ハゲタカ (2007年のテレビドラマ)
『ハゲタカ』は、NHK総合テレビおよびBSハイビジョンの「土曜ドラマ」枠で2007年2月17日から3月24日まで毎週土曜日に放送された日本のテレビドラマ。連続6回。作家・真山仁の経済小説『ハゲタカ』シリーズを原作とし製作された実写映像化作品。
ハゲタカ ROAD TO REBIRTH | |
---|---|
ジャンル | テレビドラマ |
原作 | 真山仁『ハゲタカ』『バイアウト』 |
脚本 | 林宏司 |
演出 |
大友啓史 井上剛 堀切園健太郎 |
出演者 |
大森南朋 松田龍平 栗山千明 柴田恭兵 |
オープニング | 佐藤直紀「ハゲタカ」 |
エンディング | tomo the tomo「Road To Rebirth〜a chainless soul〜」 |
時代設定 | 1998年-2004年 |
製作 | |
プロデューサー | 阿部康彦(制作統括) |
制作 | NHK |
放送 | |
放送国・地域 | ![]() |
放送期間 | 2007年2月17日 - 3月24日 |
放送時間 | 土曜 21:00 - 21:58 |
放送枠 | 土曜ドラマ (NHK) |
放送分 | 58分 |
回数 | 6 |
土曜ドラマ「ハゲタカ」 |
概要
編集経済を中心とした社会派ノベルを発表する元新聞記者の作家・真山仁による経済小説『ハゲタカ』シリーズの第1作『ハゲタカ』と第2作『バイアウト』[注 1]の2作品を原作とし、林宏司が脚本を担当した。第1話 - 第3話は『ハゲタカ』、第4話 - 第6話は『バイアウト』をベースにし、製作されている。ドラマと小説は別物である[1]という原作者の意向を反映し、主要人物名・取り扱われる経済活動などの一部は原作に沿っているものの、ドラマ全体としては原作と大きく異なる[注 2]。
放送のタイトルロゴには、タイトル『ハゲタカ』とともに、『ROAD TO REBIRTH』(「再生への道」の意)という副題的な記載がなされていた。
NHKのドラマとしては初のBlu-ray DiscおよびDVDのソフトがポニーキャニオンより販売され、国内外で受賞をしている。
ストーリー
編集エピソード別内容
編集- 第1話「日本を買い叩(たた)け!」
- バルクセール(保有債権のまとめ売り)
- 代物弁済もしくはそれに類する申し込み(不動産ないし事業の譲渡と引き換えに債権を消滅させる旨の申し込みが債権者よりなされた。明確な描写はないものの、代物弁済の申し込みをしているものと思われる。ただし債務者の承諾がなかったため実現はしなかった)。
- 第2話「ゴールデン・パラシュート」
- ゴールデンパラシュート(高額な退職金のこと。買収防衛策の一つとしても有名だが、作中では経営陣に退任を迫る条件として登場)
- 取締役会の決議による代表取締役の解任(一般的には解任と呼ばれることも多いが、会社法上の用語としては解職が正しい)。
- 第3話「終わりなき入札」
- スポンサー選定のための入札(どちらかが降りるまで続けられるサドンデス方式)
- 第4話「激震! 株主総会」
- プロキシーファイト-Proxy Fight-(株主委任状争奪合戦)
- 議案提案権の行使(一定以上の議決権を保有する株主は、株主総会の議題について議案を提出することができる。作中では役員の選任について提案がなされた。)
- 第5話「ホワイトナイト」
- TOB(テイクオーバー・ビッド、株式公開買い付け)
- 最終話「新しきバイアウト」
- EBO(エンプロイー・バイアウト、雇用者達による企業買収)
登場人物
編集※ストーリー展開により設定に変化があった場合は、回ごとに()書きで区分けする。
ホライズン・インベストメントワークス・ジャパン
編集三葉銀行 → MGS銀行(住倉銀行と合併)
編集東洋テレビ
編集- 三島由香
- 演 - 栗山千明
- 東洋テレビ報道局経済部記者。かつて父親が経営していた工場のメインバンクであった三葉からの貸し渋りにあって自殺。そのときの担当者が鷲津であった。以降、鷲津の動向を追跡している。
- (第4回)東洋テレビの報道番組「PRIME11」のキャスターに就任。
- 野中裕二
- 演 - 小市慢太郎
- 東洋テレビ報道局経済部記者。由香の上司。
- 報道番組アナウンサー
