通商会社(読み)つうしょうかいしゃ

改訂新版 世界大百科事典 「通商会社」の意味・わかりやすい解説

通商会社 (つうしょうかいしゃ)


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日本大百科全書(ニッポニカ) 「通商会社」の意味・わかりやすい解説

通商会社
つうしょうかいしゃ

外国貿易を管理する目的で開港場に開設された通商司の管理のもとに、1869年(明治2)政府が全国の商業・金融を統制するため、為替(かわせ)会社とともに設立、運営した半官半民の株式会社。通商会社は、東京、京都、大阪の三都や横浜、神戸などの開港場に設けられ、内外の商業・貿易の振興、取引の仲介、海運などを担当した。為替会社とあわせて、旧幕府の御用商人であった三井、小野、島田などの政商がその運営にあたった。当初は営業成績がよかったが、71年に通商司が、自由貿易を進める諸外国から抗議を受けたこともあって廃止されると、同社も解散した。

[石塚裕道]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「通商会社」の意味・わかりやすい解説

通商会社
つうしょうがいしゃ

明治初期に,内外通商活動の振興を目的につくられた日本最初の株式会社組織。明治2 (1869) 年2月に設置された通商司の指導のもとに,5月頃から東京,大阪,京都など全国9ヵ所に半官半民の会社として,為替会社とともに設立された。有力商人や貿易商社を指導して貿易を行わせ,みずからも取引の仲介にあたって,内外通商全般の発展,拡大に努めた。同3年には開商会社と改称し,のち商社,開商社とも呼ばれて業績はあがったが,同4年7月通商司の廃止とともに営業不振となり,東京などいくつかの通商会社は米穀取引所に転じたが,ほかは相次いで解散した。

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百科事典マイペディア 「通商会社」の意味・わかりやすい解説

通商会社【つうしょうかいしゃ】

1869年,東京,大阪,京都,横浜,神戸など全国9ヵ所に設立された半官半民の会社。株式組織の会社として日本最初。通商司(同年設置の貿易管理機関)の指導下に為替会社の融資のほか,三井,小野,島田,鴻池などの出資を受け,多数の貿易商社に貿易を行わせる一方,国内商業の活発化のため取引の仲介なども行った。1871年通商司廃止とともに業務不振になり数年にして解散。

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旺文社日本史事典 三訂版 「通商会社」の解説

通商会社
つうしょうがいしゃ

1869(明治2)年,通商司の指導下に設立された日本最初の株式会社
貿易・国内商業の振興を目的とし,東京・大阪・京都・横浜・新潟・敦賀などの各地に有力商人を集めて為替会社とともに設立。翌'70年開商会社と改称,内外商業や海運などを進めたが,'71年通商司が廃止されてから不振に陥り解散した。

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世界大百科事典(旧版)内の通商会社の言及

【会社】より


1869(2)7172

【商法】より

…現在の日本の商法および商事制度は,これらとはまったく無関係に明治維新後急激な経済体制の資本主義化にともない外国から輸入されたものである。とくに経済の近代化のためには経済の担当者である企業の近代化を実現する必要があり,全国8ヵ所にそれぞれ通商会社と為替会社(一種の金融機関)とを設立して特別の保護を加えたが,まだ一般的法規はなかった。しかしやがて統一的商法典を必要とし,ドイツ人レースラーに命じて起草させた商法草案を基礎として,1890年に公布されたのが,いわゆる旧商法典である。…

※「通商会社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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