キッズコンピュータ・ピコ

セガトイズが販売した幼児向け電子知育玩具

キッズコンピュータ・ピコKids Computer Pico)は、セガ・エンタープライゼス(現・セガ)が開発し、同社→セガトイズが製造した幼児向けの電子知育玩具である。

キッズコンピュータ・ピコ
メーカー セガ・エンタープライゼス
セガトイズ
種別 電子知育玩具
据置型ゲーム機
世代 第4世代
発売日 日本の旗 1993年6月26日[1]
CPU MC68000
対応メディア 絵本ソフト(ロムカセット
コントローラ入力 タッチペン(有線)
ボタン(本体据え付け)
オンラインサービス ピコタウン(日本国内のみ)
売上台数 日本の旗 340万台(出荷台数)[2]
互換ハードウェア ミクストブックプレーヤ コペラ
育脳塾
キッズコミュニケーション・ピコ
前世代ハードウェア セガAIコンピュータ
次世代ハードウェア アドバンスピコ・ビーナ
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概要

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1993TOY16,000[1]1998200161(PICO)



FMCPUZ80ADPCM使

PSGBGM使

使4使


歴史

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1993626[1]19901AI

AI調

8200161使[3]20021226

退20054 812340[2]

2005AC20101029

ハードウェア

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仕様

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ソフトウェア

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ピコ専用ソフトは絵本ソフトと呼ばれ、ロムカセットの上部に絵本を模したページが数枚付いている。多くのソフトはタイトルとなる表紙と見開き5ページで構成されており、最終ページにはテレビを利用したお絵かき遊びが用意されている。お絵かきの他には『キテレツ大百科 えどにいってキテレツさいさまにあうナリ』の発明遊び、『世界名作劇場』の物語作成機能、『クッキングピコ』の料理大会などが用意されているソフトや、お絵かきに特化した『クレヨンしんちゃんのおえかきノート』などでは表紙以外のページを多数のアイコンで占めたものもある。絵本ソフトに取り付けられたページの紙質はソフトや発売時期により異なり、同一ソフトでも製造時期により異なる場合がある。

絵本ソフトの角上部には丸い6つの穴が、各ページの角上部には異なる切り欠きがあり、本体のセンサーがページの有無を判断しテレビ画面に表示する場面の決定および絵本ソフトのタッチ箇所変更を行う。ページをめくることで容易に場面転換ができるため、一般のコンピューターゲームのように初めから順番に物語を進める必要はなく、好きなページからゲームやイベントを始めることができる。

製品の箱には実際の購入者となる保護者に向け、教育専門家の顔写真や推薦文、学習要素を掲載する、タイトルに「知育」「知能」などの語句を添える手法が用いられた。価格は通常の絵本ソフトが3,980円、周辺機器付きの絵本ソフトが6,980円程度に設定された。

また絵本ソフトには固有の大規模な入力デバイスを用いるものもあり、トイザらスなどを始めとする販売店では実際にソフトや新発売のデバイスを試遊できるデモ機が設けられる場合も多く、売り場ではピコ本体のデザインにあわせカスタマイズされたテレビモニターや展示ディスプレイが使用される様子が見られた[4]

販売メーカー

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絵本ソフトの販売に関してはサードパーティー制が取られ、セガおよびセガトイズ以外の企業からも発売された。特にバンダイはピコ発売当初から継続的に自社の管理するキャラクターを使用した新作ソフトの供給を行い、セガと共に多数のソフトを供給した。

セガやセガトイズ、バンダイが遊びに比重を置いたソフトを発売した一方で、小学館講談社学習研究社はより教育に比重を置いたソフトを開発、発売した。この他絵本ソフトを発売した企業にはゼネラル・エンタテイメントバンプレストイマジニアエポック社タカラ旺文社ポニーキャニオン、セガトイズの前身となるセガ・ヨネザワなどがある。

廉価版

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1998年から旧作ソフトの廉価版が、以下のシリーズ名で数回販売された。箱は廉価版を強調するデザインに変更され、価格はすべて税抜2,980円に統一された。

  • はじめまシリーズ - 1998年発売。1993年から1994年のピコ初期に発売されたソフトを中心に6タイトルを発売。製品内に封入された応募券を2枚送るとパーカーやリュックサックが当たるキャンペーンを実施した。
  • ピコ発売10周年記念ソフト - 2003年発売。1995年前後発売のソフトを中心に全10タイトルを発売。ソフトケースは赤色で統一された。
  • ピコベストセレクションシリーズ - 2004年以降発売。ピコ発売10周年記念ソフトの後継企画。ソフトケースは発売10周年記念ソフトと同様に赤色で統一された。

ジャンル分類

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1994

1998

バリエーション

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3AC

HPC-0001/HPC-0003/HPC-0003A

HPC-0002HPC-0003A使HPC-0003A調HPC-00019pinHPC-0003

HPC-0007/HPC-0008

1997HPC-0004-6HPC-0007HPC-0007HPC-0008

1996

HPC-0009

20016112,800使



!

