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﹃'''人間饑饉'''﹄︵にんげんききん︶は、1931年︵[[昭和]]6年︶に発表された[[村松梢風]]の[[大衆小説]]、[[時代小説]]である<ref name="田中47">[[田中純一郎|田中]][1957], p.47.</ref><ref name="山田386">[[山田宗睦|山田]][1976], p.386.</ref>。新漢字表記﹃'''人間飢饉'''﹄<ref name="山田386" />。それを原作とした1932年︵昭和7年︶製作・公開、[[伊丹万作]]脚本・監督による日本の[[劇映画|長篇劇映画]]、[[サイレント映画]]は、﹃'''闇討渡世'''﹄︵やみうちとせい︶と改題された<ref name="田中47" /><ref name="jmdb">[[#外部リンク|''闇討渡世'']]、[[日本映画データベース]]、2013年1月19日閲覧。</ref><ref name="bunka">[[#外部リンク|''闇討渡世'']]、日本映画情報システム、[[文化庁]]、2013年1月19日閲覧。</ref><ref name="nikkatsu">[[#外部リンク|''闇討渡世'']]、[[日活|日活データベース]]、2013年1月19日閲覧。</ref>。
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﹃'''人間饑饉'''﹄︵にんげんききん︶は、1931年︵[[昭和]]6年︶に発表された[[村松梢風]]の[[大衆小説]]、[[時代小説]]である<ref name="田中47">[[田中純一郎|田中]][1957], p.47.</ref><ref name="山田386">[[山田宗睦|山田]][1976], p.386.</ref>。新漢字表記﹃'''人間飢饉'''﹄<ref name="山田386" />。それを原作とした1932年︵昭和7年︶製作・公開、[[伊丹万作]]脚本・監督による日本の[[劇映画|長篇劇映画]]、[[サイレント映画]]は、﹃'''闇討渡世'''﹄︵やみうちとせい︶と改題された<ref name="田中47" /><ref name="jmdb">[[#外部リンク|''闇討渡世'']]、[[日本映画データベース]]、2013年1月19日閲覧。</ref><ref name="bunka">[[#外部リンク|''闇討渡世'']]、日本映画情報システム、[[文化庁]]、2013年1月19日閲覧。</ref><ref name="nikkatsu">[[#外部リンク|''闇討渡世'']]、[[日活|日活データベース]]、2013年1月19日閲覧。</ref>。
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== 略歴・概要 == |
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小説﹃人間饑饉﹄は、1931年4月 - 同年7月、[[毎日新聞]]に連載された[[新聞小説]]である<ref name="山田386" />。村松梢風は、剣豪[[平手造酒]]を主人公に、民衆の反抗、大名の乱脈ぶりを左翼用語を交えた文体で記述した。翌1932年、[[春陽堂]]の﹁日本小説文庫﹂の1冊として、﹃平手造酒 人間飢饉﹄の題で単行本が発刊し、同作の最初の書籍となった<ref>[ |
小説﹃人間饑饉﹄は、1931年4月 - 同年7月、[[毎日新聞]]に連載された[[新聞小説]]である<ref name="山田386" />。村松梢風は、剣豪[[平手造酒]]を主人公に、民衆の反抗、大名の乱脈ぶりを左翼用語を交えた文体で記述した。翌1932年、[[春陽堂]]の﹁日本小説文庫﹂の1冊として、﹃平手造酒 人間飢饉﹄の題で単行本が発刊し、同作の最初の書籍となった<ref>[https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I025131869-00 人間飢饉 : 平手造酒]、[[国立国会図書館]]、2013年1月19日閲覧。</ref><ref name="ndl">[https://iss.ndl.go.jp/ 国立国会図書館サーチ] 検索結果、国立国会図書館、2013年1月19日閲覧。</ref>。
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映画化作品『'''闇討渡世'''』については、小説連載終了のほぼ1年後、翌年6月3日に公開された<ref name="田中47" /><ref name="jmdb" /><ref name="bunka" /><ref name="nikkatsu" />。これは、村松作品において、『[[次郎長裸道中記]]』（監督[[益田晴夫]]、主演[[葛木香一]]、1931年）に次ぐ史上2番目の映画化であった<ref>{{jmdb name|0245550|村松梢風}}、2013年1月19日閲覧。</ref>。 |
映画化作品『'''闇討渡世'''』については、小説連載終了のほぼ1年後、翌年6月3日に公開された<ref name="田中47" /><ref name="jmdb" /><ref name="bunka" /><ref name="nikkatsu" />。これは、村松作品において、『[[次郎長裸道中記]]』（監督[[益田晴夫]]、主演[[葛木香一]]、1931年）に次ぐ史上2番目の映画化であった<ref>{{jmdb name|0245550|村松梢風}}、2013年1月19日閲覧。</ref>。 |
