「オテロ (ヴェルディ)」の版間の差分
表示
削除された内容 追加された内容
→第1幕: 誤字修正 タグ: モバイル編集 モバイルウェブ編集 |
編集の要約なし |
||
1行目:
{{No footnotes|date=2016-11-30}}
{{Portal クラシック音楽}}
﹃'''オテロ'''﹄ * 原語曲名:''Otello''
* 原作:[[ウィリアム・シェイクスピア]]の悲劇『[[オセロ (シェイクスピア)|オセロ]]』
* 台本:[[アッリーゴ・ボーイト]]
* 演奏時間:約2時間20分
* 初演
== 作曲の経緯 ==
16 ⟶ 17行目:
== 舞台構成 ==
全4幕。
* 第
* 第
* 第
* 第4幕 - デズデーモナの寝室
== 編成 ==
=== 主な登場人物 ===
* オテロ
* イヤーゴ
* カッシオ
* ロデリーゴ
* ロドヴィーコ
* モンターノ
* デズデーモナ
* エミーリア
* 合唱
=== 楽器編成 ===
[[フルート]]3(第3奏者[[ピッコロ]]持ち替え)、[[オーボエ]]2、[[コーラングレ]]、[[クラリネット]]2、[[バスクラリネット|バス・クラリネット]]、[[ファゴット]]4、[[ホルン]]4、[[コルネット]]2、[[トランペット]]2、[[トロンボーン]]3、[[バストロンボーン|コントラバス・トロンボーン(チンバッソ)]]、[[ティンパニ]]、[[シンバル]]、[[タムタム]]、[[バスドラム|大太鼓]]、[[ハープ]]、[[弦五部]]
;舞台のバルコニー▼
:[[マンドリン]]、[[ギター]]、[[バグパイプ]]、[[タンブリン]]▼
;舞台裏▼
:トランペット6、トロンボーン4、[[サンダーマシーン]]、[[オルガン]]、大砲▼
『[[ドン・カルロ]]』と同じく[[エクトル・ベルリオーズ|ベルリオーズ]]のフランス風の[[管弦楽法]]の影響が強い。▼
▲; 舞台のバルコニー
==あらすじ==▼
▲: [[マンドリン]]、[[ギター]]、[[バグパイプ]]、[[タンブリン]]
▲; 舞台裏
▲: トランペット6、トロンボーン4、[[サンダーマシーン]]、[[オルガン]]、大砲
▲『[[ドン・カルロ]]』と同じく[[エクトル・ベルリオーズ|ベルリオーズ]]のフランス風の[[管弦楽法]]の影響が強い。
▲== あらすじ ==
時
=== 第1幕 ===
激しい嵐。島の住民が待ちわびる中、オテロに率いられた船団が帰還する。敵、トルコ艦隊は海の藻屑になったとの勝利報告に住民は歓喜する。カッシオが副官になったことを妬むヤーゴは一計を案じ、酒に弱いカッシオにワインを無理強いする。カッシオは悪酔いし醜態を演じたばかりか、喧嘩の仲裁に入ったモンターノを傷付ける。騒ぎを聞いたオテロが戻ってくる。彼は即座にカッシオを罷免、群衆に帰宅を命ずる。舞台にはオテロと妻デズデーモナだけが残り、愛情を確かめ合う美しい二重唱が歌われる。 === 第2幕 ===
副官の座を失ったカッシオに、ヤーゴは﹁デズデモーナに取成しを頼め﹂と提案する。オテロが登場。ヤーゴは、庭園でカッシオとデズデモーナが歓談している様子を、さも二人が不貞を働いているかのようにオテロに信じ込ませる。室内に入ってきたデズデモーナはカッシオの赦免を夫に願うが、心中疑念をもつオテロは耳を貸さない。デズデモーナが落としたハンカチは女中エミーリアが拾ったものの、その夫ヤーゴが脅迫の末手中に入れる。ヤーゴとオテロ二人だけが舞台に残り、オテロは﹁不倫の証拠を見せろ﹂と迫る。ヤーゴは、﹁カッシオが夢の中でデズデモーナを求めていた﹂と作り話をし、また、デズデモーナが愛用していたハンカチ︵それはオテロからの彼女への贈り物だった︶を、カッシオが持っているのを見た、と吹き込む。激怒したオテロは復讐を誓う。 === 第3幕 ===
デズデモーナは事態の進展に気付かず、またもやカッシオの赦免をオテロに願い出て斥けられる。オテロは﹁自分が贈ったハンカチはどこへ行った?﹂と詰問する。もちろん彼女は答えられず、当惑しながら去る。ヤーゴが﹁今カッシオと話をするので物陰で見るように﹂とオテロに勧める。巧みなヤーゴの話術に乗ったカッシオは、自分の恋人ビアンカとの顛末を陽気に語るが、遠くで聞いているオテロは、デズデモーナとの恋物語をしていると思い込む。例のハンカチはヤーゴがあらかじめカッシオ宅に落としておいたのだが、そうとは知らないカッシオは﹁ところでこんな素晴らしいハンカチを拾った﹂などとヤーゴに披露、遠目に見ているオテロは、いよいよ不貞が証明された、と確信してしまう。オテロとヤーゴは相談の末、デズデモーナはオテロが殺めること、カッシオの始末はヤーゴが付けることを決定する。 ヴェネツィアからの使者ロドヴィーコとその一行が来航し、キプロス島の要人が集合する。オテロはヴェネツィアへ帰任となり、後任の総督はカッシオとなることが布告される。嫉妬心に燃えるオテロは公衆の面前で妻デズデモーナを面罵し、自分は憤怒のあまり気絶する。 === 第4幕 ===
