MIDI

電子楽器の演奏データを機器間で転送・共有するための共通規格

MIDIMusical Instrument Digital Interface[1]MIDIJMSCMIDI Manufacturers Association (MMA) 1981
MIDIのロゴ

概要

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MIDIMIDIDAW

MIDI 1.0382019Ver.2.0MIDI 2.0[1]2023MIDIMIDI 2.0

MIDI -  - 

MIDIDTM

MIDIMIDI

MIDIRPRecommended PracticeGM1MIDIMIDIRP

MIDIJIS
  1. X 6054-1 電子楽器デジタルインタフェース(MIDI)- 第1部:総則
  2. X 6054-2 電子楽器デジタルインタフェース(MIDI)- 第2部:プロトコル仕様

ハードウェア規格

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5ピンDINコネクタ
 
MIDI端子とケーブル

送信

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31.25Kbps (±1%) の非同期方式シリアル転送を用いる。

接続

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MIDI5DIN13使245使MIDI

MIDIMIDI INMIDIMIDI OUTMIDIMIDI THRU3MIDI2MIDI THRUMIDIMIDI使

MIDIMIDI INMIDI OUTMIDI

MIDI

MIDI INMIDI OUT使RS-232CUSBIEEE 1394使MIDIMIDI

チャンネル

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2MIDIMIDI INMIDI OUT1161

1MIDI161316

MIDIMIDI=MIDI

データフォーマット

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MIDIメッセージ

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MIDIMIDIMIDI8MIDI16H

MIDIMIDI使2MSB (Most Significant Bit)180H - FFH128MSB000H - 7FH128

MIDI使

80H - FFH

チャンネルメッセージ

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チャンネルメッセージとは、特にチャンネルを指定して送信するMIDIメッセージのことである。チャンネルメッセージのステータスバイトは80H - EFHである。ここからさらに「チャンネルボイスメッセージ」、「チャンネルモードメッセージ」と分類される。

チャンネルボイスメッセージ
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MIDIノートナンバー(音域)と音名、周波数の対応表

2

4MIDI-10(0H)H115FH)16

01276088A0 - C87321 - 108MIDIC-1 - G9105(())1 - 127mp6412710[2]

0 - 12716n

8nH 



1 - 

2 - 

9nH 



1 - 

2 - 

0

AnH  



1 - 

2 - 

BnH 



1 - 00H - 77H - 

2 -  - 

178H - 7FH120 - 127

CnH 

00H - 7FH128

1 - 

2使

DnH 

 

1 - 

2使

EnH 

MSB (Most Significant Byte) 1281LSB (Least Significant Byte) 12816384-8192 - 0 - 8191

1 - LSB

2 - MSB

n0H - FH1 - 1690H 3CH 40HMIDI13CH=6040H=64mp
チャンネルモードメッセージ
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16BnHBnH78H - 7FH200Hn0H - FH1 - 16

BnH 78H 



BnH 79H 

MIDI

BnH 7AH 

2

00H -  - MIDI OUTMIDI

7FH -  - 

BnH 7BH 

使

BnH 7CH - 7FH MIDI

7CH7DH7EH7FH4使4MIDI

 - 7CH 7DH MIDI

 - 7EH 7FH 
1 = 7DH  + 7FH 

MIDI

2 = 7DH  + 7EH 

MIDI1

3 = 7CH  + 7FH 

MIDI

4 = 7CH  + 7EH 

16使6206H

システムメッセージ

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システムメッセージとは、チャンネルに関係なくMIDIシステム全体に対する命令を行うMIDIメッセージである。システムメッセージのステータスバイトはF0H - FFHである。機能ごとに「システムエクスクルーシブメッセージ」、「システムコモンメッセージ」、「システムリアルタイムメッセージ」の分類される。

システムエクスクルーシブメッセージ
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システムエクスクルーシブメッセージ(Sys-Ex、またはSysExと略記し、シスイーエックスと読む場合もある)は、MIDI機器のより細かい設定を行ったり、音色データやサンプリングデータを送受信するなど、各メーカーのMIDI機器の固有のデータのやりとりに使用できるシステムメッセージである。ステータスバイトF0Hで始まる。

