汎用ロジックIC
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シリーズ
編集飽和形
編集ON状態のときトランジスタを飽和領域で使用するものである。
TTL以前
編集- RTL(Resistor-transistor logic)
- 最初期の論理回路。入力ネットワークとして抵抗器を使い、スイッチングデバイスとしてバイポーラトランジスタを使った。
- 後にDTLに取って代わられた。
- DTL(Diode-transistor logic)
- 論理機能をダイオードを用いて構成し、インバータ・バッファにトランジスタを用いたもの。
- SN15830(SN151830)シリーズ (動作温度 0℃ to 75℃)
- SN15930(SN151930)シリーズ (動作温度 -55℃ to 125℃)
- DCTL(Direct-coupled transistor logic)
- DTLの論理機能もトランジスタを用いて構成したもの。
TTL
編集CMOS
編集BiCMOS
編集IIL
編集非飽和形
編集2つの規格
編集7400シリーズ
編集バッファ、インバータ
編集NAND/ANDゲート
編集- 7400:4回路2入力NANDゲート
- 7401:4回路2入力NANDゲート(出力がオープンコレクタ:ピン配置は7400と異なる)
- 7408:4回路2入力ANDゲート
- 7409:4回路2入力ANDゲート(出力がオープンコレクタ)
- 7410:3回路3入力NANDゲート
- 7411:3回路3入力ANDゲート
- 7412:3回路3入力ANDゲート(出力がオープンコレクタ)
- 7413:2回路4入力NANDゲート(シュミットトリガ型)
- 7415:3回路3入力ANDゲート(出力がオープンコレクタ)
- 7418:2回路4入力NANDゲート(シュミットトリガ型)
- 7420:2回路4入力NANDゲート
- 7421:2回路4入力ANDゲート
- 7422:2回路4入力NANDゲート(出力がオープンコレクタ)
- 7426:4回路2入力NANDゲート(高電圧対応)
- 7430:1回路8入力NANDゲート
- 7437:4回路2入力NANDゲート
- 7438:4回路2入力ANDゲート(出力がオープンコレクタ)
- 7440:2回路4入力NANDゲート
- 74132:4回路2入力NANDゲート(シュミットトリガ型)
- 74133:1回路13入力NANDゲート
- 74140:2回路4入力NANDゲート(50Ωラインドライバ)
NOR/ORゲート
編集- 7402:4回路2入力NORゲート
- 7403:4回路2入力NORゲート(出力がオープンコレクタ)
- 7424:4回路2入力ORゲート(シュミットトリガ型)
- 7425:2回路4入力NORゲート(STROBE付き)
- 7427:3回路3入力NORゲート
- 7428:4回路2入力NORゲート(7402のバッファ型)
- 7432:4回路2入力ORゲート
- 7433:4回路2入力NORゲート(出力がオープンコレクタ)
- 7436:4回路2入力NORゲート(ピン配置は7402と異なる)
- 7436:4回路2入力NORゲート(50/75Ωラインドライバ)
- 74260:2回路5入力NORゲート
ExORゲート
編集- 7486:4回路2入力ExORゲート
- 74136:4回路2入力ExORゲート(出力がオープンコレクタ)
- 74266:4回路2入力ExNORゲート(出力がオープンコレクタ)
- 74386:4回路2入力ExORゲート(ピン配置は7486と異なる)
フリップフロップ/ラッチ
編集- 7473:2回路JK-フリップフロップ(CLR付き)
- 7474:2回路D-フリップフロップ(PRESET/CLR付き)
- 7475:4回路D-ラッチ
- 7476:2回路JK-フリップフロップ(PRESET/CLR付き)
- 7478:2回路JK-フリップフロップ(PRESET/CLR付き、CLOCK,CLR共通)
- 74100:8ビットラッチ
- 74107:2回路JK-フリップフロップ(CLR付き)
