怒り
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怒り︵いかり、英: anger︶とは、人間の原初的な感情のひとつで、様々な要因・理由で起きるもの。例えば目的を達成できない時、自分の思い通りにならない時、身体を傷つけられた時、侮辱された時などに起きるものである[1]。憤り︵いきどおり︶とも言う。特に激しい怒りは憤怒︵ふんぬ。忿怒とも︶と言われる。用言、動詞的な表現としては﹁腹を立てる﹂﹁立腹﹂﹁カッとなる﹂﹁頭に来る﹂とも。また、一部の動物︵イヌ、ネコなどの哺乳類、鳥類、その他︶も怒りの感情を持つ。
en:The Seven Deadly Sins and the Four Last Things, ヒエロニムス・ボッシュ (1485). ﹁怒り﹂は 円形の一番下に位置している。円の真ん中にラテン語で次のように書いてある。 ﹁Cave Cave Deus Videt思い起こせ、思い起こせ、神は見ておられることを﹂
多くの宗教で、怒りは人間の最もネガティブな感情と捉えられている。憤り、怒ることを憤怒といい、キリスト教では、七つの大罪のひとつとされる。仏教では、怒りは人間を地獄界の精神状態に追いやり、死後最悪の条件に転生すると考える。また、狼、ユニコーン、ドラゴン等が、憤怒を象徴する動物として描かれる事もある。
一方、神は往々にして人間の中の正しくないものに向かって怒る存在であるが、ネガティブな感情であるとは限らない。ギリシア神話やローマ神話等では、怒りによりときに人間を滅ぼす場面も見られる。
仏教では、怒りは煩悩のうち、三毒とされる基本的な3つの貪・瞋・癡︵とんじんち︶のうち、瞋︵しん︶である。不動明王や三宝荒神のように、貪瞋癡を許さんという慈悲が極まり、憤怒の相で表れて不浄を厭離し、仏法僧を守護する仏も見られる。磨滅するために怒りをわざと高めて悪しき心を陳伏すること。