綺麗事（読み）キレイゴト

デジタル大辞泉 「綺麗事」の意味・読み・例文・類語

きれい‐ごと【×綺麗事】

１ 実情にそぐわない、体裁ばかりを整えた事柄。「もはや綺麗事では済まされない」「綺麗事を並べる」
２ 手際よく美しく仕上げること。
「―でなくってはいけねえから、折角骨を折って詰めさせたに」〈滑・八笑人・初〉
[類語]名目・口実・隠れみの・表向き・表看板・美名・大義・大義名分・錦の御旗・仮託・かこつける・託する・よそえる・盾に取る

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精選版 日本国語大辞典 「綺麗事」の意味・読み・例文・類語

きれい‐ごと【綺麗事】

 

(一)〘 名詞 〙
 (二)① 手ぎわよく美しく仕上げること。また、よごさないできれいにすますこと。
(一)[初出の実例]﹁﹃お早いの﹄﹃おねむふごぜいしょう﹄﹃ナニサきれい事さ﹄﹂(出典‥洒落本・自惚鏡︵1789︶息子株)
 (三)② 現実を無視して、表面だけを取り繕うこと。体裁を繕うこと。また、体裁ばかりで現実味のない事柄。
(一)[初出の実例]﹁喜多流のでんがく扇にて、夕日をよけながら、きれいごとにて、ゆうゆうと来る﹂(出典‥洒落本・通言総籬︵1787︶二)
 (二)﹁いくらきれいごとを並べてみても﹂(出典‥他人の顔︵1964︶︿安部公房﹀灰色のノート)
 (四)③ 手などをよごさないですむ、楽な仕事。
(一)[初出の実例]﹁客は上布の着物を着てゐても釣ることが出来ます訳で、まことに綺麗事(キレイゴト)に殿様らしく遣ってゐられる釣です﹂(出典‥幻談︵1938︶︿幸田露伴﹀)
  

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