F-111 (航空機)

アメリカの戦闘爆撃機
F111から転送)

F-111 アードヴァーク

飛行するF-111A 67-065/A1-110号機 (第428戦闘飛行隊所属、1968年撮影)

飛行するF-111A 67-065/A1-110号機
(第428戦闘飛行隊所属、1968年撮影)

F-111 アードヴァークGeneral Dynamics F-111 Aardvark)は、ジェネラル・ダイナミクス社が開発した軍用機[注 1]センチュリーシリーズに数えられることがある。

概要

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アメリカ空軍所属のF-111F(1972年)

1964Aardvark 退

使AB2BF-111A



1998201012退

開発

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1958F-105使2VTOL2.519601012TFXTactical Fighter Experimental

FADF Fleet Air Defence FighterF6DVG3

1961106NASAF-111AF-111B

244調[2]

1968F-111B
 
19641015363-9768

F-111A196412212TF30調IF-111AI使2.22.5II

19681973退196912F-111AF-1117F-111F-111AF-4

特徴

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夜間時のF-111のコックピット

F-111

F-111"F-1111960MiGF-111使



F-111F-15F-15F-15EF-111

可変翼

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パイロンにBLU-107 デュランダルを搭載したところ。翼下の様子がよくわかる。
 
可変翼の動き

CAS退F-111

CASF-11116 - 72.5退42退26使2退退54退使2使使退2654

退26使45使47退CAS退45

ウェポンベイ(爆弾倉)

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使FB-111AM61A1AN/AVQ-26 

モジュール式脱出装置

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脱出モジュールのシミュレーター

160cm




地形追従レーダー

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TFRTerrain Following Radar沿使F-111沿

トーチング(ダンプ&バーン)

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トーチングを行うF-111C

F-111の良く知られた技に、燃料を空中投棄しながらアフターバーナーを使って燃料を引火させるトーチング(ダンプ&バーンともいわれる)がある。この技は、F-111の展示飛行では頻繁に行われ、シドニーオリンピック閉会式の際にも実演された。曲技などで意図的に燃料を放出し引火させる分には、特別な改造が不要であり便利であった。

ただ、この技はF-111の問題点を現すものでもある。非常時に燃料投棄をしている最中に引火すると危険であるため、燃料投棄時のエンジン出力にはアフターバーナーを使わないなどの制限を課す必要があった。

愛称

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Aardvark退Flying-PigFlying EdselSwingerSwitchBlade(Widow-Maker

戦歴

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ベトナム戦争

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19683F-111F-111A 6F-111A2241

F-111A 4819724,0007[2]

ポプラ事件

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1976年8月18日韓国北朝鮮の軍事境界線(板門店)で起きた軍事衝突事件、いわゆる「ポプラ事件」後の8月21日に、ポプラの木を伐採するべく出動した国連軍(「ポール・バニアン作戦」)を援護するために韓国内の烏山空軍基地より出動したが、再度の衝突が起きなかったために爆撃は行わず基地に戻った。

エルドラド・キャニオン作戦(リビア爆撃)

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イギリス空軍レイクンヒース基地にてGBU-10爆弾を搭載する第48戦術戦闘航空団のF-111F
1986年4月14日撮影

19864宿使使F-111

10,000 km48F-111F 18642EF-111A 47

414F-111FEF-111AEF-111AF-111F 12宿[3]198812103便

使F-111使

湾岸戦争

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1990年「砂漠の盾作戦」のため、サウジアラビアの基地で出撃準備をするEF-111A

1991F-111E/FEF-111AF-1176F-111F-1173

F-111F西1F-111F

使[4]F-111F-16F/A-18F-111

227GBU-28F-111F 2使GBU-2820使8

F1EF-111AEF-111A

F-111退

デリバリット・フォース作戦(ボスニア・ヘルツェゴビナ空爆)

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イタリアのアビアノ空軍基地に展開した第429電子戦飛行隊所属のEF-111A。

NATO

NATOEF-111A199583091492410NATO

運用

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F-111TACSACEF-111A調F-111ANASA使

2010F-111使F-15E199627F-111FF-16C/D退EF-111A1998退F-11120152020退[3]201012退

F-111FF-111F[4]

型式

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F-111A

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F-11123594E15842EF-111A3NASA19701980使

1991退AMARG

F-111B

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F-111B(1965年頃)

F-111B732 m2 mAN/AWG-9 AIM-54 246

10[2]1F-111B151974F-14使19687

F6DF-14F-111B退

NASA使197022使11FB-111A

F-111C

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旧塗装のF-111C
1989年1月1日撮影
 
現塗装のF-111C(2006年頃)

