姿


歴史

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ゴダードと彼の製作した液体燃料ロケット

1903 Исследование мировых пространств реактивными приборами Research of world spaces by jet devices使

19262.556 m12.6 m

21930723V2[1]

V2

V2V2

GPSV2

ロケットエンジンの構造

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液体燃料ロケットのエンジンは、燃焼室、噴射器、点火器、ノズルポンプタービンなどの部分からなっている。

一般に固体燃料ロケットより部品点数は多くなる。

推進剤の供給方式

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便



V2



=2 (Full Flow Staged Combustion Cycle: FFSCC) 

使使23

2017

クロスフィード方式

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液体燃料補助ロケット内の推進剤を1段目の主ロケットに供給する事により、補助ロケット切り離し前に主ロケットの推進剤の消費を抑え、打ち上げ能力を高める。ソビエトのUR-700で計画されたが実現せず、ファルコンヘビーで予定される。

燃焼室やノズルの冷却

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大量の推進剤が燃焼し、噴射される燃焼室やノズルは極めて高温となるので、耐熱材料を使うだけでは不足であり、より積極的に冷却を行う必要がある。そのために、推進剤の通った配管で取り巻いて熱を奪い、使った推進剤は燃焼に用いる再生冷却、多孔質の材料から推進剤を染み出させて冷却する発汗冷却、冷却したい部分の表面を推進剤の薄い流れで覆って冷やすフィルム冷却などが用いられる。融点が高く熱容量の大きな材料で覆い、その材料の溶融気化や炭化で熱を奪うアブレーション冷却も一部で用いられる。

二液系推進剤の組み合わせ

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使V2 (LOX) 75%25%使使


 (LH2)






 (MMH)

 (UDMH)

-50MMHUDMH50:50


 (LOX)




 (WFNA)


 (RFNA)

使3

ヒドラジン系

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/姿使1980918IIII退退19861031K-219 RSM-25 (SS-N-6 Serb) 



/

液体酸素/ケロシン

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液体酸素/ケロシンの組み合せのみを用いるA-2ロケットによる宇宙船ソユーズの打ち上げ。

液体酸素を酸化剤、ケロシンを燃料とするロケットは、燃料の調達も取り扱いも容易であるという理由から古くから用いられてきた。低温の液体酸素を使うため燃料をタンクに貯蔵したまま保存することはできず、比推力はヒドラジン系に勝り後述の液体酸素/液体水素系より劣る。しかし液体酸素/液体水素系より推進剤の密度が大きいために、推力が大きくて寸法が小さく、構造効率の良いロケットを製作できることから、衛星打ち上げロケットの第1段として単体で使用することに向いている。又、1段目で液体酸素/ケロシンロケットをクラスター化し、同エンジン系1基~少数を2段目に採用して、開発工数費用削減と量産効果を狙う、ファルコン9系やヌリなどの例もある(ソユーズロケットもその亜流)。

液体酸素/液体水素

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液体酸素/液体水素の組み合せを用いるRS-68エンジン単独での打ち上げ(デルタIVミディアム)。
 
液体酸素/液体水素の組み合せを用いるRS-68エンジン3基だけによる、デルタIVヘヴィーの打ち上げ。

231/14-252.6/1/

LOX/LH21NASA (RS-25)ESAJAXALE-7ANASAJ-2RL-10JAXALE-5B

-

液体酸素/液化天然ガス (LNG推進系)

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液化天然ガスを推進剤として1970年10月23日に1014.513 km/hの世界記録を樹立したブルー・フレーム英語版

使/1091K110K/

 (LNG) 使1970LNGLNGGX20097LE-82007NASAXCOR[2]X20202023BE-4 VOLGA2008CSpace10LNGCHASE-10[3][4]202372[5]

リチウム/フッ素

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これまでに燃焼試験された化学系推進剤の中で最も比推力が高いのは、リチウムと、比推力を向上させるフッ素水素を加えた組み合わせである。それぞれの推進剤はそれぞれのタンクに貯蔵される三液推進系である。この組み合わせにより真空中での比推力は542秒を得られ噴出速度は5320m/sである。

これほど優れた推進剤が一般的に使用されない理由は、3種類のそれぞれの液体推進剤を水素は-252°C (21K)、リチウムは180°C (453K) で液状に保つ必要があるからである。リチウムとフッ素は両方とも腐食性が強くリチウムは空気と触れるだけで発火し、フッ素は大半の燃料と接触するだけで点火し、水素は自己着火性ではないが爆発の危険がある。排気ガスに含まれるフッ素とフッ化水素(HF)は強い毒性を持ち発射台周辺で作業する事を困難にさせ、環境に悪影響を及ぼし打ち上げの許可を得ることが困難である。ロケットの排気も同様にイオン化されロケットとの無線による通信を妨げる。リチウムとフッ素は高価で希少であり、実際にこのような用途には十分に問題である。この組み合わせで打ち上げられたことはない。

