総務省の有識者会議にて、ラジオのAM放送を終了し、FM放送への転換を可能にするよう検討が進められている。これは今年3月に、民放連が要望を出したことから検討が始まったもので、容認する方向で決まりそうだ。 この記事について この記事は、毎週月曜日に配信されているメールマガジン『小寺・西田の「マンデーランチビュッフェ」』から、一部を転載したものです。今回の記事は2019年9月2日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額648円・税込)の申し込みはこちらから。 2010年にradikoがサービスを開始して以降、ラジオ放送は徐々にその存在感を高めていったように感じている。それ以前は、ラジオ放送自体がすでにメディアとしての役割を終えたのではないかという論調が強かったものだ。 考えてみれば、2010年以降は地震、豪雨、台風など大規模な自然災害や、大きな事件事故が相次いだ。報道も速報だけではなく、そ
2018年ごろ、世間を大いに騒がし、その後の法改正に大きな影響を与えた「漫画村」事件。まだ3年前の話なので記憶も新しいところだが、21年6月2日、福岡地裁にて元運営者に対する判決が出た。著作権法違反と組織犯罪処罰法違反の罪で、執行猶予なしの懲役3年、罰金1000万円、追徴金約6257万円だという。 被告が逮捕・起訴されたのが19年だったので、地裁の判決まで2年間かかったことになる。被告らが期日までに抗告しなかったため、刑が確定した。 ただしこれは刑事訴訟である。損害賠償などに関しては、これからまた別に民事で争っていくことになる。当時の試算では被害総額が3000億円相当とされていたので、損害賠償額も到底個人では払えない額に膨れ上がるかもしれない。懲役こそ3年に過ぎないが、塀から出た後に本当の地獄が待っている。 これだけ重い刑罰が課せられれば、模倣犯に対する抑止効果もあるように思える。しかし今
iPad Pro 2021に対する「お、おう」感を分析する:小寺信良のIT大作戦(1/3 ページ) 新しいiPadが発売されるたび、これ1台でビジネスとかiPadだけで仕事云々(うんぬん)といったエントリーがネットにあふれ出す。世の中にはどうしてもiPadを仕事に使いたい、というかこれだけ持っていけば大丈夫なシナリオを描きたい人というのが一定層いらっしゃるのである。 そんなふうに書くと「お? ナニかオマエ、Apple Disなの? お?」と絡まれてしまうのだが、筆者が初めてApple製品を購入したのは1990年のことで、Macintosh SE/30以来のAppleユーザーなので、どうか見逃してほしい。 で、話を戻すと、そうした記事を量産していらっしゃるライターの方を記者説明会の際にお見掛けしたら、颯爽(さっそう)とノートPCを広げられて盛大にズッコケたことがある。まあ「オシゴト」でやられ
「チューナーレステレビ」が人気である。2021年に小売大手「ドン・キホーテ」がオリジナルブランドでチューナーレステレビを発売したところ、1カ月で初回生産分6000台がほぼ完売したという。当時は24型と42型だが、どちらもHD解像度であった。 2022年に入って、家電量販大手「エディオン」もオリジナルブランドのチューナーレステレビ3モデルを投入した。ドン・キホーテも22年に新モデルを投入。どちらも中国「TCL」との共同開発である。32インチの小型モデルはHDだが、43インチ以上は4Kモデルとなった。またビデオレンタルで知られる「ゲオホールディングス」も、今年43インチと50インチのチューラーレステレビを、WISの製造で商品化した。 同様の製品は、Amazonでも購入できる。同メーカーの「チューナーありモデル」より、1~2万円割安だ。国内メーカーの「チューナーありモデル」と比べると、半額以下で
米Appleが現地時間の5月10日、iPod touchの販売を、在庫がなくなり次第終了すると発表した。日本のApple Storeでも、「在庫が無くなり次第終了」という表示が見える。 もともとiPodは音楽再生用デバイスとして登場したが、2019年に発売された第7世代iPod touchはA10 Fusionチップを搭載し、カメラも付いている。App Storeのアプリもほとんどが問題なく動く、言わばキャリア通信ができない低価格iPhoneである。 実際iPod touchを飲食店のオーダーシステムの一部として利用しているケースもあり、この販売終了で数年後にはシステムの入れ替えが必須となってしまったところもありそうだ。 筆者ももちろん歴代のiPodを使ってきたが、iPhoneをはじめとするスマートフォンのストレージ容量が拡大するにつれて、次第に使わなくなっていった。逆に今回の発表で、「ま
先週末に日本列島の半分をなめ回すように通過した台風19号。これを書いている現在はすでに太平洋側に抜けたところだが、各地域からは生々しい爪痕の様子が報道されてきている。特に大型河川の決壊による被害は、これから復旧にどれぐらいの時間がかかるのか想像もつかないほどである。 筆者は現在、上の娘と2人で宮崎市に暮らしているが、月に1度ぐらいは妻と下の子供たちが暮らすさいたま市の自宅に戻るようにしている。今月はちょうど14日月曜日が祝日なので、9月末にはすでに飛行機を予約し、11日金曜日の夕方からさいたま市に帰る予定でいた。 19号接近の中、11日夕方の便は1時間半遅れで無事飛んだものの、12日には台風の直撃を受ける結果となった。筆者宅の近所には、治水のために人工的に作られた笹目川という河川がある。このあたりはかつて田舟を使わないと足が抜けないほどの泥田で、地盤が緩いのに加え、土地が低い場所である。
