装甲(そうこう、: Armor)とは、敵弾を防ぐために船体車体に張られた鋼鉄板などのこと[1]

16世紀の人馬用甲冑を再現したもの
地雷やIEDに対抗するため、装甲防御力を高めたMRAPの一種であるマックスプロ

歴史

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近代兵器で求められる能力

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21

穿

工夫・技術

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21



20APFSDSHEAT穿使

1


モノコック構造

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過去には兵器の外枠となる構造体とは別に装甲だけが付加されたこともあったが、全体の重量に考慮すれば装甲が車体や船体の構造体も兼ねた方が軽くなるため、装甲だけを付け加えることは少なくなり、モノコック構造がとられることが多い[注 1]

装甲厚の最適な配分

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使10030201016-17

装甲の種類

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装甲材の種類

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使使

使使使使


鍛造装甲

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鋼鉄の板を叩いて鍛え、同時に形を整える鍛造(たんぞう)によって造られた装甲である。鋳造に比べると不純物があまり入らず、冷間加工による硬度の強化も行えるが、複雑な形状は作れない。21世紀現在はあまり採用されていない[2]

鋳造装甲

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[2]

121[2]

表面硬化装甲

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2







 [3]KC[3]VC[4][3]

21[2]

[4][5]

均質圧延鋼装甲

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Rolled Homogeneous ArmourRHA2APFSDSHEAT21RHA[2] 150RHA

21

アルミニウム合金装甲

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3131RHA3使APFSDSHEATRHA[6]

M551M113RPG使

チタン装甲

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チタンは密度が鋼鉄の半分で耐弾性はおおよそ鋼鉄と同等とされ、兵器が軽く作れて良いが、金属チタン自身が高価であり、切削加工にも技術が求められる。

航空機ではA-10のコクピットと操縦系を保護する通称『バスタブ』装甲に採用されたことがある。戦車のハッチやスカート部分、付加装甲では採用例があるが、主装甲では使われていない[2]

劣化ウラン装甲

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非常に重い金属である劣化ウランを装甲材として、鋼板の内部に封入して使用するもの。実用化されているのはM1エイブラムスの改良型のみ。

その他の装甲技術など

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傾斜装甲

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傾斜装甲で構成されたT-34/76

[7]

T-34T-34

21APFSDS[2]

空間装甲

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砲塔と車体側面に増加装甲(空間装甲)を装備したチェンタウロ戦闘偵察車
 
侵徹穴角部の効果

Spaced Armour2[8][9][10]

2HEATHEAT2[2]

[6]

HEAT1.25KE1.25[7]

複合装甲

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複合装甲を持つチャレンジャー2

2Composite Armour[11][12][13][14]



使APFSDSHEAT10HEATHEATAPFSDSHEAT

APFSDSHEAT[2]


増加装甲

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増加装甲(ケージ装甲)を取り付けたシミター偵察戦闘車

Add-on ArmorAdditional ArmorApplique Armor





鋼鉄製増加装甲板
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シュルツェンを側面に装備したIII号戦車



(Schürzen:())

III使

爆発反応装甲
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ERAを装備したT-55

ERA : Explosive Reactive Armour

APFSDSHEATERA[15]

ERAAPFSDSL/D[16][2][17]

ケージ装甲
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操縦室の周囲にケージ装甲を装着したD9装甲ブルドーザー

(HEAT)RPG-7

, Cage Armour(Bar Armour)(Slat armor)(Fence Armour)

RPG-7RPG-77595mm64+105mm

HEAT退HEAT[8]250mm1,000mmPG-7VRPG-740mm

60%[6]

天板装甲
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砲塔天板に増加装甲を装着したメルカバMk.3

Roof Armor)



ベリーアーマー
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車体底面にベリーアーマーを装着したM1A1 FEP エイブラムス

ベリーアーマー(Belly Armor、belly:腹部)は、戦車や装甲車両の車体下面(底面)を防護するために付加される増加装甲である。特に地雷即席爆発装置からの防護を目的として装備されることが多く、下方からの爆風を側面方向に逃すことができるように、断面はV字形状になっているものが多い。


IED



飛散防止内張り

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HESH[18]

spall liner使[2]

電磁装甲

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米国を中心に開発が進められている新しい装甲の技術で[9]2019年現在も実用はまだ先と考えられている。

その他の防御技術

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ツィンメリット・コーティング

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発煙弾発射機

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レオパルト2の砲塔側面に装備された発煙弾発射機

アクティブ防護システム

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メルカバMk.4に装備されたトロフィーAPS

 (Active Protection System , APS) 

8099JD-3APSMk.4201131APS

IED妨害装置

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マックスプロに装備された、ライノIED妨害装置
M1A1 FEP エイブラムスの砲塔後部に装備された、デュークIED妨害装置

IEDIED

IEDRhino)IEDDUKE

地雷処理装置

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クーガーHEVに装備された地雷処理ローラー

レーザー警戒装置

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偽装網

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車体全体に偽装網を装着したレオパルト2

脚注

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注釈

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(一)^  使

(二)^ 15-20%

(三)^ Krupp cemented armor plate

(四)^ Vickers cemented armor plate

(五)^  CiNii Research [5]

(六)^ 

(七)^ 
 
TL

TN

θ
=451.460=302

(八)^ 

(九)^ IDF

(十)^ Strv.103HEATAPFSDS

(11)^ 

(12)^ 196019701AMX3074

(13)^ 1964T-64西1976Chobham

(14)^ 1978西21980M119831

(15)^ APFSDSHEATERA

(16)^ L/D"L""D"21L/D30

(17)^ ERA

(18)^ 

出典

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(一)^  - 

(二)^ abcdefghij  20093  200931

(三)^ ab (1967). .  () 53(9): 1119-1129 (41-51). doi:10.2355/tetsutohagane1955.53.9_1119. https://www.jstage.jst.go.jp/article/tetsutohagane1955/53/9/53_9_1119/_pdf 202412. 

(四)^  ()1531929325187-200doi:10.2355/tetsutohagane1915.15.3_187202412 

(五)^ "() - CiNii Research". 202412

(六)^ ab 2012  2012423

(七)^  (3)M1(2) 20097 

(八)^ R.M. Ogorkiewicz, Rocket science :vehicle armour evolves protection against RPG attacks, JANE'S INTERNATIONAL DEFENCE REVIEW, 09/2010,p33-35

(九)^  (2002822). 2007114

関連項目

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外部リンク

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