デジタル大辞泉 「綿実油」の意味・読み・例文・類語 めんじつ‐ゆ【綿実油】 ワタの種子を圧搾して得る半乾性油。リノール酸・オレイン酸・パルミチン酸などを含む。食用油やマーガリン・石(せっ)鹸(けん)などの原料とする。わたのみあぶら。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「綿実油」の意味・読み・例文・類語 めんじつ‐ゆ【綿実油】 (一)〘 名詞 〙 ワタの種子からとれる油。淡黄色から濃褐色で特有の苦みと匂いとをもつ半乾性油。硬化油にしてマーガリン、石鹸(せっけん)などに利用。コットン油。 わたのみ‐あぶら【綿実油】 〘 名詞 〙 =めんじつゆ(綿実油) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
改訂新版 世界大百科事典 「綿実油」の意味・わかりやすい解説 綿実油 (めんじつゆ)cotton seed oil ワタの種子から圧搾抽出法で採取,精製した液状油。種子の含油率は15~35%,核の部分は34~39%。油は半乾性油に属し,飽和脂肪酸含有のグリセリドが他の植物油に比べて比較的多く含まれ,常温で固形脂を析出する。融点4~-6℃,比重d145=0.912~0.932,屈折率n20D=1.472~1.477,ケン化価189~199,ヨウ素価88~121。脂肪酸組成の一例はリノール酸53%,パルミチン酸27%,オレイン酸17%,ステアリン酸3%である。植物油として主産国アメリカではかつては最も生産量が多い油脂であったが,最近は伸び悩み,ダイズ油が増加してきている。用途は食用油,マーガリン,ショートニング,マヨネーズ,サラダ油などが主である。サラダ油,マヨネーズ用には冷却して固形油脂の部分をろ過した油脂が適している。綿実油中には色素ゴッシポールが存在するが,精製工程で除去される。 執筆者‥内田 安三 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
百科事典マイペディア 「綿実油」の意味・わかりやすい解説 綿実油【めんじつゆ】 ワタの種子から得られる半乾性油。主として圧搾法で採油。未精製油は赤褐色で蛍光を発するが,精製油は黄色で良好な風味がある。主成分はリノール酸,オレイン酸,飽和脂肪酸など。食用油,サラダ油のほかセッケン原料,硬化油などに使用。 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
日本大百科全書(ニッポニカ) 「綿実油」の意味・わかりやすい解説 綿実油めんじつゆcotton seed oil 綿繊維をとったあとの綿実から得られる半乾性油。ワタの主産地はアメリカ、インド、中国である。圧搾溶剤抽出法で採油する。種子の含油量15~35%、核の含油量35~40%。融点4~零下6℃。ヨウ素価90~120。けん化価190~200。成分脂肪酸は、リノール酸35~55%、オレイン酸15~35%、固体脂肪酸20~30%。固体脂肪酸が相当量存在するから、冷却してこれを析出させ、濾過(ろか)すれば、ウィンターオイルを得る。主として食用油として用いられる。またマーガリンにも使用される。油かすは良好な肥料となる。 ﹇福住一雄﹈ 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
化学辞典 第2版 「綿実油」の解説 綿実油メンジツユcotton-seed oil 綿の種子(含油量15~25%)を圧搾すると得られる半乾性の脂肪油.主成分はオレイン酸基(30~35%),リノール酸基(41~45%),パルミチン酸基を含む混合グリセリド.食用のほかに,硬化油,せっけんなどの製造に用いられる. 出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「綿実油」の意味・わかりやすい解説 綿実油めんじつゆcottonseed oil ワタの種子から得られる半乾性油。種子を蒸し,圧力をかけて油をしぼり取る。粗製油は褐色または緑褐色,精製油は淡黄色または無色で無臭。パルミチン酸,オレイン酸,リノレン酸,アラキジン酸などを含む。冷却して固脂分を除いたものをウィンターオイル,除かないものをサマーオイルという。主産地はアメリカ,インド,エジプト。食用としてマーガリン,サラダ油の原料とされるほか,石鹸,硬化油などの原料に使われる。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の綿実油の言及 【食用油】より …サラダ油は,加熱せずにそのままサラダドレッシング類に用いるため,なまでも風味がよく,低温でも凝固せぬようにつくられている。ダイズ油,ナタネ油のほか,綿実油,トウモロコシ油も用いられる。 植物性食用油を原料別にみると,次のようになる。… ※「綿実油」について言及している用語解説の一部を掲載しています。 出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」