- 74109:2回路JK-フリップフロップ(ポジティブエッジトリガ:PRESET/CLR付き)
- 74111:2回路JK-マスター-スレーブ型フリップフロップ
- 74112:2回路JK-フリップフロップ(ネガティブエッジトリガ:PRESET/CLR付き)
- 74113:2回路JK-フリップフロップ(ネガティブエッジトリガ:PRESET付き)
- 74114:2回路JK-フリップフロップ(ネガティブエッジトリガ:PRESET/CLR付き、CLOCK,CLR共通)
- 74115:2回路4ビットラッチ
- 74171:4回路D-フリップフロップ
- 74174:6回路D-フリップフロップ
- 74175:4回路D-フリップフロップ
- 74259:8ビットアドレス可能ラッチ
- 74273:8回路D-フリップフロップ
- 74276:4回路J-K-フリップフロップ
- 74279:4回路RS-フリップフロップ
- 74373:8回路D-ラッチ
- 74374:8回路D-フリップフロップ
- 74375:4ビット双方向ラッチ
- 74376:4回路J-K-フリップフロップ
- 74377:8回路D-フリップフロップ
- 74378:6回路D-フリップフロップ
- 74379:4回路D-フリップフロップ
- 74412:8ビットマルチモードラッチ
エンコーダ/デコーダ
編集エンコーダ
編集- 74147:十進-BCDエンコーダ
- 74148:8-3八進エンコーダ
- 74348:8-3エンコーダ
デコーダ
編集- 7442:BCD-十進4-10デコーダ
- 7443:BCD-十進4-10デコーダ(大電流出力対応)
- 74137:3-8デコーダ(ラッチ付き)
- 74138:3-8デコーダ
- 74139:2回路2-4デコーダ
- 74145:BCD-十進4-10デコーダ
- 74154:4-16デコーダ
- 74155:デコーダ(複合機能:トーテムポール出力)
- 74156:デコーダ(複合機能:オープンコレクタ出力)
- 74159:4ビット-16入力デコーダ
7セグメントデコーダ
編集- 7446:BCD-7セグメントデコーダ(30V出力)
- 7447:BCD-7セグメントデコーダ(15V出力)
- 74141:BCD-ラインデコーダ(オープンコレクタ、ニキシー管のドライブ用)
- 74247:BCD-7セグメントデコーダ(オープンコレクタ、0サプレス)
- 74249:BCD-7セグメントデコーダ(オープンコレクタ、0サプレス)
データセレクタ(マルチプレクサ/デマルチプレクサ)
編集- 74150:4ビット-16入力データセレクタ
- 74151:3ビット-8入力データセレクタ
- 74152:2回路2ビット-4入力データセレクタ
- 74153:2回路4-1データセレクタ
- 74157:4回路2ビット2入力データセレクタ
- 74158:4回路2ビット2入力データセレクタ(入出力バッファ付き)
- 74251:3ビット-8入力データセレクタ(3ステート出力)
- 74253:2回路4-1データセレクタ(3ステート出力)
- 74257:4回路2-1データセレクタ(3ステート出力)
- 74258:4回路2-1データセレクタ(3ステート出力)
- 74352:2回路4-1データセレクタ
- 74353:2回路4-1データセレクタ
- 74354:8-1データセレクタ(レジスタ付き、3ステート)
- 74355:8-1データセレクタ(フリップフロップ付き、オープンコレクタ)
- 74356:8-1データセレクタ(フリップフロップ付き、オープンコレクタ)
- 74357:8-1データセレクタ(フリップフロップ付き、オープンコレクタ)
カウンタ
編集カウンタで重要なのは、同期式か非同期式かである。同期式では直列に接続されたフリップフロップの各段全ての入力にクロック信号のゲートが備えられているために、フリップフロップの各段の出力信号はばたつかずに安定している。非同期式はクロック信号による入力の制御が無いために、後段になるほど前段で変化した論理出力の影響を受けて、この出力から合成された信号がばたつく(グリッチ)ことがある。またクリアの内部動作に差があると正しくリセットされない段が生じる(ハザード)。こういった意図しない出力が動作を不安定にすることがある。非同期式は内部回路が簡単なので伝送遅延が少なく低消費でなによりクロック信号の設計が不要となる。回路規模が大きくなるとクロック信号線を駆動するには大電流を要し、動作速度低下の原因ともなる。瞬間的に全てが動作する同期式では電源ラインと接地ラインもより強力なものが求められ、ノイズへの対応も難しくなる。