この記事について この記事は、毎週月曜日に配信されているメールマガジン『小寺・西田の「マンデーランチビュッフェ」』から、一部を転載したものです。今回の記事は2021年1月18日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額660円・税込)の申し込みはこちらから。 2020年はPCの人気が再燃した年だったのではないだろうか。昨年はWindows 7のサポート切れによる駆け込み需要が一段落して、落ち込みが懸念されていたのだが、蓋を開ければどのメーカーもかなりの増収となっている。 MacもM1の登場で脚光を浴び、そしてWindowsは? という話である。 M1が変えた世界観 小寺 僕はけっこうビデオ編集をよくやるんですけど、ネット会議の影響もあって、PCの復権って2020年にけっこうあったと思ってるんですよ。 西田 あ、それはそうですね。2020年はPCの復権は間違いなくあったと思います。 小寺
徳島の「学校タブレット大量故障」にみる、GIGAスクールの“想定外” なぜそんなに壊れるのか:小寺信良のIT大作戦(1/2 ページ) 10月27日に朝日新聞が報じたところによれば、徳島県教育委員会が手配した約1万5000台のWindowsタブレットのうち、3500台以上が故障で使えなくなり、授業に支障が出ているという。なぜこのようなことが起こるのか、そして教育デバイスに求められる現実解を考える。 10月27日に朝日新聞が報じたところによれば、徳島県教育委員会が手配した約1万5000台のWindowsタブレットのうち、3500台以上が故障で使えなくなり、授業に支障が出ているという。追ってJRT四国放送の報道では、11月2日の時点でさらに増え、3782台となっている。 この夏の暑さでバッテリーが膨張するなどしたようだが、故障率からすれば約25%にも上っており、一般的な故障率から考えても圧倒的に
ネットのニュースでもテレビのバラエティでも、Z世代はどうだとか、世代間ギャップがどうといった話を目にする機会は多い。「Z世代」とは1996年ごろから2010年ごろまでに生まれた人で、現時点で10代から20代中盤ぐらいまでを指す言葉である。X世代、ミレニアム世代(Y世代)と来て、その次なのでZ世代というわけだ。ちなみにZ世代の次は、アルファベットが最後まで行ったので、α世代というそうである。 若者層のトレンドや消費動向を分析するということは、それこそ昔から行なわれてきた。若者層は情報伝達が早く、瞬間的に集中して一点に消費活動を行なう、すなわちブームを作るので、そこをうまく仕掛ければ、もうかるからである。低価格なスイーツやドリンクといった消費材はもちろん、自動車のような高額商品でも、残りの人生が長いのでローンも通りやすい。 だが昨今のZ世代に関する論説を読んでみると、市場としての若者分析ではな
複数のメディアが報じているが、11月末、内閣官房参与に起用された高橋洋一・嘉悦大学教授が「現代ビジネス」にて上梓したコラムが話題になっている。曰く、NHK改革でまず着手すべきポイントとして、Eテレの売却を掲げたのだ。視聴率が低いため電波の有効活用ができておらず、その周波数帯を売却して通信用に利用するというものだ。 この方策を巡ってさまざまな意見が噴出している。NHK会長の前田晃伸氏は12月3日の定例会見で、「教育テレビはNHKらしさの一つの象徴だと思う。それを資産売却すればいいという話には全くならないと思う」と述べた。 ネットでもEテレが最も公共放送としての役割を一番果たしているとの意見も見られるところだ。Eテレを放送から外すと、どうなるだろうか。今回はその辺りを深掘りしてみよう。 この記事について この記事は、毎週月曜日に配信されているメールマガジン『小寺・西田の「マンデーランチビュッフ
知財、IT産業、ネット、放送、買ったもの、ライフハックなど、コデラの気になるところを語ります。 先日、Adobeのビジネス分野への取り組みとして、オンラインで記者発表会が行なわれた。PDFのあまり知られていない機能などを紹介するものだったが、後半に紹介された「Adobe Express」が結構面白かった。これまでこんなサービスがあるのをまったく知らなかったので、ぜひ皆さんに共有しておきたい。 Adobe Expressは、Photoshopのような単体アプリケーションではない。簡単に説明するなら、クラウド上で動くデザインテンプレートツールである。利用にはAdobeアカウントを作って、[ブラウザでログイン](https://express.adobe.com/ja-JP/sp)する必要がある。 Adobeのデザインツールは、デザインの専門家がゼロから作っていくようなものも多く、ある程度デザイ
