「日本南極探検」の版間の差分
Wakuwaku99 (会話 | 投稿記録) m →外部リンク |
|||
(10人の利用者による、間の13版が非表示) | |||
32行目: | 32行目: | ||
== 略歴・概要 == |
== 略歴・概要 == |
||
[[白瀬矗]]は1910年︵明治43年︶11月28日に南極探検を開始、その後天候の不順から[[オーストラリア]]の[[シドニー]]に一時戻っていた<ref name="pordenone" /><ref name="waseda" />。同探検のスポンサーである[[大隈重信]]は、映画会社であるM・パテー商会を経営する梅屋庄吉にドキュメンタリー映画の撮影を依頼、梅屋は同社の撮影技師[[田泉保直]]をシドニーに派遣、随行させて﹁第二次南極探検﹂の撮影を行った<ref name="pordenone" /><ref name="waseda" />。田泉は同隊に随行する全期間で、[[35mmフィルム]]を4,000フィート回した<ref name="pordenone" />。撮影機材は、{{仮リンク|ワーウィック貿易|en|Warwick Trading Company}}の[[ワーウィック撮影機]]<ref name="pordenone" /><ref> |
[[白瀬矗]]は1910年︵明治43年︶11月28日に南極探検を開始、その後天候の不順から[[オーストラリア]]の[[シドニー]]に一時戻っていた<ref name="pordenone" /><ref name="waseda" />。同探検のスポンサーである[[大隈重信]]は、映画会社であるM・パテー商会を経営する梅屋庄吉にドキュメンタリー映画の撮影を依頼、梅屋は同社の撮影技師[[田泉保直]]をシドニーに派遣、随行させて﹁第二次南極探検﹂の撮影を行った<ref name="pordenone" /><ref name="waseda" />。田泉は同隊に随行する全期間で、[[35mmフィルム]]を4,000フィート回した<ref name="pordenone" />。撮影機材は、{{仮リンク|ワーウィック貿易|en|Warwick Trading Company}}の[[ワーウィック撮影機]]<ref name="pordenone" /><ref>{{Cite web|和書| url = http://www.momat.go.jp/FC/JapaneseFilmHeritage/index.html | title = 展覧会 映画遺産 | publisher = [[東京国立近代美術館フィルムセンター]] | accessdate = 2012年5月16日 | archiveurl = https://web.archive.org/web/20220816145748/http://archive.momat.go.jp/FC/JapaneseFilmHeritage/index.html | archivedate = 2022-08-16 }}</ref>。
|
||
本作は、1912年に完成し、同年[[6月28日]]、M・パテー商会が配給して、[[浅草]]の[[ |
本作は、1912年に完成し、同年[[6月28日]]、M・パテー商会が配給して、[[浅草]]の[[浅草国技館|国技館]]で公開した<ref name="pordenone" /><ref name="jmdb" />。同年9月1日には、同社は他3社と合併して[[日活]]となった。日活は、同年11月15日に、[[浅草公園六区]]の[[大勝館]]を筆頭に﹃南極探検﹄という映画を公開しているが、これは[[牧野省三]]監督、[[尾上松之助]]主演の劇映画であり、本作とは異なる<ref>{{JMDb title|1912|an003600|南極探検}}。2012年5月16日閲覧。</ref><ref>{{Japanese-cinema-db|30359|南極探検}}。2012年5月16日閲覧。</ref>。
|
||
その後、白瀬は本作のフィルムプリントを使用しての講演を行い続けた<ref name="pordenone" />。 |
その後、白瀬は本作のフィルムプリントを使用しての講演を行い続けた<ref name="pordenone" />。 |
||
2012年(平成24年)5月現在、[[東京国立近代美術館フィルムセンター]]、[[早稲田大学]]の両者が上映用プリントを所蔵している<ref name="pordenone" /><ref name="waseda" />。前者は35mmフィルム・20分、後者は16mmフィルム・15分である<ref name="pordenone" /><ref name="waseda" />。フィルムセンターのプリントは、2001年(平成13年)にイタリア・[[ポルデノーネ]]で行われた第20回[[ポルデノーネ無声映画祭]]で上映されている<ref name="pordenone" />。 |
2012年(平成24年)5月現在、[[東京国立近代美術館フィルムセンター]]、[[早稲田大学]]の両者が上映用プリントを所蔵している<ref name="pordenone" /><ref name="waseda" />。前者は35mmフィルム・20分、後者は16mmフィルム・15分である<ref name="pordenone" /><ref name="waseda" />。フィルムセンターのプリントは、2001年(平成13年)にイタリア・[[ポルデノーネ]]で行われた第20回[[ポルデノーネ無声映画祭]]で上映されている<ref name="pordenone" />。 |
