赤渕駅
岩手県岩手郡雫石町御明神にある東日本旅客鉄道の駅
赤渕駅(あかぶちえき)は、岩手県岩手郡雫石町御明神赤渕にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)田沢湖線の駅である。
赤渕駅 | |
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駅出入口(2024年5月) | |
あかぶち Akabuchi | |
(3.3 km) 春木場► | |
所在地 |
岩手県岩手郡雫石町御明神赤渕 北緯39度41分6.50秒 東経140度54分25.90秒 / 北緯39.6851389度 東経140.9071944度座標: 北緯39度41分6.50秒 東経140度54分25.90秒 / 北緯39.6851389度 東経140.9071944度 |
所属事業者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) |
所属路線 | ■田沢湖線 |
キロ程 | 53.6 km(大曲起点) |
電報略号 | アチ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 1面2線 |
開業年月日 | 1964年(昭和39年)9月10日 |
備考 | 無人駅 |
概要
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1922年︵大正11年︶ - 1944年︵昭和19年︶までは雫石駅 - 当駅付近を経由して当駅北西の橋場駅まで橋場線が開通していた。橋場駅 - 雫石駅間には途中駅は開設されず、従って当駅も存在しなかった。この区間は1944年︵昭和19年︶に不要不急線として休止扱いとなり、レール等も撤去された[1]。
戦後、橋場線延伸ルートが橋場駅経由の当初計画から変更されたため、新ルートと橋場方面の分岐点に位置する場所に当駅が開設されることとなり、1964年︵昭和39年︶に橋場線は当駅まで再延伸した。延伸ルートから外れることとなった橋場方面旧線は、駅自体を含め休止扱いのまま再開される見込みがなくなったため、事実上橋場駅の代替となった。
その2年後の1966年︵昭和41年︶に当駅から南西方向より仙岩峠を経由するルートで田沢湖駅までの線路が開通。これに伴い、大曲駅 - 盛岡駅が全通し、全線が田沢湖線となって現在へ至る。
当駅までが盛岡支社管轄で、隣の田沢湖駅より大曲方面は秋田支社管轄となる[注釈1]。
年表
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●1964年︵昭和39年︶9月10日‥国鉄橋場線︵現・田沢湖線︶雫石駅 - 当駅間延伸時に終着駅として開設[2]。旅客のみ取扱う無人駅[3]。
●1966年︵昭和41年︶10月20日‥当駅 - 田沢湖駅間が延伸。同時に線路名称を改定し、田沢湖線の駅となる[4]。
●1987年︵昭和62年︶4月1日‥国鉄分割民営化に伴い、東日本旅客鉄道︵JR東日本︶の駅となる[4]。
●2018年︵平成30年︶4月1日‥雫石駅の業務委託化に伴い、盛岡駅管理下となる。
駅構造
編集島式ホーム1面2線を有する列車交換可能な地上駅で、盛岡駅管理の無人駅である。駅舎はないが、ホーム上に待合室が設置されている。
のりば
編集番線 | 路線 | 方向 | 行先 | 備考 |
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1 | ■田沢湖線 | 下り | 田沢湖・角館方面[5] | |
2 | 上り | 盛岡方面[5] | 当駅始発は1番線 |
隣駅の田沢湖駅までは県境を跨いで20キロメートル近く離れており、盛岡駅からの列車の多くが当駅または雫石駅で折り返す。朝の当駅始発は盛岡発始発列車に連結されており、進行方向前方がそのまま大曲行きで、後方車両が該当する。
当駅から田沢湖に行く列車は4本のみである。
当駅には秋田新幹線﹁こまち﹂も行き違いのため運転停車する時間帯がある。
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待合室(2024年5月)
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ホーム(2024年5月)
駅周辺
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駅は北上川水系雫石川支流の竜川が作る谷に位置し駅周辺には平地は少ない。民家は駅前に赤渕集落の他、駅北東側に山津田集落、駅北西側に小赤沢集落、橋場集落がある。以前駅前を走る路線バスがあったが廃止され、町営デマンド型交通へ置換わっている。
●国道46号‥駅前を通る国道で当駅より東側は鉄道に沿うが、西方向へは県境付近まで鉄道とは別の沢沿いを走る。以前の国鉄橋場線および橋場駅は国道が走る沢沿いにあった。
●国見温泉‥国道46号と岩手県道266号国見温泉線を経由して行く秘湯。15キロメートルほど離れており、タクシーでアクセス可能。
●道の駅雫石あねっこ‥国道沿いで、駅から4キロメートル程度。
今後の予定
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当駅前後は土砂災害、冬季雪崩災害多発区間として知られており、ルート変更が度々検討されている。直近では平成25年8月秋田・岩手豪雨に伴い、駅東方の山津田地区に斜面にある複数の沢で土石流が、西方の山岳地帯では盛土路盤が崩壊する被害が発生し、列車が運休した[6]。また、駅西側の山岳地帯では大規模な地すべりが観測されており、国による直轄事業で集水井設置等の対策が進められている[7]。
このうち、当駅 - 田沢湖駅間はトンネルを主体とした新線ルート計画が前進しつつある[8]。秋田県とJR東日本は、2021年︵令和3年︶7月26日に新仙岩トンネルを含む新ルート整備計画に関する覚書を締結した[8]。事業費は約700億円で、工期は着工より約11年を予定している[8]。新ルートが完成すると、東京駅 - 秋田駅間で現行より約7分程度の時間短縮が見込まれている[8]。
隣の駅
編集脚注
編集注釈
編集出典
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(一)^ ﹃赤渕駅﹄ - 国立国会図書館デジタルコレクション
(二)^ ﹁日本国有鉄道公示第404号﹂﹃官報﹄1964年9月8日。
(三)^ ﹁通報 ●橋場線雫石・赤渕間の開業について︵営業局︶﹂﹃鉄道公報﹄日本国有鉄道総裁室文書課、1964年9月8日、3頁。
(四)^ ab石野哲 編﹃停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ﹄︵初版︶JTB、1998年10月1日、496頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
(五)^ ab“時刻表 赤渕駅”. 東日本旅客鉄道. 2019年8月23日閲覧。
(六)^ 遠藤大輔、滝田正樹﹁田沢湖線8.9降雨被害の概況と竜側橋梁の復旧﹂︵PDF︶﹃土木学会第69回年次学術講演会﹄VI-428、2014年9月。
(七)^ 佐々木秀隆; 平野和貴﹃志戸前川地区直轄地すべり防止事業の着手と今後の方針について﹄︵PDF︶︵レポート︶農林水産省、2019年。
(八)^ abcd﹃秋田新幹線新仙岩トンネル整備計画の推進に関する覚書の締結について﹄︵PDF︶︵プレスリリース︶秋田県 / 東日本旅客鉄道、2021年7月26日。 オリジナルの2021年7月28日時点におけるアーカイブ。2021年8月7日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- 駅の情報(赤渕駅):JR東日本