デズデモーナは床に就く用意をしている。ここ数日の夫の言動から不吉な予感を覚える彼女は﹁もし死んだら婚礼の衣装で身を包んでほしい﹂と、女中エミーリアに依頼する。オテロが寝室に現れ、カッシオとの姦通を詰責する。デズデモーナは抗弁も空しくオテロに絞殺される。エミーリアが﹁カッシオがロデリーゴを殺した﹂と急を告げに戻ってくるが、デズデモーナが殺されているのを発見、驚いて人々を呼ぶ。エミーリアは﹁夫ヤーゴが私からハンカチを奪った﹂と証言、ロデリーゴが死ぬ前に陰謀の全てを白状した、との事実も明らかになる。形勢不利とみたヤーゴは遁走する。いまや全てを悟ったオテロは短刀で自刃し、妻の遺体に最後の接吻を求めつつ息絶えて、幕。 == 備考 ==
* 登場人物中、ヴェルディが最初に惹かれたのは悪役ヤーゴであった。1882年頃までは、作曲中のこのオペラを彼はしばしば﹃ヤーゴ﹄''Jago''と称している。彼が﹃オテロ﹄と呼ぶことに消極的だったもう1つの理由として、[[ジョアキーノ・ロッシーニ|ロッシーニ]]が既に同名の作品を発表していた︵[[1816年]]︶こともある。ヴェルディはロッシーニをオペラ作曲の大先輩として深く敬愛していた。 * 1887年2月5日、[[ミラノ]]・スカラ座での初演はヨーロッパ音楽界を挙げての一大イヴェント化した観があった。観客の中には、イタリアの作曲家[[フランチェスコ・パオロ・トスティ]]、[[ウィーン]]の著名な音楽評論家[[エドゥアルト・ハンスリック]]などの姿もあった。 * 初演指揮者は、このオペラ制作に﹁チョコレート計画﹂の当初から関与したフランコ・ファッチオ。オテロには﹁スカラ座の遥か遠くまで声が響く﹂と評された[[フランチェスコ・タマーニョ]]、ヤーゴ役には、フランス人ながらヴェルディのお気に入りで、﹃シモン・ボッカネグラ︵改訂版︶﹄、﹃[[ファルスタッフ]]﹄でも初演に加わった[[ヴィクトル・モレル]]が参加した。また、スカラ座の第2チェロ・パートには、当時まだ20歳前の[[アルトゥーロ・トスカニーニ]]もいた。 * オテロ役は傑出したアリアこそないものの、テノール・ドラマティコにとって最大の難役の一つとされる。﹁オテロ歌い﹂として著名な歌手には[[ジョヴァンニ・マルティネッリ]]、[[レナート・ザネッリ]]、[[ラモン・ヴィナイ]]、[[マリオ・デル=モナコ]]、[[ジョン・ヴィッカーズ]]そして[[プラシード・ドミンゴ]]が挙げられる。 * ヤーゴ役も、性格俳優的要素の強い難役とされる。[[ティッタ・ルッフォ]]、[[ティート・ゴッビ]]などが代表的なヤーゴ歌手である。
* 1887年の時点で、本作には﹃[[序曲]]﹄が既に書かれていたが、初演時を含め実際の上演で使用されることはなかった。2009年に、[[リッカルド・シャイー]]の指揮により[http://www.arkivmusic.com/classical/album.jsp?album_id=77065 録音]されている。 == 参考文献 ==
* Julian Budden, "The Operas of Verdi (Volume 3)", Cassell, (ISBN 0-3043-1060-3)
* Marcello Conati & Mario Medici (Ed.), William Weaver (Tr.), "The Verdi-Boito Correspondence", University of Chicago Press (ISBN 0-2268-5304-7)
* 永竹由幸「ヴェルディのオペラ――全作品の魅力を探る」 音楽之友社 (ISBN 4-2762-1046-1)
* 福尾芳昭「二百年の師弟――ヴェルディとシェイクスピア」 音楽之友社 (ISBN 4-2762-1561-7)
{{ヴェルディのオペラ}}
|
2016年11月30日 (水) 10:36時点における版
﹃オテロ﹄ (Otello) は、ジュゼッペ・ヴェルディが作曲した全4幕からなるオペラである。1887年、ミラノ・スカラ座で初演された。﹃オテッロ﹄とも表記される。
●原語曲名‥Otello
●原作‥ウィリアム・シェイクスピアの悲劇﹃オセロ﹄ (Othello)
●台本‥アッリーゴ・ボーイト
●演奏時間‥約2時間20分
●初演‥1887年2月5日、ミラノ・スカラ座にて