ワレモコウ属
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ワレモコウ属 | ||||||||||||||||||||||||
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シロバナトウウチソウ(早池峰山) | ||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Sanguisorba L.[1] | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
ワレモコウ属(吾木香属)[2] | ||||||||||||||||||||||||
種 | ||||||||||||||||||||||||
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ワレモコウ属︵学名‥Sanguisorba、和名漢字表記‥吾木香属︶はバラ科の属の一つ[1][2]。
特徴[編集]
多年草。地下の根茎は肥厚する。葉は根生し、茎につく葉は互生する。葉は奇数羽状複葉で葉柄があり、小葉の縁に鋸歯がある。花序は球形から円柱形をした穂状花序で、密に花をつける。花序の先端側から基部側に咲き進むものと、その逆に花序の基部側から先端側に咲き進むものがある。花は両性であるか、または単性になる傾向があり、花柄はなく、小型で、小型の苞と小苞がつく。花弁はない。萼筒は4稜または4翼があり、萼裂片は4個で花弁状になり、白色、帯緑色、帯紅色、暗紅色になる。雄蕊は4-12個あり、花糸は糸状または扁平になり、花後には落ちる。子房は下位で萼筒に包まれ、1個の胚珠があり、柱頭はふさ状になる。果実は痩果で、やや革質になる[1]。分布[編集]
アジア、ヨーロッパ、北アメリカに約30種あり[3]、日本には約7種が分布する[1]。種[編集]
日本に分布する種[編集]
●シロバナトウウチソウ Sanguisorba albiflora (Makino) Makino – 日本固有種。本州の東北地方に分布し、高山帯の草地に生育する。花は白色で、ときに紅色を帯び、花序は直立するかやや下を向き、花序の上部から開花する[1][4][5]。 ●カライトソウ Sanguisorba hakusanensis Makino -日本固有種。本州の中部地方の日本海側に分布し、高山帯に生育する。花は紅紫色で、花序は垂れ下がり、花序の上部から開花する[1][4][5]。 ●エゾトウウチソウ︵エゾノトウウチソウ︶ Sanguisorba japonensis (Makino) Kudô - 北海道日高山脈の固有種で、高山の湿った岩場や川原などに生育する。花は紅紫色で、花序は長く、垂れ下がり、花序の基部から開花する[1]。絶滅危惧IB類(EN) ︵2012年環境省レッドリスト︶。 ●ミヤマワレモコウ Sanguisorba longifolia Bertol. - 日本では、北海道︵日高地方︶、本州︵秋田県・福島県南西部から岐阜県北部︶に分布し、低山帯から亜高山帯の湿原や湿った草地に生育する。国外では、朝鮮半島、中国大陸に分布する。花は暗紫色で、花序は直立し、花序の上部から開花する。雄蕊は萼裂片より長く、花外に出る[5]。 ●ナンブトウウチソウ Sanguisorba obtusa Maxim. - 岩手県早池峰山の特産種で、高山帯の草地に生育する。花は淡紅色で、花序は垂れ下がり、花序の上部から開花する[1][4]。絶滅危惧IB類(EN) ︵2012年環境省レッドリスト︶。 ●ワレモコウ Sanguisorba officinalis L. - 日本では、北海道、本州、四国、九州に分布し、日当たりのよい丘や山地の草原に普通に生育する。国外では、樺太、朝鮮半島、中国大陸、シベリアからヨーロッパに広く分布する。花は暗紅色で、花序は直立し、花序の上部から開花する。雄蕊は萼裂片と同長で、花外に出ない[1][4]。 ●タカネトウウチソウ Sanguisorba stipulata Raf. - 日本では、北海道、本州の関東地方・中部地方に分布し、高山帯の草地に生育する。シロバナトウウチソウが分布する東北地方にはない。国外では、朝鮮半島北部、樺太、北アメリカ大陸西部に分布する。花は緑色を帯びた白色で、花序は直立し、花序の基部から開花する[1][4]。 ●ケトウウチソウ Sanguisorba stipulata Raf. var. pilosa (H.Hara) H.Hara - 萼筒に細毛がある[5]。 ●リシリトウウチソウ Sanguisorba stipulata Raf. var. riishirensis (Makino) H.Hara - 北海道に分布し、高山帯に生育する。茎や葉の中軸に赤褐色の縮毛があり、萼筒に細毛が密生する[1][5]。準絶滅危惧︵NT︶︵2012年環境省レッドリスト︶。 ●ナガボノワレモコウ Sanguisorba tenuifolia Fisch. ex Link - 日本では、北海道、本州、四国、九州に分布し、原野のやや湿った場所に生育する。花は白色または紅紫色があり、白色のものをナガボノシロワレモコウ、紅紫色のものをナガボノアカワレモコウという[1][4]。花序は直立するか垂れ下がり、花序の上部から開花する[6]。 ●チシマワレモコウ Sanguisorba tenuifolia Fisch. ex Link var. grandiflora Maxim. - 北海道、千島列島、樺太に分布し、亜高山帯から高山帯の草地に生育する。草丈は高さ30-40cmと低い[1][5][6]。 ●コバナノワレモコウ Sanguisorba tenuifolia Fisch. ex Link var. parviflora Maxim. - 日本の本州西部・四国・九州、朝鮮半島、中国大陸東北部に分布し、湿った場所に生育する[1]。その他の主な種[編集]
●Sanguisorba albanica Andr s. & J v. ●Sanguisorba alpina Bunge ●Sanguisorba ancistroides (Desf.) Ces. ●Sanguisorba annua (Nutt. ex Hook.) Torr. & A.Gray ●Sanguisorba applanata T.T.Yu & C.L.Li ●コウライトウウチソウ Sanguisorba argutidens Nakai ●Sanguisorba azovtsevii Krasnob. & Pshenich. ●Sanguisorba canadensis L. ●Sanguisorba cretica Hayek ●Sanguisorba diandra (Hook.f.) Nordborg ●Sanguisorba dodecandra Moretti ●Sanguisorba filiformis (Hook.f.) Hand.-Mazz. ●Sanguisorba hybrida (L.) Font Quer ●Sanguisorba lateriflora (Coss.) A.Braun & C.D.Bouch ●オランダワレモコウ Sanguisorba minor Scop - ﹁サラダバーネット﹂の名でハーブとして用いられる。 ●Sanguisorba riparia Juz. ●Sanguisorba rupicola (Boiss. & Reut.) A.Braun & C.D.Bouch ●Sanguisorba verrucosa (Link ex G.Don) Ces.ギャラリー[編集]
脚注[編集]
参考文献[編集]
- 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎他編『日本の野生植物 草本II 離弁花類』、1982年、平凡社
- 林弥栄監修、平野隆久写真『山溪ハンディ図鑑1 野に咲く花』、1989年、山と溪谷社
- 清水建美、木原浩『山溪ハンディ図鑑8 高山に咲く花』、2002年、山と溪谷社
- 牧野富太郎原著、大橋広好・邑田仁・岩槻邦男編『新牧野日本植物圖鑑』、2008年、北隆館
- 門田裕一監修、永田芳男写真、畔上能力編『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』、2013年、山と溪谷社
外部リンク[編集]
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- Sanguisorba L., Flora of China.
- Sanguisorba, The Plant List.
- 生物多様性情報システム, 環境省
- 日本のレッドデータ検索システム「Sanguisorba」 (エンビジョン環境保全事務局)