久保正彰 (西洋古典文学者)
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くぼ まさあき 久保 正彰 | |
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日本学士院により公表された肖像写真 | |
生誕 |
1930年10月10日(93歳) 広島県 |
居住 |
日本 アメリカ合衆国 |
国籍 | 日本 |
研究分野 | 文学 |
研究機関 |
東京大学 成蹊大学 東北芸術工科大学 |
出身校 |
ハーバード大学卒業 東京大学大学院 人文科学研究科 修士課程修了 |
指導教員 | 呉茂一 |
主な業績 |
ギリシア・ラテンの古典の 言語・文学・文献・歴史の研究 ラテン語大辞典の作成に参与 |
プロジェクト:人物伝 |
久保 正彰︵くぼ まさあき、1930年10月10日 - ︶は、日本の文学研究者︵西洋古典学専攻︶。勲等は瑞宝重光章。学位は文学修士︵東京大学・1957年︶。東京大学名誉教授、東北芸術工科大学名誉教授、日本学士院会員。
東京大学教養学部助手、成蹊大学文学部助教授、東京大学教養学部助教授、東京大学文学部教授、東京大学文学部学部長、東北芸術工科大学学長、日本学士院院長、一般社団法人学士会理事長などを歴任した。
概要[編集]
日本における西洋古典学の第一人者[1]で、太平洋戦争後、最初にハーバード大学[1]を卒業し、東京大学の大学院修士課程を修了、東京大学や成蹊大学で教鞭を執った。東京大学文学部では学部長に就き、新設された東北芸術工科大学で初代学長に就任するなど、要職を歴任した。日本学士院会員に選任、院長にも[2]。また、学士会の理事長も務めた[3]就いた。来歴[編集]
生い立ち[編集]
広島県出身[1]。18歳で日本の成蹊高校を中退し、単身アメリカに渡り、フィリップス=アカデミーに編入する[4]。1953年、ハーバード大学卒業[5]︵古典語学・古代インド語学専攻︶、1957年東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。研究者として[編集]
1959年東京大学教養学部助手、1965年成蹊大学文学部助教授、1967年東京大学教養学部助教授、1975年に文学部教授、文学部長︵1985-87年︶、1991年退官し名誉教授、東北芸術工科大学初代学長[6]︵1992-98年︶・名誉教授[7]。2004年に瑞宝重光章を受章[8][9]。 1992年12月に、日本学士院会員に選任[8]、人文科学部門の第1部長・幹事を経て、2007年10月に第24代院長に就任︵任期は3年で、2期を限度とする︶。2013年任期満了し退任。2014年7月に松尾浩也の後任で学士会理事長に就いた︵第10代、2016年6月に退任、後任は佐々木毅︶。なお日本学士院第1部長在任中に﹁皇室典範に関する有識者会議﹂メンバーも務めた[10]。また2000年6月から1年間、日本西洋古典学会委員長︵第7代︶に、岡道男︵同年3月に死去、なお第8代は伊藤貞夫︶の後を受け就いていた。研究[編集]
ハーバード大学出身で、帰国後に呉茂一の弟子となり、30代でトゥキュディデス﹃戦史﹄を全訳した。文庫 下巻あとがきに、将来は改訳版を出したいと記したが、他の研究著述・公務等のため半世紀以上を経ても果たせていない。なお2008年10月に︿岩波市民セミナー﹀で﹃ツキジデス﹁戦史﹂を読む﹄を行っている。 西洋古典学︵諸国学士院協賛の国際出版ラテン語大辞典の作成に参与︶、ホメーロス研究、古代ギリシア悲劇の翻訳・研究を行っている。栄典[編集]
