辻真先
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ペンネーム |
牧 薩次 桂 真佐喜 |
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誕生 |
1932年3月23日(92歳) 愛知県名古屋市 |
職業 | 推理作家・脚本家 |
国籍 |
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活動期間 | 1954年 - |
ジャンル | 推理小説 |
主な受賞歴 |
日本推理作家協会賞(1981年) 長谷川伸賞(2004年) 中日文化賞(2008年)[1] 本格ミステリ大賞(2009年) 日本ミステリー文学大賞(2019年) |
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辻 真先︵つじ まさき、1932年3月23日[2] -︶は、日本のアニメ・特撮脚本家、推理作家、漫画原作者、旅行評論家、エッセイスト、デジタルハリウッド大学名誉教授[2]。
経歴[編集]
父は自由民主党の衆議院議員・中日電機工業会長の辻寛一[3]。﹁実家はおでん屋﹂と語ることもあるが[4]、これは父寛一が栄で﹁辻かん﹂というおでん屋を営んでいたからである。愛知県第一中学校、愛知県立明和高等学校[5][6]、名古屋大学文学部卒業[7]。 1954年、NHKに入局[8]。制作進行、演出、プロデューサーなどを務めた。NHK在局中も脚本の執筆を行っていたが[4]、1962年に退局し[8]、脚本家としてアニメ・特撮などを中心に多くの脚本を担当。 小説家としては旧﹃宝石﹄の新人賞候補作が商業誌デビュー作という経歴を持つ。まずジュブナイル小説から小説家活動を本格化させ、トラベル・ミステリやユーモア・ミステリを多く執筆するほか、特殊設定や叙述トリックなどを駆使した実験的な本格ミステリも多い。そうした傾向の代表作に﹃合本・青春殺人事件﹄﹃デッド・デテクティブ﹄、日本推理作家協会賞を受賞した﹃アリスの国の殺人﹄などがある。 また、﹃迷犬ルパン﹄シリーズを書き、その中に三毛猫ホームズや片山刑事が登場する﹃迷犬ルパンと三毛猫ホームズ﹄がある。他に、多くの漫画・アニメ作品の小説版も手がけている。 辻真先︵つじまさき︶のアナグラムである牧薩次︵まきさつじ︶は、作中人物であると同時にいくつかの作中作[注 1] の﹁作者﹂でもあるが、実作品の名義としたもの︵﹃完全恋愛﹄など︶もある。 日本SF作家クラブ会員だったが、2013年、他のベテラン作家らとともに名誉会員になる[9]。また、2009年6月から2013年6月まで、本格ミステリ作家クラブの第3代会長を務めた。 2020年に発表した﹃たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説﹄で﹁ミステリが読みたい! 2021年版﹂国内編1位、﹁週刊文春ミステリーベスト10 2020﹂国内部門1位、﹁このミステリーがすごい! 2021年版﹂国内編1位となりミステリーランキング3冠を達成した[10]。受賞歴[編集]