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== ビブリオグラフィ == |
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伊丹自身は、1937年（昭和12年）7月、北川冬彦が編集する『季刊シナリオ研究』第2号に発表したエッセイ『「闇討渡世」に就て』において「今まで一番力を入れた仕事はと聞かれたら私は『闇討渡世』をあげる。そして結果としての反響が努力に反比例したのも『闇討渡世』だ」と述懐している<ref name="全集238">伊丹[1961.8], p.238-239.</ref>。 |
伊丹自身は、1937年（昭和12年）7月、北川冬彦が編集する『季刊シナリオ研究』第2号に発表したエッセイ『「闇討渡世」に就て』において「今まで一番力を入れた仕事はと聞かれたら私は『闇討渡世』をあげる。そして結果としての反響が努力に反比例したのも『闇討渡世』だ」と述懐している<ref name="全集238">伊丹[1961.8], p.238-239.</ref>。 |
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2013年（[[平成]]25年）1月現在、[[東京国立近代美術館フィルムセンター]]も、[[マツダ映画社]]も、映画『闇討渡世』の上映用プリントを所蔵しておらず、現存していないとみなされるフィルムである<ref name="momat" /><ref name="matsuda" />。本作の脚本については、1961年（昭和36年）11月15日に発行された『伊丹万作全集 第3巻』（[[筑摩書房]]）に収録されている<ref name="全集109" />。 |
2013年︵[[平成]]25年︶1月現在、[[東京国立近代美術館フィルムセンター]]も、[[マツダ映画社]]も、映画﹃闇討渡世﹄の上映用プリントを所蔵しておらず、現存していないとみなされるフィルムである<ref name="momat">[http://nfcd.momat.go.jp/ 所蔵映画フィルム検索システム]、[[東京国立近代美術館フィルムセンター]]、2013年1月19日閲覧。</ref><ref name="matsuda">[http://www.matsudafilm.com/matsuda/e_pages/e_a_2j.html 主な所蔵リスト 劇映画 邦画篇]、[[マツダ映画社]]、2013年1月19日閲覧。</ref>。本作の脚本については、1961年︵昭和36年︶11月15日に発行された﹃伊丹万作全集 第3巻﹄︵[[筑摩書房]]︶に収録されている<ref name="全集109">[[伊丹万作|伊丹]][1961.11], p.109.</ref>。
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=== スタッフ・作品データ === |
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* 製作 : [[片岡千恵蔵プロダクション]] |
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* 上映時間（巻数 / メートル） : 123分（16巻 / 3,381メートル）<ref name="nikkatsu" /> |
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* 公開日 : {{JPN}} [[1932年]][[6月3日]] |
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* 『[[日本映画発達史 I 活動写真時代]]』、[[田中純一郎]]、[[中央公論社]]、1957年 / [[中公文庫]]、1975年12月10日 ISBN 4122002850 |
* 『[[日本映画発達史 I 活動写真時代]]』、[[田中純一郎]]、[[中央公論社]]、1957年 / [[中公文庫]]、1975年12月10日 ISBN 4122002850 |
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* 『伊丹万作全集 第2巻』、[[伊丹万作]]、[[筑摩書房]]、1961年8月20日 |
* 『伊丹万作全集 第2巻』、[[伊丹万作]]、[[筑摩書房]]、1961年8月20日 |
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* 『伊丹万作全集 第3巻』、伊丹万作、筑摩書房、1961年11月15日 |
* 『伊丹万作全集 第3巻』、伊丹万作、[[筑摩書房]]、1961年11月15日 |
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* 『隠れた日本人 - 山田宗睦著作集』、[[山田宗睦]]、[[三一書房]]、1976年 |
* 『隠れた日本人 - 山田宗睦著作集』、[[山田宗睦]]、[[三一書房]]、1976年 |
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* 『映画作家伊丹万作』、[[冨士田元彦]]、筑摩書房、1985年11月 ISBN 4480870784 |
* 『映画作家伊丹万作』、[[冨士田元彦]]、筑摩書房、1985年11月 ISBN 4480870784 |
