翻訳|enteritis
慢性腸炎は比較的長期にわたる下痢あるいは便通異常を呈する症候群であり、急性腸炎に比べて症状は軽いが、治癒しにくい腸炎である。原因不明のものが多いが、急性腸炎からの移行をはじめ、胃無酸症、膵臓(すいぞう)の機能低下、アルコールの常用などが考えられ、腸の機能性異常ともみられている。実際に炎症性変化のあるものはクローン病、潰瘍性大腸炎などとよばれ、別に扱われている。飲食物が消化不十分のまま腸内を通過するため、便は発酵性または腐敗性であり、粘液も混じる。治療は保温、安静、食事療法が中心となる。
[柳下徳雄]
『斎藤誠・中谷林太郎・松原義雄編『日本の感染性腸炎――感染性腸炎研究会25年間の研究調査総括』(1986・菜根出版)』▽『入交昭一郎・斎藤誠・中谷林太郎・松原義雄監『日本の感染性腸炎2』(1997・菜根出版)』▽『寺野彰編『やさしい小腸・大腸疾患の自己管理』(2001・医薬ジャーナル社)』
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報
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