●1979年‥第1回アニメグランプリ脚本部門 ●1980年‥第2回アニメグランプリ脚本部門 ●1980年‥第3回アニメグランプリ脚本部門 ●1981年‥第35回日本推理作家協会賞長編部門︵受賞作品‥﹃アリスの国の殺人﹄︶ ●1981年‥第4回アニメグランプリ脚本部門 ●1982年‥第5回アニメグランプリ脚本部門 ●2004年‥第39回長谷川伸賞 ●2008年‥第61回中日文化賞 ●2008年‥第13回アニメーション神戸賞特別賞 ●2008年‥第11回文化庁メディア芸術祭功労賞 ●2009年‥第9回本格ミステリ大賞小説部門︵受賞作品‥﹃完全恋愛﹄︶ ●2019年‥第23回日本ミステリー文学大賞人物[編集]
最も好きな漫画は﹃ジャングル大帝﹄で、アニメの仕事が入ってくると快諾した。脚本だけでなく、全体構成や主題歌の作詞も手がけている。 執筆が速いことでも有名で、プロデューサーと喫茶店で打ち合わせをしながらその場でアニメ1話分の脚本を書き上げたこともあるという[11]。また、ピー・プロダクション社長のうしおそうじによれば、コーヒーを飲みながら雑談している間に30分ほどで1本書き上げていたという[12]。永井豪の自伝的漫画﹃激マン!﹄における回顧によれば、﹃デビルマン﹄のアイデア出しに呼ばれた際、永井のアイデアを聞きながら他の作品の脚本を書きあげていたという[13]。 NHKに在籍中の辻が、山崎忠昭が原案を手掛けた脚本の改訂を一晩で書き上げたことがあった。辻による改訂稿を読んだ山崎は、元の脚本に比べ﹁ギャグも豊富、会話も軽妙、ストーリーの展開もすこぶる快調﹂と評し、その速筆と上手さに舌を巻いたという[14]。 年齢を重ねても衰えることのない意欲を見せ、2017年にはコミケで売り子を務めた[15]。2022年現在も、ミステリやライトノベル・漫画、視聴したアニメの感想をTwitter上で発信している。2019年7月18日に起きた京都アニメーション放火殺人事件について中日新聞に寄稿し、﹃氷菓﹄や﹃ヴァイオレット・エヴァーガーデン﹄を絶賛し、事件の被害者を悼むとともに京都アニメーションにエールを送った[16]。 自由民主党の議員を父に持つが辻自身は日本共産党を支持しており、推薦人名簿に名を連ねている[17]。脚本を担当した作品[編集]
テレビアニメ[編集]
1960年代[編集]
●エイトマン︵1963年 - 1964年︶ ●鉄腕アトム︵1964年 - 1965年︶ ●宇宙少年ソラン ●オバケのQ太郎 ●ジャングル大帝︵1965年 - 1966年︶ ●スーパージェッター︵1965年︶ ●遊星少年パピイ ●がんばれ!マリンキッド ●新ジャングル大帝 進めレオ!︵1966年 - 1967年︶ ●魔法使いサリー︵1967年 - 1968年︶ ●リボンの騎士︵1967年 - 1968年︶ ●パーマン ●冒険ガボテン島 ●冒険少年シャダー ●あかねちゃん ●アニマル1︵1968年︶ ●巨人の星 ●ゲゲゲの鬼太郎︵第1期︶︵1968年 - 1969年︶ ●サイボーグ009︵第1期︶︵1968年︶[18] ●佐武と市捕物控︵1969年︶ ●夕やけ番長 ●アタックNo.1︵1969年 - 1971年︶ ●男一匹ガキ大将 ●海底少年マリン ●サザエさん︵1969年 - 1985年、2003年 - 2007年︶ ●タイガーマスク︵1969年 - 1971年︶[19] ●ひみつのアッコちゃん︵1969年 - 1970年︶ ●もーれつア太郎︵第1作︶︵1969年 - 1970年︶ ●六法やぶれクン︵1969年︶1970年代[編集]