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== 外部リンク == |
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2022年10月19日 (水) 10:45時点における最新版
略歴・概要[編集]
小説﹃人間饑饉﹄は、1931年4月 - 同年7月、毎日新聞に連載された新聞小説である[2]。村松梢風は、剣豪平手造酒を主人公に、民衆の反抗、大名の乱脈ぶりを左翼用語を交えた文体で記述した。翌1932年、春陽堂の﹁日本小説文庫﹂の1冊として、﹃平手造酒 人間飢饉﹄の題で単行本が発刊し、同作の最初の書籍となった[6][7]。 映画化作品﹃闇討渡世﹄については、小説連載終了のほぼ1年後、翌年6月3日に公開された[1][3][4][5]。これは、村松作品において、﹃次郎長裸道中記﹄︵監督益田晴夫、主演葛木香一、1931年︶に次ぐ史上2番目の映画化であった[8]。ビブリオグラフィ[編集]
国立国会図書館蔵書による収録書籍の一覧である[7]。- 『平手造酒 人間飢饉』、日本小説文庫、春陽堂、1932年
- 『新選大衆小説全集 第19巻』、非凡閣、1935年
- 『人間飢饉』、三河書房、1948年
- 『大衆文学大系 16 大仏次郎・村松梢風』、大仏次郎・村松梢風、監修大仏次郎・川口松太郎・木村毅、講談社、1972年
映画[編集]
| 闇討渡世 | |
|---|---|
| 監督 | 伊丹万作 |
| 脚本 | 伊丹万作 |
| 原作 | 村松梢風 |
| 出演者 |
片岡千恵蔵 山田五十鈴 市川小文治 |
| 撮影 | 石本秀雄 |
| 製作会社 | 片岡千恵蔵プロダクション |
| 配給 |
 日活 |
| 公開 |
1932年6月3日 |
| 上映時間 | 123分 |
| 製作国 |
日本 |
| 言語 | 日本語 |
略歴・概要[編集]
1931年︵昭和6年︶4月 - 同年7月、毎日新聞に連載された[2]、村松梢風による新聞小説﹃人間饑饉﹄を原作に、翌1932年1月14日に公開された﹃國士無双﹄の次作として、伊丹万作が脚本を書き上げて撮影に入り、日活が配給して同年6月3日に公開された[1][3][4][5]。本作公開におけるメイン館である浅草公園六区・富士館では、日活太秦撮影所製作、倉田文人監督、谷幹一主演による現代劇﹃とかく女と言ふものは﹄が同日封切られた[9]。 伊丹は、前作﹃國士無双﹄のもつ諧謔と風刺の精神を継続し、片岡千恵蔵演じる主人公・平手造酒の孤独を描いた[10]。千葉周作を市川小文治が演じ、ヒロインは前作に引き続き山田五十鈴、ほかにも前作に引き続き、高勢実乗、瀬川路三郎、渥美秀一郎、林誠之助、矢野武男、香川良介が出演している[3][5][11]。 映画史家の田中純一郎は、リアルタイムで本作を観ており、﹁流行の傾向映画に同調したとはいえ、しかも懐疑的人生観を持った﹂﹁伊丹の時代批判﹂の存在を指摘している[1]。北川冬彦も、前作﹃國士無双﹄から本作、次作﹃研辰の討たれ﹄への流れにおける人物像の描き方について、本作を高く評価していた[12]。冨士田元彦は、リアルタイムで観ることができていないが、残された脚本を分析し、浅香新八郎演じる﹁香月梓﹂、片岡の﹁平手造酒﹂、葛木香一演じる﹁吉五郎﹂の描く人物の三角形に、本作のテーマが現れていることを指摘している[13]。 伊丹自身は、1937年︵昭和12年︶7月、北川冬彦が編集する﹃季刊シナリオ研究﹄第2号に発表したエッセイ﹃﹁闇討渡世﹂に就て﹄において﹁今まで一番力を入れた仕事はと聞かれたら私は﹃闇討渡世﹄をあげる。そして結果としての反響が努力に反比例したのも﹃闇討渡世﹄だ﹂と述懐している[14]。 2013年︵平成25年︶1月現在、東京国立近代美術館フィルムセンターも、マツダ映画社も、映画﹃闇討渡世﹄の上映用プリントを所蔵しておらず、現存していないとみなされるフィルムである[15][16]。本作の脚本については、1961年︵昭和36年︶11月15日に発行された﹃伊丹万作全集 第3巻﹄︵筑摩書房︶に収録されている[17]。スタッフ・作品データ[編集]
- 製作 : 片岡千恵蔵プロダクション
- 上映時間（巻数 / メートル） : 123分（16巻 / 3,381メートル）[5]
- フォーマット : 白黒映画 - スタンダードサイズ（1.37:1） - 18fps - サイレント映画
- 公開日 :
日本 1932年6月3日 - 配給 : 日活
- 初回興行 : 浅草公園六区・富士館
- 同時上映 : 『とかく女と言ふものは』（監督倉田文人、主演谷幹一）
キャスト[編集]
脚注[編集]
参考文献[編集]
- 『映画への誘い』、北川冬彦、温故堂、1952年
- 『日本映画発達史 I 活動写真時代』、田中純一郎、中央公論社、1957年 / 中公文庫、1975年12月10日 ISBN 4122002850
- 『伊丹万作全集 第2巻』、伊丹万作、筑摩書房、1961年8月20日
- 『伊丹万作全集 第3巻』、伊丹万作、筑摩書房、1961年11月15日
- 『隠れた日本人 - 山田宗睦著作集』、山田宗睦、三一書房、1976年
- 『映画作家伊丹万作』、冨士田元彦、筑摩書房、1985年11月 ISBN 4480870784
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- Yamiuchi tosei - IMDb（英語）
- 闇討渡世 - 日本映画情報システム （文化庁）
- 闇討渡世 - 日本映画データベース
- 闇討渡世 - KINENOTE
- 闇討渡世 - 日活データベース（日活）
- 世界大百科事典『《闇討渡世》』 - コトバンク