 TSR.2TSR.2F-111A 18RF-111A 6F-111AFB-111AF-111C 24

F-111C1968F-111F-111CF-4E241973F-111C1982F-111A 4F-111C使

19831985F-111C18AN/AVQ-26 GBU-15AGM-84 AGM-88 HARM使退EF-111A/F-111DF-1111996退21使F/A-18F2010使

F-111F-111GF-111G

F-111D

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アビオニクスをA型のMk IからMk IIに改修し、エンジンをTF30-P-9、エアインテイクをトリプル・プラウIIにするなどの改修が施された型。アビオニクスのトラブルに見舞われ、運用開始はF-111Eより遅れた。生産数は当初315機を予定していたが、トラブルによる価格上昇のため96機に縮小された。1992年に退役となり、デビスモンサン空軍基地のAMARGでモスボールされた。

F-111E

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F-111Aのエアインテイクをトリプル・プラウIIにし、超音速でのエンジンパフォーマンスの向上を図ったバージョン。アビオニクスはECM装置を除いてA型と同様。フライ・バイ・ワイヤシステムやB-1の開発支援にも用いられた。生産数94機。

F-111F

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Mk IITF30-P-100F-111

F-111F1061996727退

F-111G

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FB-111A 7630使使1993退151994

F-111K

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TSR.21966F-111K 46TF-111K 41968 K2F-111KTF-111KF-4KF-4MFG.1FGR.2

FB-111A

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編隊を組むFB-111
1983年12月1日撮影

1960 - 1970

使使F-111F-111AF-111B使TF-30-P-7

1966210B-1AFB-111A76B-1AFB-111AFB-111B/C/GFB-111HB-1B

FB-111A220 kmAGM-69A SRAM170200 B43 70 - 1,450B61100 - 500624B28 B57 B83

1991FB-111A退7630F-111G

FB-111B/C/H/G

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1977年6月にカーター政権下の軍縮によって開発中止されたB-1Aの代替として、ジェネラル・ダイナミクスが提案した型が、FB-111B/Cである。実際に製作はされていない。

計画では、FB-111Bは、FB-111Aから胴体を3 m延長して燃料と兵器搭載量を増大させ、エンジンはB-1A用に開発されたGE F101-GE-102ターボファンエンジン2基(推力14,060kg)を搭載し、アビオニクスも最新のものに換装する。この改造により航続距離と最大離陸重量が飛躍的に増大する予定であった。同様の改造をF-111Dに対して行ったものがFB-111Cであり、加えて翼長をFB-111系統と同程度まで延伸する。結局このプランは採用されなかった。

レーガン政権下においても同様のプランが提案され、既存のFB-111A 65機をH型に改修し、80機を新造することを65億ドルで提案したが、B-1Bとの競争に敗れ、採用されなかった。

EF-111A

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EF-111Aレイヴン

EF-111AF-111RavenSpark VarkElectric Fox

1977310198142F-111A

1998退20084

RF-111A

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F-111Aに偵察能力を付与した俗に言う戦闘偵察機仕様。オーストラリア空軍も導入する予定だったが開発されずに終わった。

RF-111C

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オーストラリア空軍の使用する偵察機型。F-111Cと同時に導入されるはずだったRF-111Aが開発中止となったため、F-111Aのウェポンベイに偵察キットを搭載し偵察機としたバージョン。それ以外の戦闘能力はF-111Cと同等である。

性能・主要諸元

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登場作品

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映画

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007 オクトパシー
西ドイツのアメリカ空軍基地(架空のフェルトシュタット・エアベース)の場面で、本機がハンガーの前に駐機している。

アニメ・漫画

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88


小説

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『ロシアの核』
主人公の乗機として、架空の偵察機型でSEAD任務にも対応する「RF-111G ヴァンパイア」が登場。ロシアウクライナトルコへ核攻撃したことを受け、ロシア国内へ偵察とSEAD任務に出撃する。

ゲーム

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Wargame Red Dragon

NATONATO使NATOF-111GF-111EF-111FEF-111A

2 ADVANCE


脚注

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注釈

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(一)^ 

(二)^ 1

(三)^ 

(四)^ F-15EF-15E使

出典

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  1. ^ Knaack, Marcelle Size. Encyclopedia of US Air Force Aircraft and Missile Systems: Volume 1 Post-World War II Fighters 1945-1973. Washington, DC: Office of Air Force History, 1978. ISBN 0-912799-59-5.
  2. ^ a b 世界の駄っ作機 4」岡部ださく著 ISBN 4499229901
  3. ^ F-111 UPDATE Parts 1 and 2
  4. ^ Confidentialfrom R.A. Ericson, Jr. to Mr. Sipes, “Possible F-111-F Sales to Japan,” (February 14, 1972), Japan and the United States, Fiche 01512.

関連項目

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同時代の可変翼を採用した攻撃機・爆撃機

外部リンク

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