液体水素/液体酸素を推進剤とする1段用ロケットエンジンの比較

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機種 SSME LE-7A RD-0120 ヴァルカン RS-68 YF-77
開発国 アメリカ合衆国 日本 ソビエト連邦 欧州宇宙機関 アメリカ合衆国 中華人民共和国
形式 二段燃焼サイクル 二段燃焼サイクル 二段燃焼サイクル ガス発生器サイクル ガス発生器サイクル
全高 4.24 m 3.7 m 4.55 m 3 m 5,20 m
直径 1.63 m 1.82 m 2.42 m 1.76 m 2,43 m
重量 3,177 kg 1,832 kg 3,449 kg 1,686 kg 6,696 kg
推進剤 液体水素液体酸素 液体水素液体酸素 液体水素液体酸素 液体水素液体酸素 液体水素液体酸素 液体水素液体酸素
主燃料室圧力 18.9 MPa 12.0MPa 21.8 MPa 11.4 MPa 9.7 MPa 10.2MPa
真空中比推力 453秒 440秒 454秒 433秒 409秒 438秒
真空中での推力 2.278MN 1.098MN 1.961MN 1.120MN 3.37MN 0.673MN
地上での推力 1.817MN 1.517MN 0.800MN 2.949MN 0.550MN
搭載 スペースシャトル H-IIAロケット
H-IIBロケット
エネルギア アリアンV デルタ IV 長征5号

液体水素/液体酸素を推進剤とする上段用ロケットエンジンの比較

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主要諸元一覧
  RL-10 HM7B Vinci CE-7.5 YF-75 RD-0146 ES-702 ES-1001 LE-5 LE-5A LE-5B
燃焼サイクル エキスパンダーサイクル ガス発生器サイクル エキスパンダーサイクル ガス発生器サイクル ガス発生器サイクル エキスパンダーサイクル ガス発生器サイクル ガス発生器サイクル ガス発生器サイクル エキスパンダブリードサイクル
(ノズルエキスパンダ)
エキスパンダブリードサイクル
(チャンバエキスパンダ)
真空中推力 66.7 kN (15,000 lbf) 62.7 kN 180 kN 73 kN 78.45 kN 98.1 kN (22,054 lbf) 68.6kN (7.0 tf)[6] 98kN (10.0 tf)[7] 102.9kN (10.5 tf) r121.5kN (12.4 tf) 137.2kN (14 tf)
混合比 5.2 6.0 5.5 5 5
膨張比 40 40 40 140 130 110
真空中比推力 (秒) 433 444.2 465 454 437 463 425[8] 425[9] 450 452 447
燃焼圧力 MPa 2.35 3.5 6.1 5.8 3.68 7.74 2.45 3.51 3.65 3.98 3.58
LH2ターボポンプ回転数 min-1 125,000 41,000 46,310 50,000 51,000 52,000
LOXターボポンプ回転数 min-1 16,680 21,080 16,000 17,000 18,000
全長 m 1.73 1.8 2.2~4.2 2.14 1.5 2.2 2.68 2.69 2.79
質量 kg 135 165 280 435 550 242 255.8 259.4[10] 255 248 285