- 7456:50対1分周器
- 7457:60対1分周器
- 7490:2進-5進非同期カウンタ
- 7492:12進非同期カウンタ
- 7493:2進-8進非同期カウンタ
- 7497:6ビット分周器
- 74143:7セグメント表示カウンタ
- 74144:7セグメント表示カウンタ(オープンコレクタ)
- 74160:同期4ビット10進カウンタ
- 74161:同期4ビット2進カウンタ
- 74162:同期4ビット10進カウンタ
- 74163:同期4ビット2進カウンタ
- 74167:同期十進分周器
- 74168:4ビットアップ/ダウン同期十進カウンタ
- 74169:4ビットアップ/ダウン同期バイナリカウンタ
- 74185:バイナリ-BCD変換器
- 74190:同期十進アップ/ダウンカウンタ(プリセット付き)
- 74191:同期4ビットアップ/ダウンカウンタ(プリセット付き)
- 74192:同期十進アップ/ダウンカウンタ(プリセット付き)[4]
- 74193:同期4ビットバイナリアップ/ダウンカウンタ(プリセット付き)[4]
- 74196:プリセット可能十進カウンタ
- 74197:プリセット可能バイナリカウンタ
- 74290:十進カウンタ
- 74292:プログラム可能周波数分周器
- 74293:4ビットバイナリカウンタ
- 74294:プログラム可能周波数分周器
- 74490:2回路2進-5進非同期カウンタ
レジスタ
編集- 7491:8ビットシフト・レジスタ
- 74164:8ビットシリアル入力/パラレル出力シフト・レジスタ
- 74165:8ビットパラレル入力/シリアル出力シフト・レジスタ
- 74166:8ビットパラレル入力シフト・レジスタ
- 74173:4ビットD-タイプレジスタ
- 74178:4ビット汎用シフト・レジスタ
- 74179:4ビット汎用シフト・レジスタ
- 74194:4ビット双方向汎用シフト・レジスタ
- 74195:4ビット並列アクセスシフト・レジスタ
- 74273:8ビット・レジスタ
- 74194:4ビット直列入力-並列出力/並列入力-直列出力シフト・レジスタ(右/左シフト切替可能)
- 74195:4ビット直列入力-並列出力/並列入力-直列出力シフト・レジスタ
- 74198:8ビット双方向汎用シフト・レジスタ
- 74250:4ビット-16入力データセレクタ
- 74298:4回路2入力マルチプレクサ
- 74299:8ビット双方向汎用シフト/記憶・レジスタ
- 74322:8ビットシフト・レジスタ
- 74323:8ビット双方向シフト・レジスタ
- 74390:2回路十進カウンタ
- 74393:2回路バイナリカウンタ
- 74395:4ビット双方向シフト・レジスタ
- 74396:4回路レジスタ
- 74398:4回路2入力マルチプレクサ
- 74399:4回路2入力マルチプレクサ
演算器
編集- 7482:2ビットバイナリ全加算器
- 7485:4ビット比較演算器
- 74181:4ビットALU(算術・論理演算器)
- 74182:ルックアヘッドキャリー生成器
- 74261:2ビット-4ビット乗算器
- 74283:4ビットバイナリ全加算器
- 74285:4ビット-4ビット乗算器(74284必要)
- 74381:4ビットALU(算術・論理演算器)
- 74382:4ビットALU(算術・論理演算器)
- 74383:8ビット補数乗算器
- 74385:4回路シリアル加算/減算器
- 74518:8ビット比較器
- 74520:8ビット比較器
- 74521:8ビット比較器
- 74688:8ビット比較器
その他
編集- 7431:ディレイ用素子群(2-1NAND×2、バッファ×2、インバータ×2)