- 演 - 宮川俊二
- (第3回)東洋テレビアナウンサー。なお、宮川はかつてNHKアナウンサーだったので、久しぶりの「古巣復帰」でもあった。
- 武田直也
- 演 - 蟹瀬誠一
- (第4回・第5回)東洋テレビの報道番組「PRIME11」のキャスター。
西乃屋
編集サンデートイズ
編集大空電機
編集ホライズン・インベストメントワークス
編集- アルバート・クラリス
- 演 - イアン・ムーア
- ケネス・クラリス・リバプール(KKL)代表。
- 外資バイアウトファンド「ホライズン・インベストメントワークス」の代表。
- 鷲津率いる「ホライズン・ジャパン」に対して企業買収の指示を出す。
- 大賀康男
- 演 - 松重豊
- (最終回)「ホライズン・インベストメントワークス」より大空電機の新社長として送り込まれる。
その他
編集スタッフ
編集- 原作 - 真山仁
- 脚本 - 林宏司
- 音楽 - 佐藤直紀
- エンディングテーマ曲 - tomo the tomo「Road To Rebirth〜a chainless soul〜」
- 作詞(原詩):エミリー・ブロンテ「Riches I hold in light esteem (富は問題にならぬ)」 作曲:佐藤直紀
- 演出 - 大友啓史、井上剛、堀切園健太郎
- 制作総括 - 阿部康彦
- 制作 - 訓覇圭
- 監修 - 森生明
- 経済考証 - 佐山展生、山本礼二郎、古川薫
- 金融考証 - 勝又幹英
- 法律考証 - 南賢一、草野耕一
- 医事指導 - 中村毅志夫
- 理学療法指導 - 下田宏登
- 脚本協力 - 立見千香
- 美術 - 山口類児、神林篤、日高一平
- 技術 - 佐々木喜昭、小笠原洋一、宮路信広
- 音響効果 - 島津楽貴、畑奈穂子、三谷直樹
- 撮影 - 清水昇一郎
- 照明 - 久慈和好、佐野清隆
- 音声 - 高橋英明、鈴木勇一、大塚茂夫、奈良孝弘
- 映像技術 - 山田康一、大西康仁、横田幹次、真弓敬司、木川豊、釣木沢淳
- 美術進行 - 佐藤綾子、山尾輝、桜井茂雄
- 編集 - 大庭弘之
- 記録 - 栗又三奈
放送日程
編集- 総合テレビ:21時 - 21時58分(第3話のみ22時 - 22時58分)[5]
- BSハイビジョン:18時 - 18時58分
各話 | 放送日 | サブタイトル | 演出 | ターゲット(ゲスト) |
---|---|---|---|---|
第1話 | 2月17日 | 日本を買い叩(たた)け! | 大友啓史 | 宇崎竜童 etc. |
第2話 | 2月24日 | ゴールデン・パラシュート | 井上剛 | 冨士眞奈美、小林正寛 etc. |
第3話 | 3月 | 3日終わりなき入札 | 冨士眞奈美、小林正寛 etc. | |
第4話 | 3月10日 | 激震! 株主総会 | 堀切園健太郎 | 菅原文太、大杉漣 etc. |
第5話 | 3月17日 | ホワイトナイト | 大杉漣、田中泯 etc. | |
最終話 | 3月24日 | 新しきバイアウト | 大友啓史 | 田中泯 etc. |
再放送
編集NHKが行ったもののみ。総合テレビでは放送日時等が一部地域で変更されたケースもある。
- 2007年
- 6月23日・24日:BSハイビジョン(プライムタイムに3話ずつ放送)
- 8月19日 - 24日:総合テレビ(プライムタイムに1話ずつ放送) - 視聴者からのアンコール
- 12月22日 - 24日:総合テレビ(夕刻に2話ずつ放送) - イタリア賞受賞記念
- 2009年5月4日 - 6日:総合テレビ(午前帯に2話ずつ放送) - 映画版公開にあわせて
- 2010年
- 1月9日:BSハイビジョン(午後帯に全話一挙放送) - 『龍馬伝』放送開始にあわせて
- 6月21日 - 23日:BSハイビジョン - BShiでの映画版放送にあわせて
- 8月3日 - 7日:総合テレビ(未明帯での放送) - 総合テレビでの映画版放送にあわせて
- 2018年11月4日・11日:BSプレミアム(未明帯に3話ずつ放送)[6]
- 2021年12月5日・12日・19日:BS4K(未明帯に2話ずつ放送) - デジタルリマスターを行った4K映像を放送[7]
