感情

ヒトなどの動物がものごとや対象に対して抱く気持ち
情念から転送)


感情の例。上から時計回りに、興奮・愛情・恐怖・怒り・悲しみ・喜び。

概要

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感情の生物学

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生物学的には感情は大きく四つの要因に分ける事ができる。(1)感情を引き起こす脳科学的メカニズム、(2)感情の社会的メカニズム、(3)個人の感情を形作る感情の個体発達、(4)種に普遍的な感情を形作った進化的機能である。前二者は至近要因、後二者は究極要因と呼ばれる。

至近要因-感情の脳科学

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30ms
  • 補足1
    上記したような身体と感情の密接なつながりは、感情に関係する日常的な言葉にもよくみられる。例えば、「胸が痛む」、「断腸の思い」、「血湧き肉躍る」、「手に汗握る」、「胸をおどらせる」、「腹が立つ」、「はらわたが煮えくり返る」、「頭に血が上る」、「むかつく」、「苦々しい」、「鉛を呑んだような」、「ちむぐりさ(=肝苦しい、沖縄方言)」など。このうちの幾つかは典型的な交感神経亢進反応であり、幾つかはそれらに起因するかもしれない消化管症状である。
  • 補足2
    精神疾患の治療に用いられる認知行動療法は、「認知の仕方を変えることによって感情を調整する」という理論に基づいており、皮質と皮質下の相互作用を応用した好例と言える。また、自律訓練法は「手が暖かい」「気持ちがおちついている」など、リラックスした身体状態をイメージしながら心身の緊張をとる訓練法であり、ストレス解消、心身症、神経症などの治療に用いられる。これも末梢の自律神経反応と感情の相互作用を応用した一例である。
  • 2012年10月、脳神経外科の世界的権威であるエベン・アレグザンダーは「死後の世界は存在する」と発言した。かつては一元論者で死後の世界を否定していた人物であったが、脳の病に侵され入院中に臨死体験を経験して回復した。退院後、体験中の脳の状態を徹底的に調査した結果、昏睡状態にあった7日間、脳の大部分は機能を停止していたことを確認した。そしてあらゆる可能性を検討した結果、「あれは死後の世界に間違いない」と判断して、自分の体験から「脳それ自体は意識を作り出さないのでは?」との実体二元論の仮説を立てている。

個体発達

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4

進化心理学で想定する要因

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感情の分類

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Dyad
 
1980 James Russell [1]


六情

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一般に、6種類の代表的な感情として、

  1. 愛 (いとしみ)
  2. 憎 (にくしみ)

が総称されることが多い。

中国の五情(ごじょう)

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人間の持つ代表的な感情を、

  1. 喜 (よろこび)
  2. 怒 (いかり)
  3. 哀 (かなしみ)
  4. 楽 (たのしみ)
  5. 怨 (うらみ)

の五つにまとめて表す。

七情

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(一)

(二)

(三)

(四) ()

(五) ()

(六) ()

(七)





[2]

部首が「心」で感情を表す漢字

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忌 (いむ) ・忍 (しのぶ) ・怒 (いかる) ・恐 (おそれる) ・恥 (はじらう) ・恋 (こい) ・悲 (かなしい) ・愁 (うれえる) ・慕 (したう) ・憂 (うれえる) ・怪 (あやしむ) ・怖 (こわい) ・悔 (くやむ) ・恨 (うらむ) ・惜 (おしむ) ・悼 (いたむ) ・愉 (たのしむ) ・憎 (にくむ) ・憤 (いきどおる) ・懐 (なつかしむ) 等々。

感情を表す和語

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 (:) / (:)  (:)  () +
  • 形容詞および形容動詞
    かなしい・うらがなしい・ものがなしい・みじめだ・やるせない・たのしい・うれしい・しあわせだ・めでたい・いまわしい・はずかしい・うらめしい・にくたらしい・いやだ・きらいだ・さわやかだ・いつくしい・いとおしい・つまらない・おそろしい・こわい
  • 動詞
    このむ・よろこぶ・いかる・おこる・かなしむ・おそれる・はじらう・はにかむ・うれえる・あやしむ・うらむ・にくむ・いきどおる・むかつく・きらう・けぎらいする・めでる・うんざりする・あきる・びびる
  • 名詞
    よろこび・かなしみ・いかり・うらみ

インドの伝統的な美学理論

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ナヴァ・ラサ (人間の9つの基本的感情) というものがあり、それは、

  1. シュリンガーラ (恋愛感情;恋する気持ち、愛する気持ち)
  2. ハースヤ (滑稽な笑い)
  3. カルナ (悲しみ)
  4. ラウドラ (怒り)
  5. ヴィーラ (勇ましい気持ち、活力あふれる気持ち)
  6. バヤーナカ (恐れ)
  7. ビーバッサ (嫌悪)
  8. アドブタ (驚き・驚愕)
  9. シャーンタ (平和)

の9つであるとされる (参考 ラサ) 。

チャールズ・ダーウィン

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悲しみ、幸福、怒り、軽蔑、嫌悪、恐怖、驚きという七つの基本的感情が、文化によって異ならず、普遍的に同じ方法で表現されると考えていた。また子供の成長やオランウータンの感情表現の観察を通して、人間と他の霊長類の類似性を見いだした。

心理学的な感情の分類

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6



1990


表情

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感情が冒される疾患や状態

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調

Klüver-Bucy syndrome

alexithymia

イスラム世界

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音楽が人間に与える感情を利用して医療行為としての音楽療法が行われていた(ユーナーニー医学)。

感情に作用する薬物

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3






感情を分析する医療用工学技術

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90%

AGIfMRI使ST使


脚注

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  1. ^ Russell, James A. (1980-12). “A circumplex model of affect.” (英語). Journal of Personality and Social Psychology 39 (6): 1161–1178. doi:10.1037/h0077714. ISSN 1939-1315. http://doi.apa.org/getdoi.cfm?doi=10.1037/h0077714. 
  2. ^ 黄帝内経 『素問』陰陽応象大論篇

関連項目

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外部リンク

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Models of Emotion  - 

Emotion  - 

1874

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