||
2007年度(平成19年度)に文化庁と東京国立近代美術館が行った「近代歴史資料緊急調査」で、探検隊支援者の遺族が所持していた851メートル(5巻・現存最長)の可燃性染調色ポジフィルムが発見され、このフィルムは1940年に検閲を通過したもので、長さも原形(857メートル)をとどめていることが判明した。2015年度(平成27年度)に東京国立近代美術館によってフィルムの不燃化とデジタル修復が行われ、[[2016年]][[11月24日]]に東京国立近代美術館フィルムセンターで特別上映会が行われた<ref name="NFAJ2016">{{Cite web|和書| url = https://www.nfaj.go.jp/exhibition/special2016/ | title = 『日本南極探檢』デジタル復元版特別上映会 | publisher = [[国立映画アーカイブ]] | accessdate = 2023-05-23 }}</ref>。 |
|||
== スタッフ・作品データ == |
== スタッフ・作品データ == |
||
46行目: | 48行目: | ||
* 製作 : [[M・パテー商会]] |
* 製作 : [[M・パテー商会]] |
||
* 上映時間(巻数 / メートル) : 約20分<ref>Film Calculator換算結果、[[コダック]]、2012年5月16日閲覧。</ref>(1巻<ref name="bunka" /> / 1,210尺 / 366メートル<ref>[[Google]]による尺単位からの換算結果、2012年5月16日閲覧。</ref>) |
* 上映時間(巻数 / メートル) : 約20分<ref>Film Calculator換算結果、[[コダック]]、2012年5月16日閲覧。</ref>(1巻<ref name="bunka" /> / 1,210尺 / 366メートル<ref>[[Google]]による尺単位からの換算結果、2012年5月16日閲覧。</ref>) |
||
** デジタル復元版 : 約49分(5巻 / 851メートル)<ref name="NFAJ2016" /> |
|||
* フォーマット : [[白黒映画]] - [[画面アスペクト比#スタンダード |
* フォーマット : [[白黒映画]] - [[画面アスペクト比#スタンダードサイズ|スタンダードサイズ]](1.37:1) - 16fps - [[サイレント映画]] |
||
* 映倫番号 : なし<ref name="bunka" /> |
* 映倫番号 : なし<ref name="bunka" /> |
||
* 公開日 : {{JPN}} [[1912年]][[6月28日]] |
* 公開日 : {{JPN}} [[1912年]][[6月28日]] |
||
65行目: | 68行目: | ||
== 外部リンク == |
== 外部リンク == |
||
* {{imdb title|0342837|Nippon nankyoku tanken}} |
* {{imdb title|0342837|Nippon nankyoku tanken}} |
||
* {{Japanese-cinema-db|30206|南極実景}} |
|||
<!-- * [http://202.236.109.20/det.php?mode=2&data_id=***** 日本南極探検] - [[東京国立近代美術館フィルムセンター]] --> |
|||
* |
* {{Japanese-cinema-db|41237|日本南極探検}} |
||
* {{JMDb title|1912|an002120|南極実景}} |
|||
<!-- * [http://db.eiren.org/contents/0**********.html 日本南極探検] - 映連データベース ([[日本映画製作者連盟]]) --> |
|||
* [ |
* [https://meiji.filmarchives.jp/works/02.html 日本南極探検] - 映像でみる明治の日本([[国立映画アーカイブ]])、映画を視聴できる。 |
||
<!-- * [http://www.kinejun.jp/cinema/id/***** 日本南極探検] - [[キネマ旬報映画データベース]] |
|||
* [http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=****** 日本南極探検] - [[allcinema ONLINE]] --> |
|||
* [http://www.cinetecadelfriuli.org/gcm/ed_precedenti/screenings_recorden.php?ID=4782 ''NIPPON NANKYOKU TANKEN''] - [[ポルデノーネ無声映画祭]] {{en icon}} |
* [http://www.cinetecadelfriuli.org/gcm/ed_precedenti/screenings_recorden.php?ID=4782 ''NIPPON NANKYOKU TANKEN''] - [[ポルデノーネ無声映画祭]] {{en icon}} |
||
* [ |
* [https://www.wul.waseda.ac.jp/collect/other/av8t-83.html 日本南極探検(白瀬南極探検隊ドキュメントフィルム)] - [[早稲田大学]] |
