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略綬

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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使

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[1]使 (Unit Award)  (Unit Citation) 
長方形略綬の幅
アメリカ軍の記章セット NATOの記章セット ドイツ連邦軍の従軍記章(右)とNATOの記章 アメリカ海軍(右)とドイツ海軍(左)の将官
アメリカとNATOの記章は何れも綬幅が35ミリで、同じ幅の長方形略綬が付属する。ドイツの記章の綬はそれらより狭いが、略綬はそれより更に狭い25ミリ幅である。そして、NATOの記章についても、ドイツ軍では略綬を25ミリ幅にしている。また、アメリカ海軍将官が着けているリボンラックの最下段中央にクウェート政府発行のクウェート解放メダルが見られるが、この記章の綬は本来40ミリ幅であり、リボンラック用に他の記章とサイズを合わせたものを使用しているのが分かる。




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 (Ribbon rack) 



使


使使TPO

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旧日本軍の勲章と略綬板
旧日本軍の略綬板 同裏面 裏面のピンを上げたところ
左から旭日章、明治三十七八年従軍記章、日本赤十字社有功章(上)。瑞宝章、明治三十七八年従軍記章、大正乃大礼記念章(下)。上の略綬板は旧軍では新しいタイプで、小さな金属板に個別の略綬を巻いたものを長い金属板に嵌め込むようになっている。但し、簡単に着脱することはできない。衣服への取り付け金具がピンではなく板状になっているものは日本以外の国ではあまり見られない。下のタイプの方がやや古いタイプで、細長い金属板に直接巻き付けたもので、縫い目が見えている。ドイツ軍でも第一次大戦以降裏面がこれらと同様の構造をしたものも見られたが、裏にフェルトを貼ったものも多く見られた。アメリカ軍でも上記のリボンラックが導入される前は下のものと同様のタイプが使われていた。
勲章吊金具裏面 勲章・記章を装着した勲章吊金具の裏面
(勲六等瑞宝章と昭和六年乃至九年事変従軍記章)
勲六等瑞宝章の裏面
勲章類を外した軍服
秩父宮雍仁親王 古荘幹郎 鳥飼恒男 甘粕正彦
秩父宮と古荘の軍服の左胸には、勲章の吊金具や略綬版を取り付けるための糸掛かりが見える。また、古荘の右肋には勲2等用の糸掛かりも見える。鳥飼は5個の略綬を2個と3個の2段に分けて着けているが、その右側に糸掛かりが1つ見えている。これは4個を1列にしていたときのものだが、勲章・記章を着ける際には使用できる。甘粕の左胸にある糸掛かりは、日本の勲章類を金具等を用いずに直接着用するためのもの。

第一次世界大戦中のオーストリア
オーストリア軍将校 オーストリアの勲章の綬
オーストリアの勲章類は日本と同様に綬を折って掛ける形式なので、日本軍の勲章専用糸掛かりと同様のものが付けられる(右写真)。左のオーストリア将校は甘粕正彦と同様の糸掛かりを付けている。中の将校の軍服には、メインの糸掛かりの下に勲章と綬の連結部分を固定するための小さなループ状の糸も付けられている。この糸の端は服の裏側に出ており、糸を繰り出して勲章を通した後、裏から糸を引いて締めることができる。これも旧日本軍の一部に見られる。一方、当時のオーストリア軍の略綬の取り付け方は日本軍と異なり、略綬の裏にクリップを付け、或いは巻いたリボンの端をフラップ状にしてスナップボタンで留めるようにし、それらを勲章用の糸掛かりに掛けていた(右の将校)。因みに、現在のオーストリア軍では上記フランス軍のようなリボンラックを使用している[1]

勲章類を外したドイツの軍服
ドイツ空軍将校(ヨーゼフ・カムフーバー ドイツ陸軍将校(ヴィルヘルム・フォン・レープ ヴィルヘルム・カイテル(1940年) ヴィルヘルム・カイテル(1942年)
戦前のドイツでは、勲章・記章を左胸に並べて着用するためには各自でマウンティング(勲章・記章を連結して取り付け用金具に装着すること)をしなければならなかったので[2]、日本軍のように勲章用に別の糸掛かりを作るケースは見られない。ドイツの空軍と陸軍将校は何れも秩父宮のものと同様の糸掛かりを着けている。1942年のカイテルは略綬を2段にしており、上段の略綬板の向かって左側に糸掛かりが見える。2段にする前の1940年には略綬板はそこまでの長さがあったのだが、勲章を付けるために糸掛かりを残していると思われる。

