六角形
六角形︵ろっかくけい、ろっかっけい、英: hexagon︶は、6つの辺と頂点を持つ多角形の総称である。
正六角形
正六角形︵せいろっかくけい︶とは、各辺の長さがすべて等しく、内角も120゚と一定な六角形である。一辺をaとすれば周長はであり、外接円の直径︵対角長︶はであり、内接円の直径︵対辺の距離︶はであり、面積は下記のとおりとなる。
一辺の長さが1の正六角形は単位円に内接する。このとき、正六角形の周長は6であり、これは単位円の円周長より短い。単位円の直径は2であるので円周率︵=円周長/直径︶が 6/2 = 3 より大きいことの簡便な証明としてよく用いられる。古代より、この性質によって円周率が約3であることが知られていた。
合同な正六角形を規則正しく並べることによって平面を充填させることができる︵平面充填形︶。この構造はハチの巣などに見られ、頑丈な構造として工業的に用いられることもある︵ハニカム構造︶。
6つの正三角形を組み合わせて正六角形を作ることができる。これは正六角形の対角線のうち、中心を通る長い方の3本を引くことによっても見て取れ、正三角形も平面充填形であることがわかる。
また、点を正六角形の形に並べたとき、その点の総数にあたる数を六角数という。
正六角形[編集]
正六角形の作図[編集]
種類[編集]
凸六角形[編集]
- 等角六角形 - 6つの角の大きさが等しい六角形。
- 六等辺六角形 - 6本の辺の長さが等しい六角形。
- 平行六等辺六角形 - 六等辺六角形のうち、辺が平行になっているもの。
- ルモワーヌの六角形
自己交差した六角形[編集]
Dih2 | Dih1 | Dih3 | |||
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Figure-eight |
Center-flip |
Unicursal |
Fish-tail |
Double-tail |
Triple-tail |
その他の六角形[編集]
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凹六角形
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自己交差した六角形(星型多角形)
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交差した六角形
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立方体の投影図中に存在するスキュー六角形
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「ハイパートランケート (Hypertruncat)」された三角形
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「ハイパートランケート (Hypertruncat)」された三角形
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「ハイパートランケート (Hypertruncat)」された三角形
例[編集]
自然物[編集]
●雪の結晶︵雪片︶は正六角形を基調とした様々なパターンを成している。 ●六方晶系をとる鉱物は自形[2]で六角柱、その断面は六角形をなす[3][4]。 ●柱状節理は岩体にみられる角柱状の割れ目の一種で、溶岩が冷却し体積が収縮する過程で六角柱をなす場合があり、断面に六角形があらわれる[5][6]。 ●土星の北極に大気がつくる六角形の模様︵土星の六角形︶が、探査機ボイジャー2号により1981年に初めて観測された[7]。人間以外の生物に関するもの[編集]
●ハチの巣の各部屋は六角形の壁で囲まれている。同様の構造をハニカム構造という。 ●亀の甲羅︵亀甲︶の一部が六角形をなす場合がある[8]。亀甲紋のように日本の伝統では六角形の意匠の呼称に﹁亀甲﹂の語が用いられることがある[9][10]。人工物・意匠・表現[編集]
●鉛筆の芯と垂直な断面は正六角形のものが多い。 ●ボルトの頭部は正六角形のものが多く、対辺を工具で把持して回転させる。 ●頭頂部に正六角形の穴が設けられたネジがあり、六角棒レンチを差し込んで回転させる。 ●シミュレーションゲームのマス目にしばしば使用される。 ●都道府県道の標識は角に丸みを帯びた正六角形の形をしている。 ●フランス本土の形状は六角形に似ているから、フランス語では本土のことを﹁レグザゴーヌ﹂︵フランス語: l'Hexagone︶と呼ばれる[11]。ギャラリー[編集]
ハチの巣
雪の結晶
土星の北極の大気にみられる六角形。2014年4月2日、探査機カッシーニによる撮影画像。
断面が六角形のジャイアンツ・コーズウェーの柱状節理。
脚注[編集]
- ^ a b “円に内接・外接する正六角形の周長と面積から円周率との関係を考える”. 円に内接・外接する正六角形の周長と面積から円周率との関係を考える ~ 数学について考えてみる (2021年7月21日). 2022年6月12日閲覧。
- ^ 『自形』 - コトバンク
- ^ 鉱物の結晶 < 倉敷市立自然史博物館ホームページ
- ^ 『六方晶系』 - コトバンク
- ^ 『柱状節理』 - コトバンク
- ^ 爪木崎の俵磯 | 南から来た火山の贈りもの 伊豆半島ジオパーク
- ^ Voyager - Saturn Then and Now: 30 Years Since Voyager Visit < NASA Jet Propulsion Laboratory (JPL)(英語)(ジェット推進研究所)
- ^ 『甲』 - コトバンク
- ^ 『亀甲文』 - コトバンク
- ^ 『亀甲』 - コトバンク
- ^ 『川と文化: 欧米の歴史を旅する』玉川大学出版部, 2004, p13