レガトゥス
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レガトゥス︵ラテン語: legatus、レーガートゥス︶は、ラテン語で使者・使節、または軍隊の副官・司令官などの高級将校・幕僚を指す単語である。﹁総督代理﹂などとも訳される。
レガトゥスは、外交の使者としてだけでなく、独自に軍隊を動かすことがあったが、紀元前2世紀から、ローマ軍団の補佐として任命されることが増えた[1]。元老院議員クラス、財務官︵クァエストル︶や法務官︵プラエトル︶クラスなどから元老院により任命されることになっていた。階級としては、ローマ帝政後期のドゥクス︵dux︶よりも下位であり、トリブヌス︵tribunus︶よりも上位であったとされている。
語義[編集]
レーガートゥス︵legatus︶は、ラテン語で﹁派遣する﹂を意味する動詞﹁レーゴー﹂︵lego︶の完了分詞であり、﹁派遣される者﹂すなわち﹁使者・使節﹂を意味する。また、﹁委任する﹂という意味もあり、軍隊においては軍団︵レギオー、legio︶の指揮者に任命された﹁軍団長﹂や﹁総督代理﹂などを意味する。﹃ガリア戦記﹄︵例えば、第1巻47節︶などの古典作品には、両方の意味で出てくることがあるが、文脈によって解釈する必要がある。帝政期[編集]
元首政が始まると、軍団司令官︵レガトゥス・レギオニス︶、元老院管轄属州副官︵レガトゥス・プロコンスリス︶、皇帝管轄属州長官︵レガトゥス・アウグスティ・プロ・プロエタレ・プロウィンキア︶などに細分化され、政務官の一つとして制定された[2]。出典[編集]
参考文献[編集]
- 比佐篤「<シンポジウム>ヘレニズム世界の紛争と共和政期ローマの進出」『関学西洋史論集』第36巻、関西学院大学、2013年、13 - 21頁。