MIDIメッセージは大抵2バイト程度のデータバイトで成り立つが、SysExはMIDIメッセージ中、唯一データバイト長が指定されていない。可変長のため、最後にシステムコモンメッセージとして定義されているF7H エンドオブエクスクルーシブ (EOX) を送信することでSysExの終了を表現する。

システムコモンメッセージ
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MIDI使

F1H MTC

MIDI (MTC) 22

F2H 

使161LSB2MSB

F3H 

MIDI1

F4H 

F5H 

使

F6H 

調調使

F7H  (EOX)

F0HSysEx
システムリアルタイムメッセージ
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MIDIMIDI使1

F8H 

424

F9H 

使

FAH 

FBH 

FCH 



FDH 

使

FEH 

MIDIMIDI300msMIDIMIDI

MIDI THRU270ms - 330ms270ms

FFH 

MIDI使

サンプルダンプ

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使MIDI (SDS) MMA1987MMA-0003

MIDI31.25KbpsUSBIEEE 1394使

RP (Recommended Practice) MIDI便AMEIMMAMIDI

スタンダードMIDIファイル

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MIDI(SMF)MIDIMIDI使.midMIDIMIDIMIDI使

Opcode19917AMEIMMARP1(RP-001)

GM1GM (General MIDI) RP1991RP-003

GMGM2 (GM2) GM

General MIDI Lite (GML) 
  • 1991年 - GMシステムレベル1 - RP-003
  • 1999年 - GMシステムレベル2 - RP-024
  • 2001年 - General MIDI Lite - RP-033

DLS (Downloadable Sounds) SMFRP1997RP-016SMFDLS.dls

DLS2.1Mobile DLS
  • 1997年 - DLSレベル1.0 - RP-016
  • 1999年 - DLSレベル1.1 - RP-016
  • 2000年 - DLSレベル2.0 - RP-025
  • 2000年 - DLSレベル2.1 - RP-025
  • 2003年 - Mobile DLS - RP-041

XMF (eXtensible Music Format) MMASMFWAV

稿RP

2001 - XMF1.00 - RP-030

2003 - XMF1.01 - RP-039

2004 - XMF2.00 - RP-043



2001 - XMF0  XMF1 - RP-031

2004 - XMF2/Mobile XMF - RP-042

2007 - XMF3/Mobile  for Mobile XMF - RP-045

20XX - XMF4/Interactive XMF (iXMF)

XMF
  • 2003年 - UnPackerID for ZLIB - RP-040
  • 2006年 - ID3 Meta-data Tags for XMF - RP-047

MIDIショーコントロール

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MIDIショーコントロール (MIDI Show Control, MSC) とは、照明や映像機器など、ショーの演出をコントロールする目的で策定されたRPである。1991年にRP-002、のちにRP-014にて定義されている。

MIDIタイムコード

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MIDI (MIDI Time Code, MTC) RP1987RP-004

MIDIMIDISMPTEMIDIMTC

MIDIMMARPMMA-0001

記譜情報

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記譜情報はMIDIデータ(MIDIメッセージの集合)を楽譜上に音符として表示するために策定されたRPである。RP-005、RP-006にて定義されている。

ファイルダンプ

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ファイルダンプとは、MIDIケーブルを使ってSMFデータを転送するために策定されたRPである。RP-009にて定義されている。

MIDIマシンコントロール

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MIDIマシンコントロールとは、システムエクスクルーシブメッセージを用いてMTRVTRを制御するために策定されたRPである。1992年に、RP-013にて定義されている。

SMF with Lyrics

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SMF with Lyrics (SMF Language and Display extensions) とは、SMFのメタイベントとして用意されている歌詞格納機能を拡張したRPである。1999年に、RP-026にて定義されている。

メタイベントと違い、表示を目的としており、曲タイトル、作曲者名、作詞者名、歌詞やふりがなを格納できる。カラオケの歌詞表示や楽譜上の歌詞表記などの用途を想定されている。また、日本語 (Shift JIS) も使用できる。

MIDI Media Adaptation Layer for IEEE-1394

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MIDI Media Adaptation Layer for IEEE-1394は、MIDIインタフェースなどのMIDI機器をIEEE 1394を用いて接続することに関するRPである。2000年に、RP-027にて定義されている。