スマートフォンのパスワードアプリに表示されるワンタイムパスワードを毎回入力する必要があるシステムなのだが、そのパスワードアプリにログインできないので、口座にもログインできないというわけなのだった。 この記事について この記事は、毎週月曜日に配信されているメールマガジン『小寺・西田の「マンデーランチビュッフェ」』から、一部を転載したものです。今回の記事は2020年12月21日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額660円・税込)の申し込みはこちらから。 そのアプリは筆者が埼玉に住んでいた頃にも信用金庫で使われていたもので、ローカル銀行に多く採用されているシステムなのだろう。スマートフォン内にトークンをインストールするもののようで、バックアップから書き戻してもトークンは戻らない、というかおそらくスマートフォンのシリアルナンバーとひも付けしてあるから書き戻しても機能しないのだろう。 で、
そんな事もあり、4月10日は新しいフォントがいくつか発表された。今年の目玉はなんといっても「和文バリアブルフォント」であろう。 われわれが普段使用するフォントは、同じデザインでも細いもの、太いもの、横が詰まったものなどがそれぞれ個別のフォントとして提供され、1つのファミリーを形成している。 一方バリアブルフォントは、そうした文字の変形を1つのフォントで提供していこうという比較的最近のフォントフォーマットで、米Adobe/米Apple/米Google/米Microsoftが共同開発した。フォントパラメータとして、太さや字幅がバリアブルで変更できるため、従来はファミリーで提供しなければならなかったフォントデータが、1つのフォントで小さく提供できるというメリットがある。 もちろんデザインする側も、細いか太いかの2択ではなく「中間」も選べるし、縦長、横長も選べるので、表現の幅が広がるわけである。た
発端は、Facebookで表示されるターゲティング広告だった。 以前もFacebookの広告から撮影用アクセサリーを購入したことがあったので、筆者のアカウントでは撮影小道具などの広告がよく表示される。今回購入したのも、そういった製品の1つだった。 この記事について この記事は、毎週月曜日に配信されているメールマガジン『小寺・西田の「マンデーランチビュッフェ」』から、一部を転載したものです。今回の記事は2021年10月11日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額660円・税込)の申し込みはこちらから。さらにコンテンツを追加したnote版『小寺・西田のコラムビュッフェ』(月額980円・税込)もスタート。 三脚ではなく、キャスター付きの折りたたみロッドである。ビデオ三脚はパンやチルトを行うために、固定の三脚+カメラヘッドが組み合わせられているが、高さ調節が不便だ。この商品は、パンやチルト
「今日の仕事は、楽しみですか」品川駅広告炎上、3つの地獄を解き明かす:小寺信良のIT大作戦(1/2 ページ) JR品川駅の港南口周辺は、その昔、ほんの20年ぐらい前は反対側の高輪口のにぎやかさからはとうてい信じられないぐらいの質素な、ただの湾岸倉庫街にすぎなかったエリアだった。それが今ではインターシティやNTT品川TWINS、ソニー本社ビルなどが立ち並ぶ、日本でも指折りの大企業が軒を連ねる一大オフィス街に変身した。 品川駅改札から港南口に向かうコンコースには、縦型のデジタルサイネージ用ディスプレイがずらりと常設で並んでおり、常になんらかの広告や情報が表示されている。 10月4日、ここにある広告が掲示された。すでにニュース等で写真をご覧になった方も多いと思うが、白地に黒で「今日の仕事は、楽しみですか」と書かれており、その下を歩く多くの通勤者へのメッセージとなっているように見える。広告を掲載し
飲食店やコンビニのアルバイトがふざけて不衛生な行為を行い、炎上して店舗に被害を追わせる事件を、俗に“バイトテロ”と呼ぶようになった。ここ最近、ネットニュースやテレビにてバイトテロ事件が数件報道されている。 6月5日:コンビニ店員らが店のバックヤードに設置されたモニターで、レジに並ぶ女性客の胸をのぞく(TikTok) 6月8日:ピザチェーンの店員がシェイクをヘラですくってなめる(Instagram) 6月13日:カレーチェーン店員が休憩室で賄(まかな)いのカツカレーに陰毛らしきものを「スパイス」と称して投入する(Instagram) このようなアルバイトが起こす不適切行為が最初に社会問題となったのは、2013年のことである。この件については、当時の連載でもコラムを2本執筆している。 バイト炎上(1) バイト炎上(2) 同じような事件が再び頻発し始めたように見えるが、8年前とはいろいろ事情が変
コロナ禍がもし20世紀に起こっていたら、社会はいったいどうなっただろうか。20世紀、すなわち西暦2000年以前である。日本においてインターネットの普及は1998年ごろというのが定説だが、当時インターネット上に存在したのはホームページとftpとメーリングリストであり、まだSNSは存在していない。 最速のニュースソースはテレビやラジオであり、詳細を知りたければ新聞や週刊誌を読むしかない。そんな中、外出禁止となり、テレワークが求められたとしたら、通信によるコミュニケーション手段を持たないわれわれは、その孤独に耐えられただろうか。 いや、おそらく手段がなければないで、それなりに上手くやっていくのかもしれない。かつてペストやチフスが大流行した際も、人類は滅びなかった。なるようにしかならないと受け入れるのも、人間の柔軟性の一つであろう。 80年代に強壮ドリンクのテレビCMで「24時間戦えますか」という
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