二液式推進剤のデータ

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組み合わせと最適な膨張率

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r 混合比: 酸化剤/燃料
Ve 平均排気速度, m/s. 同じ計測で比推力は異なる単位でN・s/kg。
C* 固有速度, m/s. 燃焼圧力を開口部面積で乗算、流量比で除算 実験ロケットの燃焼効率の確認に使用される。
Tc 燃焼室温度℃
d 燃料と酸化剤の密度 g/cm3
68.05atmから1atmへの
最適な膨張
68.05atmから0atm(真空中)への
最適な膨張 (ノズル面積比 = 40:1)
酸化剤 燃料 注記 Ve r Tc d C* Ve r Tc d C*
LOX H2 一般的 3816 4.13 2740 0.29 2416 4462 4.83 2978 0.32 2386
H2-Be 49/51 4498 0.87 2558 0.23 2833 5295 0.91 2589 0.24 2850
CH4 3034 3.21 3260 0.82 1857 3615 3.45 3290 0.83 1838
C2H6 3006 2.89 3320 0.90 1840 3584 3.10 3351 0.91 1825
C2H4 3053 2.38 3486 0.88 1875 3635 2.59 3521 0.89 1855
RP-1 一般的 2941 2.58 3403 1.03 1799 3510 2.77 3428 1.03 1783
N2H4 3065 0.92 3132 1.07 1892 3460 0.98 3146 1.07 1878
B5H9 3124 2.12 3834 0.92 1895 3758 2.16 3863 0.92 1894
B2H6 3351 1.96 3489 0.74 2041 4016 2.06 3563 0.75 2039
CH4/H2 92.6/7.4 3126 3.36 3245 0.71 1920 3719 3.63 3287 0.72 1897
GOX GH2 3997 3.29 2576 - 2550 4485 3.92 2862 - 2519
F2 H2 4036 7.94 3689 0.46 2556 4697 9.74 3985 0.52 2530
H2-Li 65.2/34.0 4256 0.96 1830 0.19 2680
H2-Li 60.7/39.3 5050 1.08 1974 0.21 2656
CH4 3414 4.53 3918 1.03 2068 4075 4.74 3933 1.04 2064
C2H6 3335 3.68 3914 1.09 2019 3987 3.78 3923 1.10 2014
MMH 3413 2.39 4074 1.24 2063 4071 2.47 4091 1.24 1987
N2H4 3580 2.32 4461 1.31 2219 4215 2.37 4468 1.31 2122
NH3 3531 3.32 4337 1.12 2194 4143 3.35 4341 1.12 2193
B5H9 3502 5.14 5050 1.23 2147 4191 5.58 5083 1.25 2140
OF2 H2 4014 5.92 3311 0.39 2542 4679 7.37 3587 0.44 2499
CH4 3485 4.94 4157 1.06 2160 4131 5.58 4207 1.09 2139
C2H6 3511 3.87 4539 1.13 2176 4137 3.86 4538 1.13 2176
RP-1 3424 3.87 4436 1.28 2132 4021 3.85 4432 1.28 2130
MMH 3427 2.28 4075 1.24 2119 4067 2.58 4133 1.26 2106
N2H4 3381 1.51 3769 1.26 2087 4008 1.65 3814 1.27 2081
MMH/N2H4/H20 50.5/29.8/19.7 3286 1.75 3726 1.24 2025 3908 1.92 3769 1.25 2018
B2H6 3653 3.95 4479 1.01 2244 4367 3.98 4486 1.02 2167
B5H9 3539 4.16 4825 1.20 2163 4239 4.30 4844 1.21 2161
F2/O2 30/70 H2 3871 4.80 2954 0.32 2453 4520 5.70 3195 0.36 2417
RP-1 3103 3.01 3665 1.09 1908 3697 3.30 3692 1.10 1889
F2/O2 70/30 RP-1 3377 3.84 4361 1.20 2106 3955 3.84 4361 1.20 2104
F2/O2 87.8/12.2 MMH 3525 2.82 4454 1.24 2191 4148 2.83 4453 1.23 2186
酸化剤 燃料 注記 Ve r Tc d C* Ve r Tc d C*
N2F4 CH4 3127 6.44 3705 1.15 1917 3692 6.51 3707 1.15 1915
C2H4 3035 3.67 3741 1.13 1844 3612 3.71 3743 1.14 1843
MMH 3163 3.35 3819 1.32 1928 3730 3.39 3823 1.32 1926
N2H4 3283 3.22 4214 1.38 2059 3827 3.25 4216 1.38 2058
NH3 3204 4.58 4062 1.22 2020 3723 4.58 4062 1.22 2021
B5H9 3259 7.76 4791 1.34 1997 3898 8.31 4803 1.35 1992
ClF5 MMH 2962 2.82 3577 1.40 1837 3488 2.83 3579 1.40 1837
N2H4 3069 2.66 3894 1.47 1935 3580 2.71 3905 1.47 1934
MMH/N2H4 86/14 2971 2.78 3575 1.41 1844 3498 2.81 3579 1.41 1844
MMH/N2H4/N2H5NO3 55/26/19 2989 2.46 3717 1.46 1864 3500 2.49 3722 1.46 1863
ClF3 MMH/N2H4/N2H5NO3 55/26/19 ハイパーゴリック推進剤 2789 2.97 3407 1.42 1739 3274 3.01 3413 1.42 1739
N2H4 ハイパーゴリック推進剤 2885 2.81 3650 1.49 1824 3356 2.89 3666 1.50 1822
N2O4 MMH ハイパーゴリック推進剤, 一般的 2827 2.17 3122 1.19 1745 3347 2.37 3125 1.20 1724
MMH/Be 76.6/29.4 3106 0.99 3193 1.17 1858 3720 1.10 3451 1.24 1849
MMH/Al 63/27 2891 0.85 3294 1.27 1785
MMH/Al 58/42 3460 0.87 3450 1.31 1771
N2H4 ハイパーゴリック推進剤, 一般的 2862 1.36 2992 1.21 1781 3369 1.42 2993 1.22 1770
N2H4/UDMH 50/50 ハイパーゴリック推進剤, 一般的 2831 1.98 3095 1.12 1747 3349 2.15 3096 1.20 1731
N2H4/Be 80/20 3209 0.51 3038 1.20 1918
N2H4/Be 76.6/23.4 3849 0.60 3230 1.22 1913
B5H9 2927 3.18 3678 1.11 1782 3513 3.26 3706 1.11 1781
NO/N2O4 25/75 MMH 2839 2.28 3153 1.17 1753 3360 2.50 3158 1.18 1732
N2H4/Be 76.6/23.4 2872 1.43 3023 1.19 1787 3381 1.51 3026 1.20 1775
IRFNA IIIa UDMH/DETA 60/40 ハイパーゴリック推進剤 2638 3.26 2848 1.30 1627 3123 3.41 2839 1.31 1617
MMH ハイパーゴリック推進剤 2690 2.59 2849 1.27 1665 3178 2.71 2841 1.28 1655
UDMH ハイパーゴリック推進剤 2668 3.13 2874 1.26 1648 3157 3.31 2864 1.27 1634
IRFNA IV HDA UDMH/DETA 60/40 ハイパーゴリック推進剤 2689 3.06 2903 1.32 1656 3187 3.25 2951 1.33 1641
MMH ハイパーゴリック推進剤 2742 2.43 2953 1.29 1696 3242 2.58 2947 1.31 1680
UDMH ハイパーゴリック推進剤 2719 2.95 2983 1.28 1676 3220 3.12 2977 1.29 1662
H2O2 MMH 2790 3.46 2720 1.24 1726 3301 3.69 2707 1.24 1714
N2H4 2810 2.05 2651 1.24 1751 3308 2.12 2645 1.25 1744
N2H4/Be 74.5/25.5 3289 0.48 2915 1.21 1943 3954 0.57 3098 1.24 1940
B5H9 3016 2.20 2667 1.02 1828 3642 2.09 2597 1.01 1817
N2H4 B2H6 3342 1.16 2231 0.63 2080 3953 1.16 2231 0.63 2080
B5H9 3204 1.27 2441 0.80 1960 3819 1.27 2441 0.80 1960
酸化剤 燃料 注記 Ve r Tc d C* Ve r Tc d C*