SP-MIDI

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SP-MIDI (Scalable Polyphony MIDI) RP2002RP-034RP-035

241682416SP-MIDI使

MIDI XML

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MIDI XML ("MIDI Names, Device Types, & Events in XML") は、SMFをXMLで記述することを目的として策定されたRPである。2003年に、RP-038にて定義されている。

その他の規格

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RP

AMEIMMAGM2GSXG[3]GSXG

使MIDI使GSGS使

GSフォーマット

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GSフォーマットは、1991年ローランドが提唱、策定した音色配列などに関する独自規格。RP-003であるGMを拡張して作られたと思われがちだが、こちらが先行している。GMは、GSから他社と共有できる部分を抜粋し標準化したものである。

GSに対応した音源には、SC-55やSC-88Proなどのローランド・SCシリーズが有名。

XGフォーマット

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XGフォーマットは、1994年ヤマハが提唱、策定した音色配列などに関する独自規格。ヤマハ製の音源モジュールシンセサイザーの互換性を持たせるためにGMを拡張する形で作られた。

XGに対応した音源には、MU80やMU500などのヤマハ・MUシリーズが有名。

MIDI 2.0

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用途と機器

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本項ではMIDI規格が使われる用途と、MIDI規格を使用するハードウェア(機器)、ソフトウェアについて解説する。なお、箇条書きにしているハードウェアやソフトウェアは一例である。

音楽制作

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MIDI使DTM90

MIDIDAW








MIDI

MIDI OUTMIDI


















 (DAW)




Microsoft GS Wavetable SW Synth - Microsoft Windows 2000Windows

QuickTime - Mac OS

PCMMIDIMIDICPUMIDI

MP3DTMMIDI使

録音・MA

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録音MA (Multi Audio) でもMIDIは使用される。演奏情報の送受信ではなく、システムメッセージを中心とした同期処理が行われている。

ハードウェア
送信側
受信側
ソフトウェア
送信側
受信側
(別々のコンピュータ上のソフトウェアに関する同期)

カラオケ

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MIDIMIDIMIDI

MIDI

モバイル機器・着信メロディ

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MIDIRP

舞台照明・演出

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1991RP-002MIDIMIDI
ハードウェア
送信側
受信側
  • 各舞台用機材(照明など)

音声合成

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2009年頃、音声をフーリエ解析し周波数ごとに分離して正弦波にし、それをMIDIで再生することで音声を擬似的に再現する技術が発明された。

その他

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鉄道プラットホームで流れる発車メロディや、学校会社で流れるチャイムを再生するタイマーなどでもMIDI規格が応用されることがある。

MIDI検定

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MIDIMIDI19994,3,2,142222

3,21MIDI4

MIDI111220101151

年表

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1981 - 6MIDI 1.0 Specification

198210 - KEYBOARD Ver.1.0 

19831 - NAMMProphet600JX-3P

19838 -  MIDI 1.0 

1984 - MIDI Manufacturers Association (MMA) 

19891 - MIDI 1.0Ver.4.1

1991 - MIDI(RP-001) MIDI(Recommended Practice) 

19919 - GM1(RP-003) MMA,JMSC

1991 - GSSC-55

1994 - XGMU80

19965 -  (AMEI) 

1997 - Downloadable Sounds (RP-016) 

1999117 - 13MIDI

1999120 - MIDIJIS

19997 - GM2 (RP-024) 

2001 - Extensible Music Format (RP-030) 

20015 - General MIDI Lite (RP-033) 

200373 - MIDI20

20132 - MIDI[4]

20167 - MIDI 1.0RPCA[5]

2019118 - MIDI 1.0382019MIDI 2.0[1]

出典

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(一)^ abc (2019119). MIDI38MIDI 2.0MIDI 1.0 DTM.  DTM. 2019424

(二)^  2016, p. 2-10.

(三)^ MIDI

(四)^  . .  (2013210). 2013220

(五)^  (201767). MIDI 1.0. PC Watch. . 201767

参考文献

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MIDI 1.0 PDFPDF2016727ISBN 4-8456-0348-9http://amei.or.jp/midistandardcommittee/MIDIspcj.html 

関連項目

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外部リンク

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