過ぐす（読み）スグス

デジタル大辞泉 「過ぐす」の意味・読み・例文・類語

すぐ・す【過ぐす】

［動サ四］「す（過）ごす」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「過ぐす」の意味・読み・例文・類語

すぐ・す【過】

 

(一)〘 他動詞 サ行四段活用 〙
 (二)① 日時、年月が移って行くのに任せる。時を経過させる。すごす。
(一)[初出の実例]﹁一年にふたたび行かぬ秋山を情(こころ)に飽かず過之(すぐシ)つるかも﹂(出典‥万葉集︵8Ｃ後︶一〇・二二一八)
 (三)② この世に生きて暮らす。生命を保つ。また、生計を立てる。すごす。
(一)[初出の実例]﹁春やこし秋やゆきけんおぼつかな影の朽木と世をすぐす身は︿閑院﹀﹂(出典‥後撰和歌集︵951‐953頃︶雑二・一一七五)
 (四)③ 生活の面倒を見る。養う。すごす。
(一)[初出の実例]﹁名まへ出居衆で亭主をすくすのか﹂(出典‥洒落本・仕懸文庫︵1791︶四)
 (五)④ そばを通過させる。通り過ぎるのを待つ。やりすごす。
(一)[初出の実例]﹁牛弱げに侍れば、えさきに上り侍らじ。かたはらに引きやりて、此御車をすぐせ﹂(出典‥落窪物語︵10Ｃ後︶二)
 (六)⑤ そのままにしておく。うちすてておく。すごす。
(一)[初出の実例]﹁思ふそら くるしきものを なげくそら 過之(すぐシ)得ぬものを﹂(出典‥万葉集︵8Ｃ後︶一三・三二七二)
 (七)⑥ 盛りの時期を過ぎさせる。また、人が年をとる。すごす。
(一)[初出の実例]﹁秋の野に露負へる萩を手折らずてあたら盛りを須具之(スグシ)てむとか﹂(出典‥万葉集︵8Ｃ後︶二〇・四三一八)
 (八)⑦ 物事の終わるのを待つ。また、物事をすませる。すごす。
(一)[初出の実例]﹁御いみなどすぐしては、つひにひとりはすぐし給まじかりければ﹂(出典‥大和物語︵947‐957頃︶九四)
 (九)⑧ 物事の程度をふつう以上にすぐれさせる。
(一)[初出の実例]﹁さうのこと取りかへてたまはせたり。げにいとすぐしてかい弾きたり﹂(出典‥源氏物語︵1001‐14頃︶明石)
 (十)⑨ 適当な度合を越えさせる。動詞の連用形につけて用いることが多い。すごす。
(一)[初出の実例]﹁ある時には大殿ごもりすぐして、やがてさぶらはせ給ひなど﹂(出典‥源氏物語︵1001‐14頃︶桐壺)
 (11)⑩ 過失を犯す。あやまつ。すごす。
(一)[初出の実例]﹁左の大臣は、すぐしたる事もなきに、かかるよこざまの罪にあたるをおぼしなげきて﹂(出典‥宇治拾遺物語︵1221頃︶一〇)
  

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