105

成立の背景

編集

4 1124

241126稿

3

2

34

構成と内容

編集

構成は以下の通りで序文はない。収められた和歌は短歌形式のものがほとんどで、巻第十に「連歌」の題を設けて連歌10首余りを収めている。

  • 巻第一 春部
  • 巻第二 夏部
  • 巻第三 秋部
  • 巻第四 冬部
  • 巻第五 賀部
  • 巻第六 別部
  • 巻第七 恋部 上
  • 巻第八 恋部 下
  • 巻第九 雑部 上
  • 巻第十 雑部 下

全10巻という構成の勅撰集はこの『金葉和歌集』と次の『詞花和歌集』しかない。それまでの『古今和歌集』をはじめとする勅撰集が20巻だったのを10巻としたのは、藤原公任撰の『拾遺抄』にならったものだという。部立も『拾遺抄』そのままである。当時は『拾遺和歌集』ではなく、『拾遺抄』を正当視する向きがあった。二度本では六条源家源経信・俊頼父子、そして六条藤家顕季らが主要歌人となっている。

評価

編集

便5



4

伝本

編集

『金葉和歌集』の伝本は成立に至るまでの複雑な経緯を反映し、初度本・二度本・三奏本の3系統に分けられる。初度本は半分以上が欠けている零本で、それ一冊のみが伝わる孤本である。現存する伝本のほとんどは二度本で、一般に流布する『金葉和歌集』の本文もこの二度本に拠るが、同じ二度本でも伝本の間で収める和歌がおよそ660首のものから700首を超えるものまで異同がある。三奏本は2種類現存する。3系統はいずれも曲がりなりにも伝えられているのである。

初度本

編集

初度本の伝本は次の一つしか知られていない。

  • 伝冷泉為相筆本
    静嘉堂文庫所蔵。巻第一から巻第五までの零本。巻頭は『今鏡』が伝える通り紀貫之の歌から始まっている。

二度本

編集

二度本はさらに数種類の系統に分けられる。これは俊頼が二度本を編纂する際に、数度にわたって改編した結果出来た途中の稿本が書写されて伝わったものである。その系統については歌数の相違などから細かく区別されているが、以下はいくつかの主要な伝本を列記するにとどめる。

三奏本

編集

三奏本の伝本は次の二つが知られている。

  • 伝後京極良経筆本
    近世になって発見された伝本で、天保9年(1883年)に板本として刊行され流布した。ただし本文に落丁や誤脱がある。『新編国歌大観』と『新日本古典文学大系』に三奏本として翻刻され、二度本とともに収められている。
  • 伝二条為遠筆本
    近年発見された伝本。本文は伝京極良経筆本の誤脱等を補うもの。

参考文献

編集
  • 松田武夫 『金葉集の研究』山田書院 1956、パルトス社、1988
  • 正宗敦夫 『金葉和歌集講義』、自治日報社、1968年
  • 新編国歌大観編集委員会編 『新編国歌大観』(第一巻)、角川書店、1983年

校注文献

編集

関連項目

編集

外部リンク

編集