||
* [https://www.nfaj.go.jp/exhibition/special2016/ 『日本南極探檢』デジタル復元版特別上映会] - [[国立映画アーカイブ]] |
|||
* {{Movielink|imdb|0342837|Japanese Expedition to Antarctica}} |
|||
{{DEFAULTSORT:につほんなんきよくたんけん}} |
{{DEFAULTSORT:につほんなんきよくたんけん}} |
||
[[Category:1912年の映画]] |
[[Category:1912年の映画]] |
||
[[Category:日本の短編映画]] |
[[Category:日本の短編映画]] |
||
[[Category:日本の白黒映画]] |
|||
[[Category:日本のサイレント映画]] |
|||
[[Category:日本のドキュメンタリー映画]] |
[[Category:日本のドキュメンタリー映画]] |
||
[[Category:南極を舞台とした映画作品]] |
[[Category:南極を舞台とした映画作品]] |
||
[[Category:日活製作の映画作品]] |
[[Category:日活製作の映画作品]] |
||
[[Category:白瀬矗]] |
|||
[[Category:国立映画アーカイブ]] |
|||
[[Category:明治時代を舞台とした映画作品]] |
|||
[[Category:1910年代を舞台とした映画作品]] |
2024年2月24日 (土) 16:33時点における最新版
日本南極探検 | |
---|---|
Japanese Expedition to Antarctica | |
![]() 白瀬矗。 | |
製作 | 梅屋庄吉 |
出演者 | 白瀬矗 |
撮影 | 田泉保直 |
製作会社 | M・パテー商会 |
配給 |
![]() |
公開 |
![]() |
上映時間 | 20分 |
製作国 |
![]() |
言語 | 日本語 |
略歴・概要[編集]
白瀬矗は1910年︵明治43年︶11月28日に南極探検を開始、その後天候の不順からオーストラリアのシドニーに一時戻っていた[1][3]。同探検のスポンサーである大隈重信は、映画会社であるM・パテー商会を経営する梅屋庄吉にドキュメンタリー映画の撮影を依頼、梅屋は同社の撮影技師田泉保直をシドニーに派遣、随行させて﹁第二次南極探検﹂の撮影を行った[1][3]。田泉は同隊に随行する全期間で、35mmフィルムを4,000フィート回した[1]。撮影機材は、ワーウィック貿易のワーウィック撮影機[1][5]。 本作は、1912年に完成し、同年6月28日、M・パテー商会が配給して、浅草の国技館で公開した[1][4]。同年9月1日には、同社は他3社と合併して日活となった。日活は、同年11月15日に、浅草公園六区の大勝館を筆頭に﹃南極探検﹄という映画を公開しているが、これは牧野省三監督、尾上松之助主演の劇映画であり、本作とは異なる[6][7]。 その後、白瀬は本作のフィルムプリントを使用しての講演を行い続けた[1]。 2012年︵平成24年︶5月現在、東京国立近代美術館フィルムセンター、早稲田大学の両者が上映用プリントを所蔵している[1][3]。前者は35mmフィルム・20分、後者は16mmフィルム・15分である[1][3]。フィルムセンターのプリントは、2001年︵平成13年︶にイタリア・ポルデノーネで行われた第20回ポルデノーネ無声映画祭で上映されている[1]。 2007年度︵平成19年度︶に文化庁と東京国立近代美術館が行った﹁近代歴史資料緊急調査﹂で、探検隊支援者の遺族が所持していた851メートル︵5巻・現存最長︶の可燃性染調色ポジフィルムが発見され、このフィルムは1940年に検閲を通過したもので、長さも原形︵857メートル︶をとどめていることが判明した。2015年度︵平成27年度︶に東京国立近代美術館によってフィルムの不燃化とデジタル修復が行われ、2016年11月24日に東京国立近代美術館フィルムセンターで特別上映会が行われた[8]。スタッフ・作品データ[編集]
- 製作 : M・パテー商会
- 上映時間(巻数 / メートル) : 約20分[9](1巻[2] / 1,210尺 / 366メートル[10])
- デジタル復元版 : 約49分(5巻 / 851メートル)[8]
- フォーマット : 白黒映画 - スタンダードサイズ(1.37:1) - 16fps - サイレント映画
- 映倫番号 : なし[2]
- 公開日 :
日本 1912年6月28日
- 配給 :
M・パテー商会
- 初回興行 : 浅草・国技館
脚注[編集]
参考文献[編集]
- 白瀬矗『私の南極探検記』、日本図書センター、1998年8月25日 ISBN 4820543067
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- Nippon nankyoku tanken - IMDb(英語)
- 南極実景 - 文化庁日本映画情報システム
- 日本南極探検 - 文化庁日本映画情報システム
- 南極実景 - 日本映画データベース
- 日本南極探検 - 映像でみる明治の日本(国立映画アーカイブ)、映画を視聴できる。
- NIPPON NANKYOKU TANKEN - ポルデノーネ無声映画祭 (英語)
- 日本南極探検(白瀬南極探検隊ドキュメントフィルム) - 早稲田大学
- 『日本南極探檢』デジタル復元版特別上映会 - 国立映画アーカイブ