●2004年 - 瑞宝重光章。主な著作[編集]
日本語文献のみ著書[編集]
●﹃ギリシァ思想の素地 ヘシオドスと叙事詩﹄︵岩波新書 青版、1973年︶ ●﹃ソクラテスからアゲーシラーオスまで 伝記作者クセノフォーンについて﹄ ﹃古典古代における伝承と伝記﹄︵岩波書店、1975年︶の一章 ●﹃Ovidiana ギリシャ・ローマ神話の周辺﹄︵青土社、1978年、新版1992年︶ ●﹃オデュッセイア 伝説と叙事詩﹄︵岩波書店<岩波セミナーブックス>、1983年︶ ●﹃西洋古典学 叙事詩から演劇詩へ﹄︵放送大学教材‥日本放送出版協会︵販売︶、1990年︶ ●﹃西洋古典学入門 叙事詩から演劇詩へ﹄︵ちくま学芸文庫、2018年︶ ●﹃ギリシァ・ラテン文学研究 叙述技法を中心に﹄︵岩波書店、1992年︶、オンデマンド版2016年 ●﹃少年少女世界の文学1 オウィディウス﹁ギリシア・ローマ神話﹂﹄︵暁教育図書、1979年︶、児童出版訳書[編集]
●トゥーキュディデース ﹃戦史﹄︵岩波文庫︵上中下︶、1966-67年、新装復刊1997年・2017年ほか︶ ●抜粋訳 ﹃世界の名著5ヘロドトス、トゥキュディデス﹄︵中央公論社︶、1970年、新版・中公バックス ●新訂版 ﹃トゥキュディデス 戦史﹄︵中央公論新社︿中公クラシックス﹀、2013年︶、解説桜井万里子 ●アイスキュロス ﹃ペルシアの人々﹄-﹁ギリシア悲劇全集 第1巻﹂︵人文書院、1960年︶ ●ソポクレス ﹃ピロクテテス﹄-︵﹁ギリシア悲劇Ⅰ﹂ちくま文庫、1985年︶ ●元版﹃世界古典文学全集8 アイスキュロス ソポクレス﹄︵筑摩書房、1964年︶ほか ●アイスキュロス ﹃アガメムノーン﹄︵岩波文庫、1998年︶ ●元版﹃ギリシア悲劇全集1 アイスキュロスⅠ﹄︵岩波書店、1990年︶、他に﹁コエーポロイ﹂- オレステイア 連作を担当 ●ケネス・ドーバー ﹃わたしたちのギリシア人﹄︵青土社、1982年、新版1992年︶編著[編集]
●﹃ギリシア悲劇全集﹄ 松平千秋・岡道男と編集委員︵全13巻別巻1、岩波書店、1990-92年︶、度々復刊 ●別巻﹁第一章 ギリシア悲劇とその時代 アイスキュロスについて﹂︵岩波書店、1992年︶ ●﹃キケロー選集﹄ 岡道男・中務哲郎・片山英男と編集委員︵全14巻、岩波書店、1999-2002年︶脚注[編集]
(一)^ abc“10代のための﹁学び﹂考 日本学士院長 久保正彰 VIEW21高校版2008.02”. ベネッセ教育総合研究所. 2018年10月9日閲覧。
(二)^ “歴代会長・院長”. 日本学士院. 2018年10月9日閲覧。
(三)^ “歴代理事長”. 学士会. 2018年10月9日閲覧。
(四)^ “平成23年度東京大学入学式祝辞”. 東京大学. 2018年10月9日閲覧。
(五)^ 久保正彰﹁English A-ハーヴァド大学一年生の文章道場-﹂︵PDF︶﹃LEC会計大学院紀要﹄第9号、2011年、19頁。
(六)^ “︻お知らせ︼6/25︵土︶大同窓祭 参加教員”. 東北芸術工科大学. 2018年10月9日閲覧。
(七)^ “教員一覧”. 東北芸術工科大学. 2018年10月9日閲覧。
(八)^ ab“会員個人情報”. 日本学士院. 2018年10月9日閲覧。
(九)^ “平成16年春の叙勲 瑞宝重光章受章者” (PDF). 内閣府. p. 1 (2004年4月29日). 2004年8月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月24日閲覧。
(十)^ “根拠・構成員”. 皇室典範に関する有識者会議. 2018年10月9日閲覧。