ロベルト・リッター
ロベルト・リッター︵Robert Ritter, 1901年5月14日 - 1951年4月15日) は、ドイツの心理学者、医師。
経歴[編集]
アーヘン生まれ。1927年に論文﹁教育における性問題﹂でミュンヘン大学より教育心理学博士号を、1930年には論文﹁アレルギー性特異体質の遺伝について﹂でハイデルベルク大学より医学博士号を受けた。連合国側資料によると、1934年7月に国家社会主義ドイツ労働者党︵ナチ党︶に加盟している。1935年、﹁混血ジプシーの遺伝学的研究﹂を発表、また教授資格論文として﹁浮浪者・詐欺師・盗賊の末裔に関する遺伝学的研究﹂を提出。 1936年、帝国衛生局付属人種優生学・人口生物学研究所 に所属。連合国側資料によれば同年に親衛隊に加入している。1941年にはロマ民族に関する研究がナチス・ドイツのロマ虐殺政策を推し進める論拠として使用された。 1942年に国家保安本部犯罪生物学研究所 (Criminal Biological Institute) へ、1943年に帝国公衆衛生局への所属を経て、1945年にフランクフルト・アム・マイン市公衆衛生局所属。1947年には同市職員となった。 1948年から1950年8月にかけ、ポライモス政策の生存者の依頼によって、フランクフルト検察局はリッターのナチ時代の活動について調査を行った。裁判においてリッターは﹁ジプシーは現実と空想との区別ができない﹂と述べ、裁判所は﹁証人となった“ジプシー”の証言は信憑性に欠ける﹂として訴訟は中止となった。 1951年4月15日、オーバーウアゼル (Oberursel) のホーエマルク精神診療所 (Hohemark psychiatric clinic) で高血圧の合併症により死去。ヘルマン・アルノルトによって死亡証明書が発行された。参考文献[編集]
- 金子マーティン編『「ジプシー収容所」の記憶 ロマ民族とホロコースト』岩波書店、1998年
- Schmidt-Degenhard, Tobias Joachim (2008). Robert Ritter 1901 - 1951. Zu Leben und Werk des NS-"Zigeunerforschers". Tübingen