●赤き血のイレブン ●キックの鬼[20] ●のらくろ︵1970年 - 1971年︶ ●ばくはつ五郎︵1970年︶ ●魔法のマコちゃん︵1970年 - 1971年︶ ●新オバケのQ太郎︵1971年︶ ●ゲゲゲの鬼太郎︵第2期︶︵1971年 - 1972年︶ ●さるとびエッちゃん︵1971年 - 1972年︶ ●珍豪ムチャ兵衛︵1971年︶ ●天才バカボン︵1972年︶ ●ふしぎなメルモ︵1972年︶ ●海のトリトン︵1972年︶ ●おんぶおばけ︵1972年 - 1973年︶ ●ジムボタン︵1974年 - 1975年︶ ●デビルマン[21]︵1972年 - 1973年︶ ●ど根性ガエル︵1972年︶ ●魔法使いチャッピー︵1972年︶ ●アニメドキュメント ミュンヘンへの道 ●キューティーハニー︵1973年 - 1974年︶[22] ●ドロロンえん魔くん︵1972年 - 1974年︶[23] ●バビル2世︵1973年︶ ●ミクロイドS︵1973年︶[24] ●ミラクル少女リミットちゃん︵1973年 - 1974年︶[25] ●魔女っ子メグちゃん︵1974年 - 1975年︶ ●カリメロ︵1974年 - 1975年︶ ●アンデス少年ペペロの冒険︵1975年 - 1976年︶ ●一休さん[26]︵1975年 - 1982年︶ ●勇者ライディーン︵1975年 - 1976年︶ ●超電磁ロボ コン・バトラーV︵1976年 - 1977年︶ ●マシンハヤブサ︵1976年︶ ●アローエンブレム グランプリの鷹︵1977年 - 1978年︶ ●ジェッターマルス︵1977年︶[27] ●超電磁マシーン ボルテスV︵1977年 - 1978年︶ ●超スーパーカー ガッタイガー ●氷河戦士ガイスラッガー︵1977年︶ ●キャプテン・フューチャー︵1978年 - 1979年︶ ●闘将ダイモス︵1978年︶ ●魔女っ子チックル︵1978年︶ ●ピンク・レディー物語 栄光の天使たち ●ジャン・バルジャン物語︵1979年︶ ●サイボーグ009︵第2期︶︵1979年 - 1980年︶ ●未来ロボ ダルタニアス︵1979年︶1980年代[編集]
●宇宙大帝ゴッドシグマ︵1980年︶ ●おじゃまんが山田くん︵1980年 - 1982年︶ ●魔法少女ララベル︵1980年︶ ●ドラえもん︵1981年︶ ●Dr.スランプ アラレちゃん︵1981年 - 1982年︶ ●忍者ハットリくん︵1981年 - 1982年︶ ●ハニーハニーのすてきな冒険︵1981年 - 1982年︶ ●ぼくらマンガ家 トキワ荘物語︵1981年︶ ●あさりちゃん︵1982年︶ ●うる星やつら︵1982年 - 1983年︶ ●パタリロ!︵1982年 - 1983年︶ ●フクちゃん ●アンドロメダ・ストーリーズ︵1982年︶ ●巨神ゴーグ︵1984年︶ ●ゴッドマジンガー︵1984年︶ ●さすがの猿飛︵1982年 - 1983年︶1990年代以降[編集]
●もーれつア太郎︵第2作︶︵1990年︶ ●いじわるばあさん︵1996年︶ ●名探偵コナン︵2010年 - ︶ ●コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜︵2015年︶ ●コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜THE LAST SONG︵2016年︶ ●ルパン三世 PART6︵2021年︶[28]劇場アニメ・OVA[編集]