調HPC-0212

周辺機器

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特に記載のない製品の発売元はセガまたはセガトイズとなる。

  • プリファン - 1995年発売。低性能の熱転写式ビデオプリンター。ピコ専用品ではなく、箱にはセガサターンやビデオデッキ、ビデオカメラとの使用例も示された。後に「ピコ用プリンター」のシールが箱に貼り付けられ、ピコ用周辺機器としての強調がされた。対応ソフトにはペーパークラフト作成ソフト『ぺたぺたちょっきん あそべるずかん どうぶつ』、グリーティングカード作成ソフト『サンリオフェスティバル たのしいカードづくり』などがある。
  • たのシート - 1995年発売。キャラクターのなぞり絵、文字や図形を練習するための手本、迷路やクイズなどの簡単なゲームを印刷したタブレットシート。ピコのタブレット部に乗せ、絵本ソフトのお絵かきページで絵や文字をなぞり使用する。ドラえもん、ミッキーマウス、ドナルドダック、怪盗セイント・テール、ハローキティ、けろけろけろっぴのキャラクターセット、ひらがなくん、カタカナくん、えいごくんの名の文字練習セットがそれぞれ発売された。この他たのシートまたはタブレットシートが同梱された絵本ソフトもある。本品発売以降の対応ソフトには箱に「たのシート対応」の表記がされた。
  • おえかきれんしゅうシート - 1996年にバンダイから発売。たのシートの同等品。対応ソフトには箱に「おえかきれんしゅうシート対応」の表記がされた。
  • ピコタウンへでかけよう! - 2001年発売。ピコ専用ネットワークサービス「ピコタウン」へ接続するための機器セット。ピコ用の絵本ソフト、絵本ソフトとパソコンを接続するUSBケーブル、パソコン用制御ソフトで構成される。ネットワークサービスは2002年12月26日で終了した。

その他

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互換機

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ピコの互換機としてヤマハからはミクストブックプレーヤー コペラ (MIXT BOOK PLAYER COPERA) が、イマジニアからは育脳塾(いくのうじゅく)が発売された。いずれも1990年代後半までに本体、対応ソフトとも販売を終えた。

後述のとおり、ソフト互換性としては育脳塾=ピコ<コペラとなっている。

ミクストブックプレーヤー コペラ

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ミクストブックプレーヤー コペラ
 
メーカー ヤマハ
種別 据置型ゲーム機
発売日   1993年12月1日[5]
CPU MC68000
対応メディア ミクストブック(ロムカセット
コントローラ入力 タッチペン(有線)
ボタン(本体据え付け)
外部接続 マイクロフォン端子3.5mm2極
MIDI出入力端子
拡張コントロール端子
互換ハードウェア キッズコンピュータ・ピコ
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199312135000[5]MMG-1使使使CM

調調9pin

使

FM



MIDIMIDI

使1028,500

育脳塾

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型番はIMC-001。基本性能や外形はピコのHPC-0003と同一の相互互換機で、違いは本体やタブレットシートの色、ロゴの変更、タッチペンの呼称が「ハイパーペン」に変更された程度となる。オリジナルの育脳塾とは別に、北米版ピコ(SEGA Pico)の余った在庫を育脳塾として発売もなされた。

育脳塾ソフトはすべてピコで使用することができ、反対にピコソフトを育脳塾で使用することもできる。育脳塾ソフトの中にはピコソフトとして再発売されたものも存在し、ピコ版の箱にも育脳塾のロゴが併記された。

育脳塾ソフトの説明書はピコソフトの物に準じて作成されており、構成や注意文・警告文もほぼ同一である。しかしピコソフトでは「楽しむ、遊ぶ」とされた表現が育脳塾ソフトではすべて「勉強する、学習する」などの表現に置き換えられ、学習目的の利用が強調された。

ただ、育脳塾ソフトは、所有者のほとんどがピコユーザーであり、機種としての育脳塾はよほど売れなかった割にキッズコンピューター・ピコ本体が品薄の状態であったため、オリジナルの育脳塾本体の在庫をセガが引き取ったうえで、前述の通りキッズコンピューター・ピコの『HPC-0003A』として発売されたので、育脳塾ソフトは、本体の販売が終了した後も引き続き発売された。

絵本ソフトに採用されたキャラクターや題材

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絵本ソフトではアニメなどで有名なキャラクターを導入役として採用することが多い。ピコソフトのために独自制作されたキャラクターを使用したソフトや、勉強を主目的としキャラクターが存在しないソフトもある。

本体と同時、または同時期に発売されたソフトは以下の通り。子供世代、親世代の両方になじみのある有名なキャラクター、テレビ番組が選ばれた。

題材の一覧

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イメージキャラクター

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1996 - 1998

1996

19972219983



19992P姿[6]2姿2001

姉妹品

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 with Me 

 - 使

 - 

 - 

 - 2

 - 

 - 1

DS-PICOシリーズ

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セガトイズ企画原案、コンパイルハート発売のニンテンドーDS専用知育ソフトシリーズ。

  • サンリオのパーティへいこう! おりょうり・おしゃれ・おかいもの(2008年8月7日発売)
  • サンリオピューロランド ワクワクおかいもの ステキなお部屋をつくりましょ!(2010年11月25日発売)

出典

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  • セガトイズ『ピコ通信 ピコ総合カタログ』vol.20、2000年6月

脚注

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(一)^ abc ""!824199361111 

(二)^ ab  (200545). Advanced PICO BeenaTM TM8 (PDF). 20091025

(三)^ GAME Watch  (2001319).  !. 2009126

(四)^ ITmedia mobile  &  (20021129). Mobile for KIDS7 NO.1. 2020226

(五)^ ab "" !?840199310111 

(六)^ 

関連項目

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  • スタディボックス - ファミリーコンピュータに接続して使用する電子学習教材。
  • ココパッド英語版 - リープパッドの日本版。ソフトは、カートリッジとブックが分離した構造となっている。セガトイズが日本における販売を担当したため、さわってピコの事実上の後継ハードでもあり、さわってピコ専用絵本ソフトからの移植作も存在した。

外部リンク

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