デジタル大辞泉 「難」の意味・読み・例文・類語 なん【難】 1災い。災難。﹁あやうく難を逃れる﹂ 2 むずかしいこと。むずかしさ。困難。﹁難を避け、易(やす)きに就く﹂ 3 欠点。﹁少々難のある品﹂﹁強いて難をいえばやや甘さが足りない﹂ 4 非難すべき点。難点。﹁うかつだったとの難を免かれない﹂ [類語]︵1︶災害・災難・災い・被害・害・禍害・惨害・惨禍・災禍・被災・天変地異・天災・人災・地変・風害・風水害・冷害・霜害・雪害・干害・渇水・旱魃・水涸れ・病虫害・虫害・煙害・公害・薬害・災厄・厄・凶事・禍根・舌禍・筆禍・試練・危難・国難・水難・水禍・海難・受難・遭難・罹災・貧乏籤(くじ)・馬鹿を見る・弱り目に祟(たた)り目・泣き面に蜂/︵3︶欠陥・難点・短所・傷・癖(くせ)・遜色・弱点・欠点・盲点・瑕(か)疵(し)・瑕(かき)瑾(ん)・粗(あら)・弱み・泣き所・負い目・引け目・付け目・デメリット・ウイークポイント・ハンディキャップ なん︻難︼﹇漢字項目﹈ ﹇音﹈ナン︵呉︶ ﹇訓﹈かたい むずかしい むつかしい にくい ﹇学習漢字﹈6年 1 事態がうまくいかない。容易でない。むずかしい。﹁難易・難解・難局・難渋・難所・難色・難題・難病・難問/困難・至難﹂ 2 つらく苦しい事態。苦しみ。災い。﹁海難・艱(かん)難(なん)・救難・苦難・国難・困難・災難・受難・殉難・水難・遭難・多難・盗難・避難﹂ 3 非を責める。なじる。﹁難詰・難点/非難・弁難・論難﹂ 4 非難すべき点。欠点。﹁七難・無難﹂ 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「難」の意味・読み・例文・類語 なん【難】 (一)[1] 〘 名詞 〙 (一)① 欠点を責めたてること。なじること。そしること。非難。 (一)[初出の実例]﹁東宮、さとり有る御子なり、もののしせん人の、なんいたすべき御子にあらず﹂(出典‥宇津保物語︵970‐999頃︶俊蔭) (二)[その他の文献]︹東方朔︺ (二)② 非難すべき点。難点。欠点。短所。おちど。きず。 (一)[初出の実例]﹁なよびかに女しと見れば、あまり情にひきこめられて、とりなせばあだめく、これを、はじめのなむとすべし﹂(出典‥源氏物語︵1001‐14頃︶帚木) (三)③ 仏語。論義会の問答で、竪者(りっしゃ)の答に問者が加える異議。 (一)[初出の実例]﹁静寛記云︿略﹀又問者之題、竪者之初答許にて、未レ加レ難之時、申上事あり﹂(出典‥醍醐寺新要録︵1620︶) (四)④ 身を危うくするようなこと。災難。わざわい。苦しい目。つらい目。 (一)[初出の実例]﹁君始め約を結しに、縦ひ諸の難有りとも、吾が心に不違(たがは)じと云ひき﹂(出典‥観智院本三宝絵︵984︶上) (二)[その他の文献]︹易経‐否卦︺ (五)⑤ ( ﹁難をかまえる﹂﹁難におもむく﹂などの形で用いる ) 特に、戦争。いくさ。 (一)[初出の実例]﹁彼国﹃仏国(フランス)﹄との確執発り、彼の二氏も亦難(ナン)に赴(おもむ)き﹂(出典‥新聞雑誌‐七号・明治四年︵1871︶七月) (二)[その他の文献]︹春秋公羊伝‐隠公四年︺ (六)⑥ たやすく処理できないむずかしいこと。むずかしさ。困難さ。また、むずかしい物事。困難な物事。めんどうな物事。⇔易(い)。 (一)[初出の実例]﹁欧羅巴の文明を求るには難を先にして易を後にし﹂(出典‥文明論之概略︵1875︶︿福沢諭吉﹀一) (二)[その他の文献]︹論語‐雍也︺ (二)[2] 〘 造語要素 〙 他の語の上、または下に付けて、困難な状態、思うようにいかない状態などの意を表わす。﹁難事業﹂﹁難工事﹂﹁就職難﹂など。 (一)[初出の実例]﹁下宿屋難にある私の煩悶を一挙に解決してくれた﹂(出典‥引越やつれ︵1947︶︿井伏鱒二﹀西南館) かたき︻難︼ (一)〘 名詞 〙 ( 形容詞﹁かたし﹂の連体形を名詞に用いたもの ) むずかしいこと。たやすくないこと。むずかしさ。困難。⇔やすき。 (一)[初出の実例]﹁道はちかきにあれど、是を遠きに求、ことはやすきにあれど、是をかたきに求といふ﹂(出典‥狂言記・箕被︵1700︶) がた【難】 ( 形容詞型活用の接尾語「がたい(難)」の語幹 ) 動詞の連用形に付いて、そうするのが困難である意を示す。→がたに。[初出の実例]「吹く風にこぞの桜は散らずともあな頼みがた人の心は」(出典:伊勢物語(10C前)五〇) むずかしむづかし【難】 〘 名詞 〙 ( 形容詞「むずかしい」の語幹から ) 解決の困難な事柄。もめごと。[初出の実例]「文七がきた時むづかしでもできては、たがいにわるい」(出典:洒落本・青楼五雁金(1788)一) むつか&GIE599;し【難】 〘 形容詞シク活用 〙 ⇒むずかしい(難) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例