英連邦王国の勲章と略綬
常装のブレイ英陸軍大将 ヨーマン・ウォーダー 温暖地用常装のマッコール英陸軍大将 野戦服のラムスデン英陸軍中将
イギリスや英連邦王国に属する国では、制服の上着に略装時のための略綬が縫い付けられており、勲章・記章を着用する場合はその上に取り付ける。また、イギリスの勲章・記章には取り付け金具が付いておらず、着用するためには各自でマウンティングをしなければならない。そのため、略綬の上にブローチのピンを通す糸掛かりが作られる。左三人の略綬の上には勲章用の糸掛かりが見える。ヨーマン・ウォーダーは永年勤続章のリボンの色から海兵隊出身と推測できる。マッコールは温暖地用のNo.4 dress(自衛隊の第1種夏服に相当)に略綬を縫い付けているが、空軍ではこれに相当するNo.6 dressへ取り付ける略綬は取り外しができるブローチ式のものと規定されている。ラムスデンは野戦服に取り外しできる略綬を付けている。
正装のカーター陸軍中将 イギリス空軍の将校
両側は准将で中央は大尉
正装のヒューストン豪空軍大将 アメリカ海軍作戦部長とオーストラリア軍高官
前列左から二人目がヒューストン大将
正装のカーター中将は略綬の上に勲章を付けているが、ロイアル・ヴィクトリア勲章ナイトコマンダー章を受章しており、同章とその副章は左肋と首に佩用するため、左胸に付けている勲章類より略綬の方がその分幅が広く、下の略綬がはみ出てしまっている。3人の空軍将校のうち、両側の准将が略綬の上に勲章を付けているが、女性准将もカーターと同様に大英帝国勲章コマンダー章を首に佩用するため、その略綬がそのまま見えている。男性准将は従軍記章と記念章をそれらの略綬の上に付けており、従軍記章の略綬の端が見える。ヒューストンも左肋に佩用する勲章を2個、首に佩用する勲章を3個受章しているが、左胸に付ける勲章類を5個持っているため、10個の略綬を3段に分けて取り付けた略綬(集合写真参照)は勲章類の下からはみ出していない。勲章の装着に関しては、イギリス軍の服装規定には位置等しか記されていないが、オーストラリア陸軍の規定には「なるべく略綬を隠すように」との一文がある。

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マイケル・マレン大将に見るアメリカ海軍に於ける略綬着用のTPO
常装夏服 常装冬服 正装夏服 正装冬服
常装では全ての勲章・記章の略綬を左胸に着用する。章自体が略綬形式のユニットアワード等は勲章や従軍記章の下に付けられている。そして、正装では勲章や従軍記章の正章を左胸に付け、ユニットアワード等は右胸に付ける。一方、陸軍では常装でもユニットアワード等を右胸に付ける (アメリカ陸軍の将官(1) (2) 参照)。
ディナードレス・ブルージャケット (参考)空軍の将官、士官、下士官のメスユニフォーム (参考)アーミーブルー・メスユニフォームの陸軍将官 (参考)ブラックタイの陸軍下士官
フォーマルドレス(ホワイトタイ相当)やディナードレス(ブラックタイ相当)の夜会服にはミニチュアメダルを着用する。略綬はミニチュアメダルと併用できないため、ユニットアワード等は着用していない。
陸軍や空軍でもメスユニフォーム(海軍のディナードレスに相当)の場合は海軍と同様ミニチュアメダルを着用するため[5]、ユニットアワード等は着用できない。
しかし、陸軍のアーミーブルー・ユニフォームやアーミーグリーン・サービスユニフォーム或いは空軍のサービスドレスユニフォームに黒い蝶ネクタイを着用してブラックタイとする場合は、それらを含む略綬を着用できる[6]。そのため、写真の陸軍下士官達はアーミーブルー・ユニフォーム又はアーミーグリーン・サービスユニフォームにブラックタイを着用し、略綬も着用している。それに対して海軍には詰襟やセーラー服のサービスジャケットがあり、これらにはネクタイを着けられないため、ミニチュアメダルによってブラックタイの服装であることが表される。そのため、ネクタイを着用できるサービスジャケットを含めて一律に、サービスジャケットをブラックタイとして使用する場合はミニチュアメダル着用と規定されている[7]。従って、アメリカ海軍では夜会服に略綬を着用できる場合はない。
サービス・カーキ サービス・カーキ (参考)サービス・カーキの大将(左)とワーキング・カーキの少将(右) 迷彩服
サービス・カーキでは略して一部のみを着ける場合もある。ワーキング・カーキはサービス・カーキと似た服装だが、略綬は着用しない。迷彩服にも着用しない。一方、パキスタン軍の将官(上の写真) は迷彩服にも着用している。

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功七級金鵄勲章の略綬
軍人専用の勲章だが、添付される略綬は円形のフラワーホール用だけである。
授与されたセット 表面 裏面

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  1. 自国の勲章(勲章が複数の場合は後から受章したものが上位[9][10]
  2. 他国の勲章
  3. 褒章(複数の場合は受章順)
  4. 記章(複数の場合は受章順)
  5. 外国の記章(褒章に相当するものを含む)