ろくろ首 (落語)
ろくろ首︵ろくろくび︶は、古典落語の演目[1]。1905年︵明治38年︶に初代三遊亭圓左が新作落語として演じたが、万延2年のネタ帳﹁風流昔噺﹂に記録があるため、東大落語会は上方からの移植と推測している[1]。
あらすじ[編集]
与太郎は伯父︵あるいは隠居︶に縁談を持ちかけられる。婿養子になるが、相手は資産家の娘で、器量も良いと言う。しかし、1つだけ欠点があると言い、深夜︵丑三つ時︶になると首が伸びるのだという。それはろくろ首じゃないかと与太郎は言いつつも、どうせ夜中なら寝てて見ないから縁談を受けると答える。 紆余曲折の末に縁談がまとまり、ついに初夜を迎える。しかし、与太郎は女房の首が気になって寝付けない。ついに深夜になって、ふと隣を見ると、事前の話通り首が伸びるところを目撃してしまう。思わず、与太郎は叫び声を上げて家を飛び出した。 与太郎は伯父の家に向かい、抗議する。しかし、伯父も、事前に話した通りじゃないかと窘め、とりあえず、一度、屋敷に帰るように言う。そこで与太郎は、せめて夏だけは養子を止めさせて欲しいと頼む。なぜだと聞く伯父に与太郎は答える。 ﹁首の出入りに蚊が入って困る﹂︵首が蚊帳を抜けるため︶その他のバリエーション[編集]
4代目柳家小さんは、実家に帰るという男に対し、伯父︵隠居︶が﹁母親が孫の顔が見られる﹄と喜び、首を長くして待っているはずだ﹂と諭したところで﹁それじゃあ実家にも帰れねえ﹂というサゲを用いた。また、3代目桂三木助は、家に帰る気になるも相手が怒ってないかと心配する男に対し、伯父︵隠居︶が﹁怒ってないさ、きっとお前を待っているよ﹂と諭し、男がどのように待っているのかと訪ね返すと﹁首を長くして待っている﹂ と答えるサゲを用いた。脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ a b 東大落語会 1969, pp. 463–464, 『ろくろ首』.
参考文献[編集]
- 東大落語会『落語事典 増補』(改訂版(1994))青蛙房、1969年。ISBN 4-7905-0576-6。