- 2022年6月20日・27日・7月4日:BSプレミアム、BS4K(プライムタイムに2話ずつ放送)
製作
編集キャストに関して
編集実社会とのリンク
編集作品の評価
編集作品のクオリティが高く評価され、国際番組コンクール「イタリア賞」をはじめ国内外において数々の賞を受賞している[11]。
受賞歴
編集- 第33回放送文化基金賞テレビドラマ部門「本賞」 受賞
- 第33回放送文化基金賞テレビドラマ部門「出演者賞」 受賞(大森南朋)
- 第44回ギャラクシー賞「優秀賞」 受賞
- 第44回ギャラクシー賞「マイベストTV賞グランプリ」 受賞
- 第6回放送人グランプリ「特別賞」 受賞
- 第59回イタリア賞シリーズドラマ部門 受賞(第1回「日本を買い叩け!」)
- 第32回ゴールデンチェスト国際テレビ祭「モスフィルム特別賞」 受賞
- 第12回アジア・テレビジョン・アワードシリーズドラマ部門「最優秀賞」 受賞
- 第32回エランドール賞TV部門「作品賞TVガイド賞」 受賞
- 第32回エランドール賞「プロデューサー賞田中友幸基金賞」 受賞(訓覇圭)
- 第7回映像技術賞撮影部門 受賞(清水昇一郎)
- 第7回映像技術賞照明部門 受賞(久慈和好)
- 第7回映像技術賞美術部門 受賞(山口類児、神林篤、日高一平)
NHK企業CMへの起用
編集2007年9月3日、NHKの企業CM「今日も、どこかでNHK」シリーズとして、ドラマ「ハゲタカ」をモチーフにした内容が放送された。『ハゲタカ特別編・NHKを買収せよ』と題してホライズンが次の標的をNHKとし、鷲津役の大森南朋など"ホライズン"の社員がドラマのイメージ通り、NHKの投資価値=魅力について議論するというもの。演技はシリアスだったが、アラン役のティムが「サラリーマンNEO」のセクスィー部長を見て吹き出しそうになったり、おじゃる丸等のキャラクター人形名を低いトーンで言い合うなど、パロディとして仕上がっている。放映時間は約2分間。同年9月20日にも再放送された。
関連商品
編集- ノベライズ
-
- 林宏司、国天俊治『TV版 ハゲタカ「日本を買い叩け!」編』(2009年5月22日、主婦と生活社、ISBN 978-4-391-13792-7)
- 林宏司、国天俊治『TV版 ハゲタカ「再生へのバイアウト」編』(2009年5月29日、主婦と生活社、ISBN 978-4-391-13793-4)
- サウンドトラック
-
- 佐藤直紀『土曜ドラマ ハゲタカ サウンドトラック』(2007年7月18日、NHKエンタープライズ、NSCA-10313)
- DVD/Blu-ray
-
- 土曜ドラマ ハゲタカ DVD-BOX(2007年7月18日、ポニーキャニオン、PCBE-62419)
- 土曜ドラマ ハゲタカ DVD-BOX(2018年10月26日、NHKエンタープライズ、23314AA)
- 土曜ドラマ ハゲタカ Blu-ray Disc BOX(2009年5月20日、ポニーキャニオン、PCXE-60002)
- 土曜ドラマ ハゲタカ DVD-BOX(2007年7月18日、ポニーキャニオン、PCBE-62419)
映画
編集テレビドラマの続編としてテレビドラマとほぼ同キャスト・スタッフにでNHKエンタープライズや東宝などの製作委員会により映画化され、2009年6月6日に公開された。ドラマ版の4年後を舞台に、日本の大手自動車メーカーに買収を仕掛ける中国系ファンドを相手にした買収戦争を描く[12]。NHKの連続ドラマの初の映画化となる[11]。
主な用語
編集注釈
編集出典
編集関連項目
編集- ハゲタカ (小説)
- ハゲタカ (2018年のテレビドラマ)
- ファンド
- 不良債権
- バイアウト・ファンド(ハゲタカファンドとも言われる)
外部リンク
編集- 土曜ドラマ「ハゲタカ」 - ウェイバックマシン(2010年12月5日アーカイブ分)
- 土曜ドラマ 「ハゲタカ」 | NHKドラマ
- 日本映画テレビ技術協会 映像技術賞 受賞一覧
- 土曜ドラマ ハゲタカ - NHK放送史
- NHK名作座 第31回 土曜ドラマ「ハゲタカ」 - ウェイバックマシン(2020年7月25日アーカイブ分) - NHKアーカイブス
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