クライン=仁科の公式
クライン=仁科の公式︵クライン=にしなのこうしき、英: Klein-Nishina's formula︶は、量子電磁力学の最低次での、束縛を受けていない自由電子による光散乱の散乱断面積を与える関係式である。可視光など低周波数領域ではトムソン散乱となり、X線やガンマ線などの高周波数領域ではコンプトン散乱となる。1929年にスウェーデンの物理学者であるオスカル・クラインと日本の物理学者である仁科芳雄の2氏により導かれた[1]。これはディラック方程式を用いた量子電磁力学による初期の研究成果であり、相対論と量子論の効果を考慮する事で光散乱の精密な関係式が得られたものである。