デジタル大辞泉 「諏訪」の意味・読み・例文・類語 すわ【諏訪】[姓氏] 姓氏の一。[補説]「諏訪」姓の人物諏訪哲史すわてつし諏訪根自子すわねじこ すわ︻諏訪︼﹇地名﹈ 長野県中部、諏訪湖畔の市。近世は諏訪氏の城下町。時計・カメラなど精密工業が盛ん。上諏訪温泉・諏訪大社上社本宮がある。人口5.1万︵2010︶。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「諏訪」の意味・読み・例文・類語 すわすは【諏訪】 (一)[ 一 ] 上代の国名。養老五年︵七二一︶信濃国︵長野県︶を分割して設置されたが、天平三年︵七三一︶再び信濃国に合併された。その地域は、諏訪、伊那の地方にあたるとされる。 (二)[ 二 ] 長野県中央部の地名。江戸時代は諏訪氏三万二千石の城下町、甲州街道の宿駅として発展。諏訪湖・霧ケ峰を控え、上諏訪温泉のある観光都市。また、第二次世界大戦前は製糸業、現在は時計、カメラなどの精密機械工業の立地する工業都市。昭和一六年︵一九四一︶市制。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
日本大百科全書(ニッポニカ) 「諏訪」の意味・わかりやすい解説 諏訪(市)すわ 長野県中央部、諏訪地方の中心をなす都市。1941年︵昭和16︶上諏訪町と豊田、四賀(しが)の2村が合併して市制施行。1955年︵昭和30︶中洲(なかす)、湖南(こなみ)の2村を編入。市域は北東部の霧ヶ峰の山麓(さんろく)から諏訪湖の東岸と南岸を占める。市街地は湖岸東部にあり、最近住宅地や中小工場は湖の南岸沖積地の水田地帯へ拡散している。JR中央本線、国道20号︵甲州街道︶が市域を南北に縦貫し、中央自動車道は市域南部の山麓斜面を走り、諏訪インターチェンジがある。中心地区の上諏訪は近世は高島藩︵諏訪藩︶の城下町であり、また甲州街道の上諏訪宿として、また温泉町として繁栄してきた。高島城は豊臣(とよとみ)秀吉の武将日根野高吉(ひねのたかよし)により湖中に築城され、浮城(うきじろ)とよばれた。石垣と堀だけを残していたが、1970年天守閣が復興された。ここからの市街の眺望はよい。明治になって、県下最初の洋式の製糸器械が導入されたが、製糸工業の発達はあまりみられず、諏訪地方の政治、文化、商業の中心としての機能が大きかった。第二次世界大戦中に時計などの工場が疎開してきて、オルゴール、時計、レンズなどの精密機械の製造が盛んになり、現在セイコーエプソンの本社がある。 上諏訪温泉は約550の泉源があり、湯量は豊富で、一般家庭にも引き湯している。湖岸に近代的なホテル、旅館が並び、県下でも規模の大きい温泉町を形成している。市域の南西部の中洲地区には諏訪大社の上社本宮がある。このほか観光資源に諏訪湖、霧ヶ峰などの自然景観と霧ヶ峰スキー場がある。面積109.17平方キロメートル︵一部境界未定︶、人口4万8729︵2020︶。 ﹇小林寛義﹈ ﹃﹃諏訪史﹄2~4巻︵1931~1966・諏訪教育会︶﹄ [参照項目] | 上諏訪温泉 | 高島藩[補完資料] | 諏訪市の要覧 長野県諏訪市位置図 諏訪湖 長野県のほぼ中央に位置する県内最大の湖。面積12.9km。フォッサマグナの陥没地にできた構造湖である。結氷した湖上でのワカサギ釣りは、冬の風物詩となっている。写真は湖の南、有賀峠付近からの眺望。長野県諏訪市・岡谷市・諏訪郡下諏訪町©信州・長野県観光協会"> 諏訪湖 高島城跡︵高島公園︶ 高島城は1592年︵文禄1︶豊臣秀吉の武将日根野高吉により築城された平城。石垣と堀だけが残っていたが、1970年︵昭和45︶に天守閣が復原された。本丸跡は高島公園として整備され、サクラやフジの名所として知られる。長野県諏訪市©信州・長野県観光協会"> 高島城跡︵高島公園︶ 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
改訂新版 世界大百科事典 「諏訪」の意味・わかりやすい解説 諏訪[市] (すわ) 長野県中部,諏訪地方の中心都市。1941年市制。人口5万1200︵2010︶。諏訪湖の南東岸に接し,中央部には上川,宮川沿いの沖積平野が開け,北部は霧ヶ峰高原,南部は赤石山脈北端の山地である。江戸時代は高島藩諏訪氏の城下町として,また甲州道中の宿場町,温泉町として発達した︵上諏訪︶。明治以降,諏訪地方の行政の中心地となり,1872年には長野県で最初の洋式機械を備えた製糸工場が建設されて,この地域の製糸業発展の先駆をなした。1905年中央本線が開通し,以後上諏訪駅を中心に市街が形成された。現在は製糸工業に代わって,時計など精密機械,電子機械のほか,パルプ工業,清酒・みそなどの醸造業や水産加工なども盛んである。市街地から諏訪湖畔にかけて湧出する上諏訪温泉は湯量が豊富で,約550の泉源から温泉旅館ばかりでなく,一般家庭,役所,学校,工場,駅などにまで湯が供給されている。ワカサギ釣りやスケートで知られる諏訪湖,湖畔の高島城跡,全国の諏訪信仰の中心である諏訪大社上社本宮,ハイキングやグライダーの楽しめる霧ヶ峰高原など史跡名勝に富む。中央自動車道,国道20号線が通じる。 執筆者‥市川 健夫 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
普及版 字通 「諏訪」の読み・字形・画数・意味 【諏訪】しゆほう(はう) はかり問う。︹唐書、張建封伝︺時に馬燧、三鎭遏と爲り、(もと)より之れを知る。~燧、李靈を伐つ。軍中の事、諏訪する多し。 字通﹁諏﹂の項目を見る。 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
世界大百科事典(旧版)内の諏訪の言及 【上諏訪】より …信濃国諏訪盆地の中心町。諏訪藩高島城下に,甲州道中上諏訪宿や上諏訪温泉が複合して形成された。… 【長野[県]】より … ﹇沿革﹈ 県域はかつての信濃国全域にあたる。江戸末期には松本藩,飯田藩,高遠︵たかとお︶藩,高島藩(諏訪藩),田野口藩(後に竜岡藩と改称),松代藩,須坂藩,飯山藩,岩村田藩,小諸藩,上田藩の諸藩が分立しており,木曾は尾張藩領で,そのほかにも天領,旗本領,寺社領などが入り組んでいた。1868年(明治1)伊那県が置かれて,尾張藩の所管となっていた旧天領,旗本領などを支配下に置き,翌年三河県を併合(1871年額田県に編入),70年には一部を割いて中野県を設けた。… ※「諏訪」について言及している用語解説の一部を掲載しています。 出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」