アリモドキゾウムシ
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アリモドキゾウムシ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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![]() 成虫 | ||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Cylas formicarius (Fabricius, 1798) | ||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Sweetpotato weevil |
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/3/3d/Cylas_formicarius_larva.jpg/200px-Cylas_formicarius_larva.jpg)
アリモドキゾウムシ (Cylas formicarius) は、コウチュウ目︵鞘翅目︶・ゾウムシ上科・ミツギリゾウムシ科に分類されるゾウムシの一種。日本では、植物防疫法により特殊害虫に指定されており、発生地から未発生地へのサツマイモ類などの寄生される植物の移動が規制されている[1]。また、日本の侵略的外来種ワースト100に選定されている。
分布
インドやミャンマーなどのアジア︵特に東南アジア︶が起源と考えられている[2]。 東南アジアのほか、アフリカ、北アメリカ、中南米、オーストラリアに分布する[3]。日本では、北緯30度以南の南西諸島と小笠原諸島に移入分布する[2]。特徴
体長6mm。 ノアサガオ、コヒルガオ、ハマヒルガオ、グンバイヒルガオ、ルコウソウ、サツマイモなどを食べる[2]。沖縄県における外来種問題
1903年に沖縄県で、1914年に小笠原諸島で発生が確認され始めた[2]。1940年代に奄美群島全域に拡大し、1950年代にトカラ列島全域に拡散した[2]。その後も、1959年に種子島と馬毛島、1965年に鹿児島県本土南部へと北上を続けた[2]。1995年には南西諸島から遠く離れた高知県室戸市で発見されたりもした[4]。 鹿児島県の喜界島では2001年から﹁アリモドキゾウムシ根絶防除事業﹂を開始し、不妊虫を放つのと同時に個体数をできる限り減らすための防除を実施している[1]。島単位での根絶に成功している事例はあるが、再び侵入を繰り返してしまっており、分布拡大防止と防除を含めた日本全体での対策が必要となっている。 沖縄県久米島では、沖縄県病害虫防除技術センターのもと、まず1994年11月から1999年1月にかけて、雄除去法により野生個体群の密度を大幅低下させ、その後、毎週数十から数百万頭、合計で4億6千万頭の不妊虫を久米島全域に放飼し、防除した。 またサツマイモでは、茎12,748本、塊根48,749個を分解調査したところ、1996年11月に寄生率がゼロになった。 野生寄主植物であるノアサガオもまた、580地点、88,333本を分解調査したところ、2011年10月に寄生率がゼロになった。 これらの結果を受け、2012年12月28日に根絶確認調査が終了し、2013年1月11日に沖縄県の那覇植物防疫事務所は﹁実質的に根絶を確認した﹂と発表した。 不妊虫放飼法による甲虫類の根絶は世界初となる[5]。2013年5月22日、那覇市内にあるホテルで久米島アリモドキゾウムシ根絶記念式典が開催された。 また、沖縄県うるま市津堅島では、2021年4月27日にアリモドキゾウムシの根絶が確認され、世界で2例目の事例[6]となった。-
寄生された塊根(イモ)
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食害された塊根(イモ)
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研究者の描いたスケッチ
その他
●2022年10月26日に、静岡県浜松市付近のサツマイモほ場において、アリモドキゾウムシの発生が確認された[7]。2023年3月19日からは植物防疫法に基づく緊急防除を開始。一部のエリアではサツマイモなどの栽培が禁止された。参考文献
(一)^ ab山口卓宏・宮路克彦・和田朋彦・湯田達也・鳩野哲也・西原悟・木村浩司・當直樹・田中 丈雄・中村孝久・里島伸司﹁喜界島におけるアリモドキゾウムシの分布と発生消長﹂﹃九病虫研会報﹄第53巻、2007年、45-49頁、doi:10.4241/kyubyochu.53.45、2011年6月25日閲覧。 (二)^ abcdef山口卓宏﹁奄美群島におけるアリモドキゾウムシの生態と根絶防除に関する研究﹂﹃鹿児島農総セ研報﹄第3巻、2009年、73-146頁、2011年6月25日閲覧。 (三)^ アリモドキゾウムシ 農林水産省(2023年12月18日閲覧) (四)^ 村上興正・鷲谷いづみ︵監修︶ 日本生態学会︵編著︶﹃外来種ハンドブック﹄地人書館、2002年9月30日。ISBN 4-8052-0706-X。 (五)^ Himuro, Chihiro; Kohama, Tsuguo; Matsuyama, Takashi; Sadoyama, Yasutsune; Kawamura, Futoshi; Honma, Atsushi; Ikegawa, Yusuke; Haraguchi, Dai (2022-05-12). “First case of successful eradication of the sweet potato weevil, Cylas formicarius (Fabricius), using the sterile insect technique” (英語). PLOS ONE 17 (5): e0267728. doi:10.1371/journal.pone.0267728. ISSN 1932-6203. PMC 9098069. PMID 35551267. (六)^ Ikegawa, Yusuke; Kawamura, Futoshi; Sadoyama, Yasutsune; Kinjo, Kunio; Haraguchi, Dai; Honma, Atsushi; Himuro, Chihiro; Matsuyama, Takashi (2022-04). “Eradication of sweetpotato weevil, Cylas formicarius , from Tsuken Island, Okinawa, Japan, under transient invasion of males” (英語). Journal of Applied Entomology: jen.13004. doi:10.1111/jen.13004. ISSN 0931-2048. (七)^ “アリモドキゾウムシの県内初確認と対策について|静岡県公式ホームページ”. 静岡県公式ホームページ. 2023年3月23日閲覧。関連項目
●日本の侵略的外来種ワースト100