- 7451:AND-NORゲート
- 7464:4-2-3-2 AND-NORゲート
- 7465:4-2-3-2 AND-NORゲート(オープンコレクタ出力)
- 74120:2回路パルスシンクロナイザ
- 74121:単安定マルチバイブレータ
- 74122:単安定マルチバイブレータ(再トリガ、CLR付き)
- 74123:2回路単安定マルチバイブレータ(再トリガ、CLR付き)
- 74124:2回路電圧制御発振器
- 74135:4回路XOR-OR/NORゲート
- 74221:2回路単安定マルチバイブレータ
- 74180:8ビットパリティ生成/検査
- 74280:9ビットパリティ生成/検査
- 74286:9ビットパリティ生成/検査
- 74297:PLL
- 74321:水晶発振器
- 74422:単安定マルチバイブレータ
- 74423:単安定マルチバイブレータ
4000シリーズ
編集- 4069:6回路Inverter
- 4050:6回路Buffer
- 4011:4回路2入力NANDゲート
- 4001:4回路2入力NORゲート
- 4081:4回路2入力ANDゲート
- 4071:4回路2入力ORゲート
- 4030:4回路2入力ExORゲート
- 4023:3回路NANDゲート
- 4025:3回路NORゲート
- 4072:2回路4入力ORゲート
- 4073:3回路ANDゲート
- 4075:3回路3入力ORゲート
- 4078:8入力ORゲート
- 4043:4回路RS-フリップフロップ
- 4042:4回路D-ラッチ
- 4013:2回路D-フリップフロップ
- 4027:2回路JK-フリップフロップ
- 4510:BCD Up/Downカウンタ
- 4553:3桁BCDカウンタ
- 4024:7ステージ2進非同期カウンタ
- 4040:12ステージ2進非同期カウンタ
- 4020:14ステージ2進非同期カウンタ
- 4076:4ビット・レジスタ
- 4015:2回路4ビット直列入力-直列出力シフト・レジスタ
- 4006:18ステージ・シフト・レジスタ
- 4517:64ビット・シフト・レジスタ
- 4581:4ビットALU(算術・論理演算器)
- 4046:PLL(電圧制御発振器+位相比較器)
- 4051:8chアナログ・マルチプレクサ/デマルチプレクサ(アナログスイッチ)
- 4052:2回路4chアナログ・マルチプレクサ/デマルチプレクサ(アナログスイッチ)
- 4053:3回路2chアナログ・マルチプレクサ/デマルチプレクサ(アナログスイッチ)
- 4066:4回路バイラテラル・スイッチ(アナログスイッチ)
- 4511:BCD to 7セグメント ラッチ/デコーダ/ドライバ
20世紀から21世紀の動向
編集1970年代から1980年代は、LSIの登場によってロジックICは汎用ロジックICとなって大規模なLSI回路の周辺で細かな信号の変換や分配、切り替えを行う「グルー」(glue、糊)としての役割を担い、デジタル電子機器には欠かせないものとなっていた。 20世紀末からはPLDのように雑多なデジタル回路を複数まとめて1つのパッケージ内に取り込める新たなICの広がりによって、パッケージ当りのトランジスタ数やゲート数の少ない汎用ロジックICは、相対的にプリント基板上で場所を占めるようになり、小型軽量低消費で低コストという時代の流れから取り残されていった。
21世紀初頭現在では、汎用ロジックICは産業用や軍事用で従来の設計を変更したくない用途では使用が継続されているがそれらの絶対需要用は小さく年々縮小している。小型化が進み量産される民生用電子機器で採用されることは少なくなり、量産前の開発段階で使用される場合や、専用設計されたLSIやその周辺のグルー専用ロジックICで構成された回路上の小さな修正などで使用される程度になっている[注 9]。民生品での修正でも基板上の実装面積は最小であることが望ましく、そういった要求に対応して、従来4ゲートや6ゲートといった数の基本ゲートを1ゲートだけ含んで極小の表面実装パッケージのUSV形状[注 10]にしたL-MOSという汎用のCMOSロジックICも登場している[2]。