修飾キー
修飾キー︵しゅうしょくキー、英: modifier key‥モディファイアキー︶は、コンピュータのキーボードにおいて、他のキーの入力文字や機能を変えるために併用するキーのこと。なお、併用したキーの組み合わせ︵例‥Ctrl+A︶をコンビネーションキーともいう。
修飾キーの種類[編集]
修飾キーには以下のようなものがある。カッコ内は刻印。 シフトキー (Shift, ⇧) アルファベットの大文字や、通常と異なる記号を入力するためのキー。タイプライターに由来する。また、GUI環境ではファンクションキーやカーソルキーと併用してショートカットキーとして使われることもある。 コントロールキー (Control, Cntrl, Ctrl, Ctl, ⎈) 制御文字を入力するためのキー。GUI環境では、ショートカットキーとして使われることが多い。 メタキー (Meta, ◇, ◆) 主にUNIXワークステーションにあるキーで、MSBを立てるはたらきを持つ。たとえば'a'のASCIIコードは0x61であるが、メタキーを押しながらaを押すと0xE1が入力される。Emacsでは、各種のコマンドを入力するために使われる。 オルタネートキー (ALT, Alt, ALTernate,⎇) AT互換機にあるキー。Metaキーに相当する。GUI環境では、ショートカットキーとして使われることが多い。また、Altキーを押しながらテンキーで文字コードを10進数で入力することにより、直接入力できない文字︵主に1バイト文字︶を入力することができる。古い日本IBMのキーボードでは﹁前面キー﹂という名称だった。 オルタネートグラフィックキー (AltGr) 欧州各国のPC用キーボードでは、右Altキーのかわりにこのキーがある。アクセント記号つき文字や各種記号などを入力するためのキー。具体的な組み合わせはキー配列によって異なるが、AltGr+Eでユーロ記号が入力できることが多い。 Windowsキー 90年代後半以降のAT互換機に見られるキーで、WindowsではOSに対するショートカットキーとして使われる。 オプションキー (option, ⌥) Macintosh等のアップル製のハードウェアにあるキーで、AltGrキーと同様の機能をもつ。USBキーボードではAT互換機のAltキーと同一視されている。 コマンドキー (Command, ⌘) Macintosh等のアップル製のハードウェアにあるキーで、ショートカットキーとして使われる。USBキーボードではAT互換機のWindowsキーと同一視されている。 グラフキー (GRPH, GRAPH) PC-9800シリーズを筆頭として、昔の国産PCにあったキーで、主にスタンドアロンBASIC環境下で機種依存の図記号や罫線素片を入力する。MS-DOS全盛期以降は、本来の用途と無関係に、Altキーの代用としてショートカットキーに使われるようになった。 USBキーボードでは、修飾キーとしてシフトキー・コントロールキー・Altキー︵オプションキー︶・GUIキー︵Windowsキー・コマンドキー︶が定義されている。 Symbolicsのキーボードには、メタキーに加えてスーパーキー・ハイパーキーも存在していた。環境によってはWindowsキーがスーパーキーになる。 Linuxでは、Windowsキーやコマンドキーなどはスーパーキー と呼ばれ、画面効果などの操作に使われる。 MSX規格のキーボードには、他の規格のキーボードには見られないストップキー(STOP)、セレクトキー(SELECT)が存在していた。 ストップキー(STOP)は、MSX-BASICでプログラムの一時停止︵PAUSE︶に使用され、セレクトキー(SELECT)は、それを使うゲーム、または選択として使用された。修飾キーの表記[編集]
キー操作の表記[編集]
修飾キーを用いたキー操作を表記する場合、通常はプラスまたはハイフンで連結して﹁Ctrl+A﹂﹁Alt-F4﹂﹁Ctrl+Alt+Delete﹂のような表記が使われる。 また、コントロールキーについては、ハット︵キャレット︶を用いた﹁^C﹂のような表記︵キャレット記法︶が古くから存在する︵古いコンピュータでは、ハットを↑と表示するものがあり、その影響で﹁↑C﹂のように表記している書籍もあったが、今日ではほとんどみられない︶。 Emacsでは、コントロールキーについて﹁C-a﹂、メタキーについて﹁M-p﹂、併用する場合﹁C-M-x﹂のような独自の表記を用いる。キートップの刻印[編集]
キートップの刻印に修飾キーの効果を示す際に、一般に、以下のような2種類のスタイルが存在する。英字 | 数字・記号 | 数字・記号(シフト) | カナ | カナ(シフト) |
---|---|---|---|---|
左寄り | 左寄り | 上寄り | 下寄り | 右寄り |
左上 | 左下 | 左上 | 右下 | 右上 |
┌───┐┌───┐ │ ││ # │ │Q ││3 ぁ│ │ た ││ あ │ └───┘└───┘
┌───┐┌───┐ │Q ││# ぁ│ │ ││ │ │ た││3 あ│ └───┘└───┘
特殊キーでは、シフトキーを使わない場合の機能はキートップの下寄りに、シフトキーを使う場合の機能は上寄りに表記される︵単にスペースの都合で2行に折り返されているものを除く︶。
┌────┐┌────┐ │CapsLock││カタカナ│ │ ││ │ │英数 ││ひらがな│ └────┘└────┘また、AT互換機のキーボードでは、一部の機能でAltキーを必要とするものがあり、そのようなものはキーの前面に緑色︵Altキーの刻印と同じ色︶で表記される。
┌───┐┌───┐┌────┐┌──────┐┌────┐ │Print ││半角/││カタカナ││前候補 ││CapsLock│ │Screen││全角 ││ひらがな││変換(次候補)││英数 │ ├───┤├───┤├────┤├──────┤├────┤ │Sys Rq││漢字 ││ローマ字││全候補 ││漢字番号│ └───┘└───┘└────┘└──────┘└────┘また、AT互換機のキーボードでは、一部の機能でCtrlキーを必要とするものがあり、そのようなものはキーの前面に黒色︵Ctrlキーの刻印と同じ色︶で表記される。
┌───┐ │ │ │Pause │ ├───┤ │Break │ └───┘
類似の機能をもつキー[編集]
ロックキー[編集]
詳細は「ロックキー」を参照
修飾キーと類似の概念として、ロックキー︵CapsLockキー、NumLockキーなど︶がある。ロックキーは、押すたびにオンとオフが切り替わり、オンの状態で修飾キーと類似したはたらきをする。
ただし、修飾キーと異なり、ショートカットキーとして使われることはない。