●空飛ぶゆうれい船︵1969年︶ ●魔犬ライナー0011変身せよ!︵1972年︶ ●これがUFOだ!空飛ぶ円盤︵1975年︶ ●世界名作童話 まんがシリーズ︵1975年︶[29] ●一休さんとやんちゃ姫︵1978年︶ ●がんばれ!!タブチくん!!︵1979年︶ ●がんばれ!!タブチくん!!第2弾 激闘ペナントレース︵1980年︶ ●まことちゃん︵1980年︶ ●一休さん 春だ!やんちゃ姫︵1981年︶ ●21エモン 宇宙へいらっしゃい!︵1981年︶ ●夏への扉︵1981年︶ ●綿の国星︵1984年︶ ●ラブ・ポジション ハレー伝説︵1985年︶[30] ●マップス (OVA)︵1994年 - 1995年︶特撮[編集]
●ふしぎな少年︵1961年 - 1962年︶ ●悪魔くん︵1966年 - 1967年︶ ●キャプテンウルトラ︵1967年︶ ●忍者ハットリくん+忍者怪獣ジッポウ︵1967年︶ ●河童の三平 妖怪大作戦︵1967年︶ ●バンパイヤ︵1968年︶ ●宇宙猿人ゴリ︵宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン、スペクトルマン︶︵1971年 - 1972年︶ ●好き!すき!!魔女先生︵1971年 - 1972年︶ ●バトルホーク︵1976年︶ ●5年3組魔法組︵1976年 - 1977年︶ ●恐竜戦隊コセイドン︵1978年 - 1979年︶ ●ぼくら野球探偵団︵1980年︶実写ドラマ[編集]
●生徒諸君!︵1980年 - 1981年︶ ●あなたは一宮モーニングで謎を解く︵2021年︶[31]実写映画[編集]
●ジャズ娘誕生︵1957年、日活、松村基生との共同脚本︶主な作品[編集]
以下の作品の大半は、作品世界のつながりを︵戦記シミュレーション作品やSF作品に至るまで︶意識して執筆されており、登場人物が相互にゲスト出演している。スナック蟻巣、東西大学、文英社、夕刊サンなど共通の舞台がいくつか設定されている。スーパー&ポテトのシリーズ[編集]
可能キリコ︵通称スーパー︶と牧薩次︵通称ポテト︶の2人が活躍するシリーズ。2人が中学生としてデビューして以来、現実の時間に近いペースで成長しながら、物語を重ねている。初期の数作は﹁意外な犯人﹂をテーマにし、﹁読者﹂﹁作者﹂﹁編集者﹂など本来は小説世界の外にいる立場の人物を犯人にしていた。作中に社会批判を取り込んで、現実世界の不特定多数を﹁犯人﹂として指名するパターンもある。 初期作品である、﹃仮題・中学殺人事件﹄﹃盗作・高校殺人事件﹄﹃改訂・受験殺人事件﹄の三作は、青春三部作とも呼ばれ、1990年には三作を一つの本に合わせた﹃合本・青春殺人事件﹄が発行されている。﹃TVアニメ殺人事件﹄までの六作はソノラマ文庫より、﹁薩次&キリコシリーズ﹂として販売された。徳間文庫の﹃宇宙戦艦富嶽殺人事件﹄以降は、一般向けとして各社より出版されている。 ﹃TVアニメ殺人事件﹄は、桜多吾作によるコミカライズが、﹁アニメージュ増刊 リュウ﹂創刊第2号︵徳間書店︶に読み切り掲載された。 また、﹃完全恋愛﹄︵第9回本格ミステリ大賞受賞︶と﹃郷愁という名の密室﹄の2作は、﹁牧薩次﹂名義で書かれている。長篇[編集]
●仮題・中学殺人事件︵1972年 朝日ソノラマ サンヤングシリーズ / 1975年 ソノラマ文庫 / 2004年4月 創元推理文庫 / 2023年4月 創元推理文庫︻新装版︼︶ - ﹁読者が犯人﹂を冒頭で宣言した実験作 ●盗作・高校殺人事件︵1976年 ソノラマ文庫 / 2004年6月 創元推理文庫 / 2023年7月 創元推理文庫︻新装版︼︶ ●改訂・受験殺人事件︵1977年 ソノラマ文庫 / 2004年8月 創元推理文庫 / 2023年11月 創元推理文庫︻新装版︼︶ ●︻合本︼合本・青春殺人事件︵1990年 創元ミステリ'90︶ - 上記3作の合本 ●TVアニメ殺人事件 キリコの中冒険︵1978年 カイガイ出版部︶ ●︻改題︼TVアニメ殺人事件︵1980年 ソノラマ文庫︶ ●SFドラマ殺人事件︵1979年 ソノラマ文庫︶ ●SLブーム殺人事件︵1979年 ソノラマ文庫︶ ●宇宙戦艦富嶽殺人事件︵1981年 徳間文庫 / 1999年 ソノラマ文庫ネクスト︶ ●急行エトロフ殺人事件︵1982年 講談社ノベルス / 1985年 講談社文庫︶ ●寝台超特急ひかり殺人事件︵1984年 講談社ノベルス / 1988年 講談社文庫︶ ●幻の流氷特急殺人事件︵1986年 講談社ノベルス / 1990年 講談社文庫︶ ●電気紙芝居殺人事件︵1989年 講談社 / 1992年 講談社文庫︶ - 鬼堂修一郎シリーズ最終作を兼ねる ●東海道36殺人事件︵1989年 光文社 カッパ・ノベルス︶ ●︻改題︼東海道本線殺人事件︵1996年 光文社文庫︶ ●沖縄県営鉄道殺人事件︵1990年 講談社ノベルス / 1993年 講談社文庫︶ ●﹃殺人事件﹄殺人事件︵1991年 フタバノベルス / 1993年 双葉文庫︶ ●ガラスの仮面殺人事件︵1991年 白泉社︶ ●ユートピア計画殺人事件︵1991年 日本経済新聞社 日経エコノミステリー︶ ●究極の鉄道殺人事件︵1992年 フタバノベルス / 1995年 双葉文庫︶ ●本格・結婚殺人事件︵1997年 朝日ソノラマ / 2024年2月 創元推理文庫︶ ●戯作・誕生殺人事件︵2013年9月 東京創元社 / 2024年5月 創元推理文庫︶ - シリーズ完結編短編[編集]
●特急﹃燕﹄驀進す︵1983年︶ - 1984年にユーカリおばさんシリーズの短編集﹃死ぬほど愛した﹄へ収録 ●一件落着!︵﹃合本・青春殺人事件﹄に収録︶ ●祖神の声︵新潮文庫﹃ミステリー大全集2ミステリー日本地図﹄に収録︶ ●臼杵2時間52分の危機︵天山文庫﹃トラベル推理傑作選 日本縦断殺人﹄に収録︶トラベル・ライター瓜生慎シリーズ[編集]
トラベルライターの瓜生慎と、お金持ちの令嬢・三ツ江真由子︵後に慎と結婚︶のコンビが日本全国の旅先で事件を解決する。シリーズは真由子の﹁産休﹂をはさんで前期と後期に別れる。前期[編集]
●死体が私を追いかける︵1979年 主婦と生活社21世紀ノベルス / 1984年 徳間文庫︶ ●ブルートレイン北へ還る︵1980年 主婦と生活社21世紀ノベルス / 1985年 徳間文庫︶ ●ローカル線に紅い血が散る︵1982年 トクマ・ノベルズ / 1985年 徳間文庫︶ ●火の国死の国殺しを歌う︵1982年 トクマ・ノベルズ / 1986年 徳間文庫︶ ●殺人者が日本海を行く︵1984年 トクマ・ノベルズ / 1988年 徳間文庫︶ ●三陸鉄道死神が宿る︵1984年 トクマ・ノベルズ / 1989年 徳間文庫︶ ●山陰ドン行に死す︵1985年 トクマ・ノベルズ / 1991年 徳間文庫︶ ●鳴門に血渦巻く︵1985年 トクマ・ノベルズ / 1991年 徳間文庫︶ ●北海で殺そう︵1986年 トクマ・ノベルズ / 1992年 徳間文庫︶産休時期[編集]
