弟子丸泰仙
弟子丸泰仙︵でしまる たいせん、1914年 - 1982年4月30日︶は、日本の曹洞宗の僧侶である。
生涯[編集]
1914年に佐賀県に生まれた。彼の母親は熱心な仏教徒であったが、彼の父親は彼にサラリーマンとして人生を送るよう望み、彼は2つの想いの間で揺れ動いた。そんな中、駒澤大学で澤木興道に会い、社会の中で禅を実践するよう勧められた。 彼は実業家として成功し、海外経済協力事業団を設立したり、世界仏教平和運動を大谷光瑞らと共に実施したが、いずれも反対派によって失敗した。 そんな中、澤木興道の晩年に出家し、その死後、遺命によりフランスで禅を布教するを決意し、1967年にシベリア鉄道経由で渡欧。レヴィ・ストロースらの思想家やパブロ・ピカソ、アンドレ・マルローらと交流を持ち、多くの人々が彼の教えを受けた。時の永平寺貫首山田霊林の命により、ヨーロッパ開教総監︵現国際布教総監︶に任命され、パリ市内に佛国禅寺︵現・パリ市内13区︶、ブロワ市近郊に禅道尼苑という拠点も設け、1970年にAssociation Zen Internationale︵国際禅協会︶を設立した[1]。またフランス人の弟子約80人を引き連れて長野県佐久市の貞祥寺に禅修に訪れた。墓所は同寺にある。 彼は、ヨーロッパ各国に泰西仏教第一道場︵1980年︶など多くの道場を建て、また多くの著書を執筆した。 弟子にはモーリス・ベジャールなどがいる。 テレビプロデューサーの弟子丸千一郎、映画評論家の西村雄一郎は息子に、建築家の魚谷繁礼は孫にあたる。著作リスト[編集]
和文 ●﹃禅僧ひとりヨーロッパを行く﹄︵春秋社、1971年︶ ●﹃無一物からの挑戦﹄︵文京書房、1973年︶ ●﹃禅と文明﹄︵誠信書房、1973年︶ ●﹃日本人に﹁喝﹂﹄︵徳間書店、1981年︶ ●﹃禅の言葉―マルク・ドゥ・スメト﹄︵書と墨絵・弟子丸泰仙 中沢新一・訳 紀伊国屋書店1996年︶ 欧米文- La pratique de la concentration(Zen-Retz、1978年)
- La pratique du zen(Albin Michel、1981年)
- Questions a un Maitre Zen(Zen-Retz、1981年)
脚注[編集]
- ^ フランス語になった「禅」 ~日本の宗教は欧州でどのような活動を行っている?エクサイト・ニュース、2015年5月9日