枝葉・枝葉末節・末梢的・些事・細事・小事・細かい・煩(はん)瑣(さ)・瑣(さ)瑣(さ)たる・区(く)区(く)たる・ちょっとした・取るに足りない・たわいない・何でもない・愚にもつかぬ・益体も無い・埒(らち)も無い・高が知れる さい‐さい︻細細︼ ﹇形動ナリ﹈ 1 こまかいさま。また、くわしいさま。微細。詳細。 ﹁道理を申しければ、―に聞こし召して﹂︿半井本保元・上﹀ 2 ﹁再再﹂に同じ。 ﹁定家、家隆卿など―に申し行はれけるにや﹂︿連理秘抄﹀ 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「細細」の意味・読み・例文・類語 こま‐ごま【細細】 (一)[1] 〘 副詞 〙 ( 多く﹁と﹂を伴って用いる ) (一)① 微細なさま、こなごなであるさまを表わす語。こまかに。 (一)[初出の実例]﹁白き水晶の玉にておはしましけるを、とりはづして落としまゐらせて、こまこまとわれくだけぬるを﹂(出典‥たまきはる︵1219︶) (二)② くわしいさまを表わす語。ことこまかに。詳細に。 (一)[初出の実例]﹁かぐや姫をえ戦ひとめずなりぬるこまごまと奏す﹂(出典‥竹取物語︵9C末‐10C初︶) (二)﹁ふみこまごまとみ給へば﹂(出典‥御伽草子・横笛の草紙︵室町末︶) (三)③ 丁重なさまを表わす語。ねんごろに。 (一)[初出の実例]﹁先是がおいとまごひとたがひの一礼こまごまと﹂(出典‥浄瑠璃・百日曾我︵1700頃︶一) (四)④ 繊細で美しいさまを表わす語。こまやかに。 (一)[初出の実例]﹁髪、いろに、こまごまとうるはしう﹂(出典‥枕草子︵10C終︶二〇〇) (五)⑤ 細かく雑多なさまを表わす語。重要でないという気持を含めていう。こまこま。 (一)[初出の実例]﹁母は又行李の中へ、こまごましたものを出したり入れたりし始めた﹂(出典‥行人︵1912‐13︶︿夏目漱石﹀兄) (六)⑥ 休まずせわしく働くさまを表わす語。こまめに。こまこま。 (一)[初出の実例]﹁コマゴマ働きながらも、少しも、労苦の色がなく﹂(出典‥自由学校︵1950︶︿獅子文六﹀五笑会の連中) (二)[2] 〘 形容動詞ナリ活用 〙 [ 一 ]に同じ。 (一)[初出の実例]﹁物はむれらかに得たるこそよけれ。こまこまに得んとのたまふ、わろき事なり﹂(出典‥宇治拾遺物語︵1221頃︶九) さい‐さい︻細細︼ (一)〘 名詞 〙 ( 形動 ) (二)① こまかいさま。くわしいさま。また、念入りなさま。ことこまか。こまごま。委細。詳細。 (一)[初出の実例]﹁右取長明燈油盞内油少許以二一銅銭一於二霜鉢内一細々磨レ之﹂(出典‥医心方︵984︶五) (二)﹁道理を申しければ、細々にきこし召て、罪なければ、御後悔有き﹂(出典‥半井本保元︵1220頃か︶上) (三)[その他の文献]︹蘇轍‐葺居詩︺ (三)② 心のせまいさま。 (一)[初出の実例]﹁細人とは小人を云。細々なる者と云心也﹂(出典‥古活字本荘子抄︵1620頃︶九) (四)③ ほっそりしたさま。軽やかな様子。︹杜甫‐宣政殿退朝晩出左掖詩︺ (五)④ =さいさい︵再再︶ (一)[初出の実例]﹁小々の咎をばをししづめて、すこしをとす様に云て、細々に勘当すべからず﹂(出典‥六波羅殿御家訓︵13C中︶五条) 細細の語誌 日本では、当初主に①の意味で用いられたが、﹁念入りに﹂の意の例の中には、文脈上﹁再三﹂の意にも解せるものがあるため、④の意味が生じたと考えられる。 こま‐こま【細細】 [ 1 ] 〘 副詞 〙① =こまごま(細細)[ 一 ]⑤[初出の実例]「窓下を通る屑屋を呼んで、コマコマした道具をお求めになった者で」(出典:落語・茶碗屋敷(1891)〈三代目春風亭柳枝〉)② =こまごま(細細)[ 一 ]⑥[初出の実例]「そのくせマメにコマコマと立ち働いて」(出典:竹沢先生と云ふ人(1924‐25)〈長与善郎〉竹沢先生の家)[ 2 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙 こなごなであるさま。細かくきれぎれにするさま。[初出の実例]「マアどうしたんだへ此様(こんな)に細々(コマコマ)に切てしまってさ」(出典:西洋道中膝栗毛(1874‐76)〈総生寛〉一三) ほそ‐ぼそ︻細細︼ (一)〘 副詞 〙 ( ﹁と﹂を伴って用いることもある ) (二)① 非常に細いさまを表わす語。 (一)[初出の実例]﹁霞形は池のおもてを見渡せば、︿略﹀ふたかさね三かさねにもいれちがへて、ほそぼそとここかしこたぎれ渡り見ゆべきなり﹂(出典‥作庭記︵1040頃か︶) (三)② 物がかろうじてつながっているさま、また、かろうじてその状態が続いているさまを表わす語。 (一)[初出の実例]﹁折があったらお前に逢ひたい一心で、細々(ホソボソ)命を繋いで居るもの﹂(出典‥琵琶伝︵1896︶︿泉鏡花﹀二) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
普及版 字通 「細細」の読み・字形・画数・意味 【細細】さいさい こまやか。ささやかなさま。唐・杜甫︹厳公の宅にて同じく竹を詠ず︺詩 雨に洗はれて娟娟(けんけん)として淨(きよ)く 風に吹かれて細細として香し 字通﹁細﹂の項目を見る。 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報