真由子の産休の間、女子大生でグルメライターの神保亜子︵通称‥味子︶が活躍するシリーズが発表された。なお探偵役は亜子の恋人で、身体が不自由なため現地には赴かず、亜子との電話連絡で推理する﹁ロックチェア探偵﹂永坂進吾である。 ﹁緑青屋敷の惨劇﹂のみは、徳間書店の味子シリーズ終了後に、朝日ソノラマの﹁獅子王﹂に連載された作品である。そのため、永坂進吾が不在で亜子本人が謎解きをするなど、他の作品とややフォーマットが異なっている。 ●味子さん、殺人です キャピキャピ探偵事件メニュー1︵1986年 トクマ・ノベルズ︶ ●︻改題︼味子さん、殺人です︵1993年 徳間文庫︶ ●探偵さん、迷宮です キャピキャピ探偵事件メニュー2︵1987年 トクマ・ノベルズ︶ ●︻改題︼探偵さん、迷宮です︵1994年 徳間文庫︶ ●犯人さん、復讐です キャピキャピ探偵事件メニュー3︵1988年 トクマ・ノベルズ︶ ●︻改題︼犯人さん、復讐です︵1995年 徳間文庫︶ ●緑青屋敷の惨劇 味子の怪奇探偵レポート︵1992年 ソノラマノベルス︶後期[編集]
真由子の産休明けと共に再開。最初の﹁ソウル発﹂には引き継ぎのため、味子も出演する。 ●ソウル発殺人物語︵1988年 トクマ・ノベルズ︶ ●大雪山発殺人物語︵1989年 トクマ・ノベルズ︶ ●仏ヶ浦発殺人物語︵1990年 トクマ・ノベルズ︶ ●四万十発殺人物語︵1991年 トクマ・ノベルズ︶ ●殺人﹁北越雪譜﹂︵1991年 トクマ・ノベルズ︶ ●殺人﹁悲しき玩具﹂︵1993年6月 トクマ・ノベルズ︶その後の続編[編集]
少し年をとり、中年︵正式な年齢は不詳︶になった瓜生慎・真由子夫妻と、中学1年生︵初登場時︶になった一人息子・竜、﹁信州・高原列車殺人号﹂の事件で3人と知り合い、その後、竜のガールフレンドとなる小学6年生︵初登場時︶の少女・中浜うずらが登場する続編。 ストーリー展開によっては、可能克郎など、辻真先の他シリーズのキャラが、ゲスト出演することもある。また、竜とうずらの若者コンビがメインで活躍し、慎と真由子は後方支援の場合もある。 ●北海道・幽霊列車殺人号︵2002年8月 光文社文庫︶ ●上州・湯煙列車殺人号︵2004年3月 光文社文庫︶ ●信州・高原列車殺人号︵2004年12月 光文社文庫︶ ●伊豆・踊り子列車殺人号︵2005年5月 光文社文庫︶ ●長崎・ばてれん列車殺人号︵2005年9月 光文社文庫︶ ●弘前・桜狩り列車殺人号︵2006年4月 光文社文庫︶ ●日本海・豪雪列車殺人号︵2007年2月 光文社文庫︶ ●甲州・ワイン列車殺人号︵2007年11月 光文社文庫︶ ●宗谷・望郷列車殺人号︵2008年11月 光文社文庫︶ ●四国・坊っちゃん列車殺人号︵2009年10月 光文社文庫︶ ●会津・リゾート列車殺人号︵2010年7月 光文社文庫︶ ●日本・マラソン列車殺人号︵2011年8月 光文社文庫︶ - 瓜生慎シリーズ完結編︵瓜生慎シリーズは、合計32年にわたって書き続けられたことになる︶鬼堂修一郎シリーズ[編集]
CHKの白黒テレビ時代にプロデューサーを務めていた、鬼堂修一郎が出演するシリーズ。- なつかしの殺人の日々(1983年 カドカワノベルズ / 1986年 角川文庫)
- くらやみの天使たち(1987年 フタバノベルス / 1990年 双葉文庫)
- 電気紙芝居殺人事件(1989年 講談社 / 1992年 講談社文庫) スーパー&ポテトのシリーズを兼ねる
迷犬ルパン・シリーズ[編集]
詳細は「迷犬ルパンシリーズ」を参照
赤川次郎の﹁三毛猫ホームズシリーズ﹂を意識して、そのパロディ的に描かれた作品群である。三毛猫ホームズと同様に探偵として活躍する犬のルパン、その飼主の朝日正義、恋人の川澄ラン、その飼い犬のサファイヤ︵﹁サファイア﹂ではないとこだわっている︶が初期の主人公であったが、後期になると、ランの弟の川澄健と、そのガールフレンドの木暮美々子が主になっている。