混合比の詳細:

沸点

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液体推進剤[11]
燃料
分子式 沸点(K)
アンモニア NH3 240
エタノール C2H5OH 351
水素 H2 020
ヒドラジン N2H4 386
酸化剤
. 分子式 沸点(K)
酸素 O2 090
フッ素 F2 085
赤煙硝酸 HNO3 -
四酸化二窒素 N2O4 294
過酸化水素 H2O2 423

一液推進系

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190
68.05 atmから1atmにおける
最適な膨張
68.05から0atm(真空中)における
最適な膨張 (ノズル面積比 = 40:1)
推進剤 備考 Ve Tc d C* Ve Tc d C*
ヒドラジン 一般的
100% 過酸化水素 一般的 1610 1270 1.4 1040 1860 1270 1.4 1040
推進剤 備考 Ve Tc d C* Ve Tc d C*

脚注

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  1. ^ 大澤弘之 監修『新版 日本ロケット物語』p.33–36 2003年9月29日発行
  2. ^ アルタイル 月面着陸機には実績のあるハイパーゴリック推進剤を使用したエンジンが搭載される予定だった。
  3. ^ 開発動向
  4. ^ 開発経緯
  5. ^ 中国の民間企業、運搬ロケット「朱雀2号遥2」の打ち上げに成功”. AFP通信 (2023年7月12日). 2023年7月13日閲覧。
  6. ^ 開口比40のノズルスカートを未装着時の推力は48.52kN (4.9 tf)
  7. ^ 開口比40のノズルスカートを未装着時の推力は66.64kN (6.8 tf)
  8. ^ 開口比40のノズルスカートを未装着時の比推力は286.8
  9. ^ 開口比40のノズルスカートを未装着時の比推力は291.6
  10. ^ 計算値
  11. ^ ミサイルの本 久保田浪之介 2004年9月30日 初版1刷 日刊工業所新聞発行 ISBN 4-526-05350-3

関連項目

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